概要
Nintendo Switch Lite(以下ライト)は、任天堂から発売された携帯ゲーム機。2019年9月20日発売。
Nintendo Switch(以下スイッチ)の「携帯モード」での使用に特化してデザインした廉価版で、小型軽量化がなされた一方でいくつかの機能がオミットされている。
価格は19980円(税抜)。
箱の中身は本体と充電用アダプターのみ(Switch共通)で、取り扱い説明書は電源を入れて本体内部に書かれている。カラーリングはターコイズ、グレー、イエローの3色のみだったが、2020年3月20日にコーラル、2021年4月13日にブルーが加わる。
また、ポケットモンスター ソード・シールドに登場する伝説のポケモンである「ザシアン」と「ザマゼンタ」をモチーフとした限定モデルの「ザシアン・ザマゼンタ」も2019年11月1日に、ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパールに登場する「ディアルガ」と「パルキア」をモチーフとした限定モデルの「ディアルガ・パルキア」を2021年11月5日に発売。
主な特徴
コントローラー
ノーマルおよび有機ELのNintendo Switch(以下スイッチ)では、本体から2つのジョイコンを取り外してプレイすることが可能だったが、ライトではこの機能がオミットされている。また、ライト本体にはHD振動やモーションIRカメラは搭載されていない。
ジョイコンではなくなった為か、方向ボタンに代わり再び十字ボタンが標準搭載されている。
但し、ライトと別売りのジョイコンやプロコントローラーを無線で接続することはできる。
TVモード・テーブルモード
ノーマルおよび有機ELのスイッチではドックを使用する事によりテレビに繋いでプレイするTVモードができたが、携帯特化型のライトでは繋ぐことができない。そもそもライトには映像出力機能が無い(サードパーティ製のSwitchドック代用のものやType-CをHDMIに変換するアダプタに繋いでも出力及びTVモードへの切り替えすらされない。
それについては、本体設定にある『知的財産の表記』にて確認すればHDMIの団体名が表記されていないという根拠から。
ただし、USB TYPE-CコネクタにUSBに変換コネクタを繋ぐとキーボードやマウスがSwitchに対応するものならば認識する。変換コネクタを利用する事で有線LAN接続も可能。なお、HORI製の簡易型ドックは接続可能であるとの事。
またテーブルモード用の脚もライト本体からはオミットされている。
なお、別売りのジョイコンやプロコントローラー(またはワイヤレスホリパッド for Nintendo Switchかワイヤレスホリパッド TURBO for Nintendo Switch、あるいはホリ ワイヤレスクラシックコントローラー for Nintendo Switch)や充電スタンド(フリーストップ式)またはHORI製のNEWプレイスタンドかポータブルUSBハブスタンドがあれば、テーブルモードでプレイする事も出来る。
画面
ノーマルのスイッチ本体の画面の大きさが6.2インチなのに対して、ライト本体の画面の大きさはそれよりも0.7インチ小さい5.5インチとなっている。
ちなみに有機ELが7.0インチなので1.5インチの差がある。
使用可能時間
フル充電した状態で使い始めた場合、ノーマルのスイッチでは2.5〜6.5時間だったが、ライトでは3〜7時間とされておりやや充電が長持ちする仕様となっている。
・・・と思いきや、ライト発売に合わせてノーマルのニンテンドースイッチもバッテリーを改善した新モデル(以下HADモデル)が発表された、2019年8月末から出荷されたHADモデルはバッテリー持続時間が4.5〜9時間と大幅向上している(バッテリー時間以外の仕様変更はない)ことからバッテリーの持ちの性能はライトよりHADモデルの方が高い結果となった。また、有機ELもHADモデルと同じく4.5時間~9時間となっている。携帯に特化したサブ機として使うならば、少々設定等に手間取るが、スイッチからは充電コネクタが汎用の「USB TYPE-C」になった為に専用の充電アダプターでなくともUSB充電できるようになったのでモバイルバッテリーの併用という手段も可能。(ただし、非公式でありバッテリーの劣化に注意)
しかも、しながら充電でスクショと動画の整理するにも重宝する『Power Delivery』対応しているらしく対応しているUSBハブに接続すれば、スクショと動画データをパソコン(Type-A端子)やスマホ(Type-A端子付きのType-C変換アダプタ経由)等に転送する際にType-C接続時に充電切れをせずに行えるメリットがある。
ちなみに「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」の場合、スイッチ(旧モデル)では約3時間、ライトでは約4時間、スイッチ(新モデル)では約5.5時間プレイすることができる(有機ELについては公式からの発表なし)。
軽量化
ライトの特徴は何よりも本体の軽量化である。ノーマルモデルが約400g(有機ELモデルは約420g)に対してライトは275gと手に取りやすくなっている。この軽量化と十字キーの標準搭載をきっかけに新たに購入するユーザーも少なくない。
ちなみに初代ゲームボーイの重量は本体のみなら約270gだが、そこに単三乾電池4本が加わると約310gにまで跳ね上がる(後年のゲームボーイポケットなどは100g台後半)。
余談
任天堂のゲーム機の中で、名前に「Lite」と付くのは2006年に発売された「ニンテンドーDS lite」以来2度目。
上記した新型ノーマルとライトは同じSoCを使っている事が明らかになっている。
具体的には型番がどちらも「ODNX10-A1」でそれぞれの分解記事(ライト・HADモデル)で確認できる。
ファンの推測によると「ノーマルSwitchとライトで部品を共通化させることで生産コストを抑える狙いがあるのではないか」と考えられている。
ちなみに旧型SwitchのSoCの型番は「ODNX02-A2」。
関連項目
ニンテンドー3DS→(Newニンテンドー3DS)→NintendoSwitchLite
ゲームボーイアドバンス…任天堂が過去に出した携帯ゲーム機でNintendoSwitchの携帯モードやNintendoSwitchLiteで遊んでいるときの感覚が一番近いハードであり先祖的な物を感じられる存在。
PSVITA…似たコンセプトのPSシリーズ最後の携帯ゲーム機。こちがは逆に携帯モデルが先にあり、後から据え置き版のPlaystation Vita TVが派生している。
PCエンジンGT…据え置きゲーム機であるPCエンジンのソフト(HuCARD)がそのまま使える携帯ゲーム機仕様のPCエンジン。この点で言えば先駆けといえる。
GENESIS NOMAD…携帯ゲーム機仕様のGENESIS(メガドライブ)。こちらもソフトがそのまま使える。