概要
東本昌平による漫画。
ビッグコミックスペリオールで2000年から2003年にかけて連載された。
作風としては「自動車版キリン」と呼べるもので、男たちの走りやモータースポーツにかける想いがぶつかり合う様子を描いている。
あらすじ
かつて学生ラリーをやっていた大佛(おさらぎ)は、結婚や出産を機にモータースポーツから手を引き、平凡な自動車整備士として過ごしていた。
しかし、偶然テレビで観たパリダカの中継で走りへの情熱が再燃し、それは整備工場の社長から「ボーナスの現物支給としてグループBのスタリオン4WDラリーをあげる」と冗談交じりに言われたことで決定的になった。
レストアしたスタリオンを駆り、夜な夜な峠や首都高を攻める大佛の姿は、やがて地元の走り屋たちの間で話題になり、更には学生ラリー時代のパートナー、栗原の知るところにもなる。
かくして、大佛と栗原、走り屋の若者らを中心に、それぞれの意地とプライドがぶつかり合う競争が始まった。
登場人物
- 大佛
本作の主人公。通称「ダイブツ」。学生ラリー時代に世話になった西山モータースにそのまま就職し、整備士を務めている。
ボーナスの現物支給で与えられたスタリオン4WDラリーを操り、ラリー仕込みの走りで地元の走り屋を魅了し、「ジャッキー」とあだ名されるようになる。
- 栗原
大佛の学生ラリー時代のパートナー。大佛との決別後はレーサーを経て現在は自動車評論家。
いかにも評論家らしい嫌味な性格だが、モータースポーツ経験者だけにテクニックと理論は確か。
裕福な生活の中でも大佛同様に不完全燃焼を抱えており、終盤で過去を清算するため彼に一騎打ちを挑む。
- 西山
西山モータース社長。
どこにでも居そうな親父だが、かつては三菱自動車からデビュー前のスタリオン4WDラリーを借りてくるなど謎の人脈を持っていた。
グループBラリーの終了により借りたまま忘れ去られていたスタリオンを大佛に譲渡する。
- 久美子
大佛の妻。彼のラリードライバーとしての情熱に惚れて結婚した。
そのため、妊娠を機にラリーをやめると言った大佛と一度だけ大喧嘩したことがある。
後に夫が再び走り始めたことを誰よりも喜んだ。
- カブキ
走り屋の若者。愛車はランサーエボリューションⅥ。
- ギラ子
走り屋の若者。愛車はインプレッサWRX STI。
余談
- 実写映画版のキャストは、哀川をはじめ遠藤憲一、MEGUMI、酒井法子、桑野信義など豪華であった。
- 哀川は本作への出演を機にラリーに目覚め、国際C級ライセンスを取得して現実のラリーに出場するようになった。