ミグ戦闘機の黎明
MiG-3(МиГ-3)は、大祖国戦争(第二次世界大戦)期のソ連赤軍で運用された高高度戦闘機。
有名なミグ設計局における史上2番目の制式機で、1番目たるMiG-1で問題となった安定性不足などを解消した改良型として開発された。
性能
高度7,800mにて最高速度640km/hを発揮するという優秀な高高度性能、この一点に集約され、逆にいえばそれ以外の性能は微妙だった。
特に武装は12.7mm機銃×1挺+7.62mm機銃×2挺を機首上部に搭載するのみで、火力の貧弱さが問題視された。
改良として両翼下に12.7mm機銃を1挺ずつガンポッド形式で増設した機体が800機ほど製造されたものの、重量増+空気抵抗増によって大幅に性能低下するため撤去されることが多かった。
また、機首武装を20mm機関砲×2門に換装した機体も存在したものの、総数52機のみだった。
戦史
1940年に実戦投入されたMiG-3は敵国ドイツの主力を担うBf109E型を圧倒する高高度性能を有した。
しかし、独ソ戦における空中戦は陸戦支援などの理由から主に低空で発生し、これにより赤軍の主力は低高度に対応したYak-1やLa-5などとなった一方、MiG-3の活躍の機会は非常に限られた。
1941年、枢軸国の大規模攻勢が鳴りを潜めると、MiG-3の主な用途は偵察のように交戦が発生しづらいものへと変更された。
余談
- MiG-2はどこ?
MiG-2は欠番となっており存在しないが、これはソ連軍が軍用機の型番における数字が奇数であれば戦闘機、偶数であれば対地攻撃機と区分したため。初期のミグは戦闘機を専門としていた。
ちなみに、基本的にはSu-24=攻撃機、Su-27=戦闘機という風に当て嵌まるが、Su-25=攻撃機のような例外もある点には注意。