概要
本大会の表題は「コナミ日本シリーズ2013」。
これは2011年以来3年連続でコナミグループ(KONAMI)がタイトルスポンサーを担当したことによる。なお本年限りでコナミはタイトルスポンサーを撤退、翌2014年からはSMBC・三井住友銀行がタイトルスポンサーを務め、これが現在まで継続している。
この年の日本シリーズは、創立9年目で球団史上初のパ・リーグ優勝を果たしてCSも突破して日本シリーズに初出場し、球団史上初の日本一もかかっている東北楽天ゴールデンイーグルス(以下「楽天」と記載)と、2年連続のセ・リーグ優勝を果たし、黄金期復活に向けてV9時代以来の日本シリーズ連覇を狙った読売ジャイアンツ(以下「巨人」と記載)が相見えることとなった。
第7戦までもつれ込む激戦の末に4勝3敗で楽天が勝利、球団史上初の日本一を掴み取った。惜しくも敗れた巨人は、日本シリーズ連覇とはならなかった。
試合結果
☆は勝利投手、★は敗戦投手、Sはセーブ。
第1戦
10月26日(土)@日本製紙クリネックススタジアム宮城
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- 【投手】
楽天: 則本★、小山伸、ハウザー
巨人: 内海☆、マシソン、山口、西村S
- 【本塁打】
楽天: なし
巨人: 村田・1号(8回表ソロ)
戦評
巨人の先発は予想通りエースの内海哲也。一方の楽天は無敗の24連勝を記録した田中将大と思いきや、ルーキーながら15勝を挙げた則本昂大。新人投手が日本シリーズの第1戦に先発するのは、61年振り3度目。試合は投手戦となったが、長野久義の先制打、村田修一のホームランで挙げた2点を、巨人が守り切った。2-0で巨人が先勝。
第2戦
10月27日(日)@日本製紙クリネックススタジアム宮城
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | X | 2 |
- 【投手】
楽天: 田中☆
巨人: 菅野★、澤村、青木、マシソン
- 【本塁打】
楽天: なし
巨人: 寺内・1号(8回表ソロ)
戦評
楽天の先発は田中。一方巨人の先発はこれもルーキーながらチームトップタイの13勝を挙げた菅野智之。こちらも投手戦となったが、楽天側が銀次と藤田一也の適時打を挙げ、巨人側は好投した先発の菅野を援護できなかった。2-1で楽天の勝利。
第3戦
10月29日(火)@東京ドーム
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
楽天 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
- 【投手】
巨人: 杉内★、小山、今村、青木
楽天: 美馬☆、レイ、斎藤
- 【本塁打】
巨人: 矢野・1号(8回裏ソロ)
楽天: なし
戦評
巨人の先発は日本シリーズに4度登板し、3勝負けなしの杉内俊哉。一方の楽天はシーズン6勝の美馬学。2回表、楽天打線は杉内を攻め、連打でこの回4点を取り杉内をKO。一方の美馬は6回途中まで好投し、後を受けたケニー・レイも巨人打線を抑える。最後は斎藤隆が締めて楽天が敵地で先勝。5-1で楽天の勝利。
第4戦
10月30日(水)@東京ドーム
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
楽天 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 |
巨人 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | X | 6 |
- 【投手】
巨人: ホールトン、今村、澤村、マシソン☆、山口S
楽天: ハウザー、宮川、小山伸、長谷部★、金刃
- 【本塁打】
巨人: なし
楽天: ジョーンズ・1号(8回表3ラン)
戦評
巨人の先発はデニス・ホールトン。楽天の先発はジム・ハウザー。
この日明らかになった元巨人選手・監督の川上哲治の死去を受けて、両軍の選手は喪章をつけて試合を行い、試合前には川上氏の業績を称えるビデオ上映と黙祷が行われた。
楽天はアンドリュー・ジョーンズが本塁打で先制するなど序盤で4点を取る。一方の巨人は村田や長野の適時打などで5回までに5点をあげ逆転。楽天・聖澤諒は6回に同点適時二塁打を放つも、巨人・寺内崇幸が7回に適時打を放って勝ち越し。そのまま6-5で巨人が勝利。
第5戦
10月31日(木)@東京ドーム
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
楽天 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 |
- 【投手】
巨人: 内海、澤村、山口、西村★、青木
楽天: 辛島、則本☆
- 【本塁打】
巨人: 村田・2号(7回裏ソロ)
楽天: なし
戦評
楽天の先発は辛島航。一方の巨人は内海。辛島は5回をわずか1安打に抑える好投。すると星野監督は則本にマウンドを託す。則本は村田に打たれ、試合は延長戦へ。10回表、先頭打者は則本。代打と思われたがそのまま打席へ。巨人の守護神西村健太朗は四球を与えてしまう。4-2で楽天の勝利。楽天は悲願の日本一まであと1勝となり優勝へ王手をかけた。
第6戦
11月2日(土)@日本製紙クリネックススタジアム宮城
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 |
楽天 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
- 【投手】
楽天: 田中★
巨人: 菅野☆、山口、マシソンS
- 【本塁打】
楽天: なし
巨人: ロペス・1号(5回表2ラン)
戦評
先発投手は第2戦と同じ田中と菅野。この年シーズン公式戦から日本シリーズにかけて連勝を続けた田中を攻略。4-2で巨人が勝利し、3勝3敗でタイとして楽天に逆王手をかけた。田中は完投ながら12安打4失点で敗れた。
第7戦
11月3日(日)@日本製紙クリネックススタジアム宮城
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
楽天 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 3 |
- 【投手】
楽天: 美馬☆、則本、田中S
巨人: 杉内★、澤村、内海、西村
- 【本塁打】
楽天: 牧田・1号(4回裏ソロ)
巨人: なし
戦評
先発投手は第3戦と同じ美馬と杉内。2回に楽天・岡島豪郎の適時二塁打で2点を先制。巨人は継投策をとったが、4回に楽天・牧田明久がソロ本塁打し3-0とする。両チームともその後得点はなく、前日に9回160球を投げていた田中が本人の志願により9回に登板し、無失点で締めた。3-0で楽天が勝利。この勝利により楽天は創立9年目にして初となる日本シリーズ制覇を果たした。
総評
楽天は打線に繋がりがあった。その一方で巨人は主将(当時)の阿部慎之助、高橋由伸らが絶不調。チーム打率はシリーズ史上13球団目となる1割台の.182を記録。これは巨人としては当時の球団ワースト記録となった。
MVPは2勝し、史上4人目の防御率0.00をマークした美馬であるが、シーズン中の活躍、日本シリーズ第1戦の登板等を加味すると、影のMVPは則本・・・のようだ。