概要
一般財団法人「職業教育・キャリア教育財団」が主催する情報関係の検定試験。正しくは「情報検定」という。文部科学省の後援で2006年12月から実施されている。
1994年6月から2006年6月の試験まで、文部科学省認定「情報処理活用能力検定試験(J検)」として開催されていたものの後継。J検の名称は引き続き使われている。
現在では、情報システム試験、情報活用試験、情報デザイン試験の三科目に区分されている。団体向けに情報活用基礎の試験も実施されるが、これは情報活用試験3級と同等の内容になっている。
情報システム試験基本スキルの合格者には、検定試験後に「差分講習を受講し、その後の修了試験に合格する」ことで、基本情報技術者試験(基本情報技術者)の午前試験が免除される特典が付く。一部の大学、短大、専門学校などでは、情報活用試験や情報システム試験、情報デザイン試験に合格することで単位認定を受けられることもある。
試験日には前期と後期の日程がある。前期日程は情報活用試験が6月第3日曜日に、その他の試験が9月第2日曜日に実施されている。後期日程は情報活用試験が12月第2日曜日に、その他の試験が2月第1日曜日に実施されている。
全ての科目において、多岐選択式マークシートが採用されている。
情報検定
情報活用試験
この試験のコンセプトは、使うである。この試験には、3級、2級、1級の3つの級があり、パソコンを操作すると言った基礎的なことからセキュリティに関する事まで、主に情報リテラシーの内容となっているが、2009年度試験以降は具体的なアプリケーション(ワープロ、Excel、表計算など)の活用法や、企業の経営戦略(マネジメント、ストラテジー)に関する問題などが追加された。
また、3級~1級の実施時間が異なり、併願が可能である。つまり、3級と2級、2級と1級などの複数の級を一度に受験できる。
1級の難易度はITパスポートとほぼ同じくらいらしい。
情報システム試験
この試験のコンセプトは、創るである。この試験には、基本スキル、プログラミングスキル、システムデザインスキルの3科目があり、プログラミングからパソコンを支える技術までが出題され、開発者向けの試験である。
この試験においても、実施時間が異なり、併願が可能である。しかし、同日に行われる情報デザイン試験とは時間が重なる。
合格した科目によって、認定が変わるのが特徴である。1科目合格の場合は合格した各スキルの合格証である。ただし、2科目の場合は、基本スキルとプログラミングスキルでプログラマ認定証、基本スキルとシステムデザインスキルでシステムエンジニア認定証が交付される。また、3科目合格すると、両認定証が交付されることとなる。実施時間も基本スキルが各スキルにはさまれる形の実施時間になっている。
合格した科目は次期試験時まで受験が免除される。しかし、それ以降は認定証を持っていても免除されない。
難易度は基本情報技術者試験よりやや低いくらいらしい。
情報デザイン試験
この試験のコンセプトは、伝えるである。この試験には、共通科目、ビジュアルデザイン分野、インタラクティブメディアデザイン分野、プレゼンテーションデザイン分野の4科目がある。デザイン、表現に関する問題が出題され、デザイナー向けの試験である。
この試験においても、実施時間が異なり、併願が可能である。ただし、共通科目は必須受験科目である。共通科目を合格しないと、合格認定されない。
合格発表
試験実施後1ヶ月以内に発表。発表後、合格証書及び合格証明書の申請が可能。
国家試験の免除
基本情報技術者試験(基本情報技術者)
情報システム試験基本スキルに合格し、差分講習を受講後に修了試験を合格することで、午前試験が免除される。
初級シスアド/初級システムアドミニストレータ試験(廃止)
かつて存在した初級シスアドでは、情報活用検定1級(旧情報処理活用検定準2級)に合格し、差分講習を受講後に修了試験を合格することで、午前試験が免除された。初級シスアドは2009年の情報処理技術者試験の改定で廃止された。
社会的評価
この検定はあくまで専門学校の学生向けのものなので、社会的評価は高いとは言い難い。(一応大学生や社会人も受けられるが、あまり知名度は高くない)
この資格を取って満足するのではなく、できれば国家資格のITパスポートや基本情報技術者(FE)、民間資格でもMOS(Microsoft Office Specialist)などの有名なものも取るようにしよう。
情報処理活用能力検定
情報検定が前身であり、J検と言う呼称が情報検定に名前が変わっても残っている。1994年6月~2006年6月まで実施された。試験区分が現在とは異なる。また、文部科学省認定の公的資格(英検/実用英語技能検定と同じ)だった(現在の情報検定は文部科学省後援の民間資格)。
難易度は現在のJ検よりも高い(かつての準2級が現在の1級に相当する)。
区分
- 3級 : 主に情報リテラシーに関して出題
- 準2級 : 主に情報リテラシー(3級より難しい)とコミュニケーションについて出題
- 2級 : 主にコンピュータシステムとアプリケーションシステムについて出題
- 1級 : 主にソフトウェア開発とシステム構築について出題。なお、1級合格者のうち成績優秀者には文部科学大臣奨励賞などの表彰があった。