概要
同人サークル「Bio_100%」より1991年8月10日にMS-DOS(PC-98専用)版タイトルとしてリリースされた。
alty氏のインタビューによると、とある潜水艦撃沈シューティングの広告のイメージイラストが格好悪いのを気に入ってしまい、それのオマージュ絵をASCII-NETに投稿したら、当時フリーフォントのデザイン及び配布を行なっていたtacox(たこエックス)氏が突然本作用のロゴやグラフィックを送って来たのが起源である。ちなみに発表当時tacox氏は「ファミ通」のクロスレビュアーの1人だった。
後に続編「Finalty」が製作されたが、こちらは艦戴機によるグラディウスのような本格派横シューティングになっている。
1999年に入りWindows95向けのリメイクが進められていたが、HDDの故障に伴い開発が遅れる。更にはサーバー障害により公開ができなくなりお蔵入り。
2011年8月25日、AdobeFlash及びAndroid版がリリース。98版のベタ移植であった。
第1回フリーソフトウェア大賞アミューズメント部門受賞作品。
ゲームシステム
シューティングゲームではよくある4方向2ボタン。海及び空ステージでは横のみの移動。Z、Xはそれぞれ自機の左、右からの発射である。
画面下部のレーダーで、敵の動きがある程度把握できるようになっている。
海中の相手に投下する爆雷は弾数制限があり、むやみやたらと連射すると敵に当たるか接地するまで弾が撃てなくなる。弾の速度が遅い内は慎重かつ予測して投下するべし。
アイテム
後述する「Hoot」を撃破するとパワーアップアイテムが出現する。入手すると自機が強化されるが、敵のスピードもより激しくなるというオートバランスシステムを搭載。
- 青「Speed Up!」
自機の移動速度が最大5段階上がる。
- 赤「Shot Max Up!」
弾の数が2個増える。最大で16個保有可能。
- 緑「Shot Power Up!」
海では爆雷の落下速度、空及び宇宙では弾の発射速度増加に加え敵機を貫通するようになる。
- 紫「Shot Special!」
海では爆雷が正弦波を描きながら落下、空と宇宙では弾を3方向に発射できるようになる。
- 水「Full Power!」
青3個、赤6個、緑、紫を網羅。パワーアップしきった状態で一度死ぬと出易くなる。
- 黄「Flush Bomb!」
画面内の敵機と弾を一掃する。いわゆるグラディウスの青カプセルとメガクラッシュ。
- 白「Ship 1up!」
残機が一つ増える。Windows95版を除き、2つ残っている場合は出現しない。
ストーリー
西暦2011年、世界は核の炎に包まれた!
…のかどうかは知らないが、地球外からの攻撃により生物が棲むのに適さない環境となっていた。
しかし人類は生き残り、かつての日本の最南端の孤島の地下シェルターで細々と暮らしていた。
かつて比類なきバッタ屋として名を馳せた一人の老人を中心に、3人の若い男性、2人の若い女性、ネコ623匹、イヌ117匹、ミミズ1000匹、ヒツジ65536匹がおり、彼らは宇宙戦艦の建造に精を出していた。
数年後、遂にそれは完成した。ちょっとボケ入った老人はこの艦をかの巨大戦艦にあやかり「ヤマ卜(ヤマボク)」と名付ける。
ヤマ卜は旅に出る。第2の地球を探して――。
登場キャラクター
自機
- Yamaboku ヤマ卜
主人公。地球に変わる第2の星を探すという地味に重い目的のため建設された。
海ステージ
- Tiddler
機雷を放つ潜水艦。50点。
- Asthmatic
魚雷輸送艦。300点。
- Coypu
魚のような形をした小型潜水艦。200点。
比較的浅い場所を左から右へ移動し機雷を放つ。
- Wigwam
2周目と3周目に登場するドーム状の機体。500点。
海底を這い、魚雷を同時に4発発射する。
空ステージ
- Eyewash
小型ヘリコプター。50点。
上空を漂い、垂直落下するミサイルを降らせる。
- Spooky
爆撃機。200点。
横へまっすぐ進み、垂直落下するミサイルを降らせる。
- Fratricide
輸送用ヘリコプター。300点。
上から現われ、白い弾を降らせる。
- Scourge
3周目のみに登場するツクシ型の敵機。500点。
横へまっすぐ進み、自爆で白い弾を5発降らせる。
宇宙ステージ
- Mean
小型円盤型宇宙船。50点。
攻撃をしない。
- Christie
中型の宇宙船。200点。
横へまっすぐ進み、白い弾をばらまく。
- Poppy
機雷のような球体。自爆して白い弾を2~4発ばらまく。
- Rob
2周目と3周目に登場。サメのような見た目をしている。500点。
白い弾をばらまき、ヤマ卜に突進を試みる。
ボス
倒壊中も弾を当てると得点になるため、これを利用して点を稼いだ猛者もいるよう。
旧名称についてはこちらを参照されたい。
- Eerie Core (バイオコア)
1周目のボス。100点。破壊ボーナスは5000点。
左右の隅で上下に移動しながら、水平方向にレーザービームを4発発射。発狂状態ではヤマ卜にゆっくり近付き、白い弾を1発ずつ発射する。
- Lunatic Noddle (バイオドラゴン)
2周目のボス。200点。破壊ボーナスは5000点。
竜のような見た目で、当たり判定は頭部のみ。
上下移動中は炎を吐き、発狂すると左右に移動しながら灰色の弾をばらまく。
- B.P.S.M. (バイオバスター)
3周目のボス(ラスボス)。200点。破壊ボーナスは1万点。
コアから青色の追尾弾を発射する他、両腕を広げ2本のレーザーで攻撃を行なう。弱点はコアだが、普段は両腕で防御をするためなかなか当たらない。
発狂するとレーザー攻撃をやめ、両腕を広げ追尾弾を主体に攻撃をする。
その他
- Hoot
道中に登場する、マンボウのような機体。100点。
正弦波を大きく描きながら横へ移動する。撃破するとパワーアップアイテムを落とすが、同時に1つしか手に入らない。
- Strayed Brain
本編に登場しないのに、なぜかエンディングやAndroid版の説明書では登場する。
クラゲのようで、中には脳味噌が入っている。
音楽
fin氏とCLAUDE氏(STUDIO☆FEMY)が担当。
- オリジナル版ではビープ音を疑似的に3チャンネルにして再生していた。
- 発表当時fin氏がシンセサイザーを7台も使ってアレンジしたバージョンをテープに録音して売っていた。その音源は公式サイトで聴けるようになっている。同サイトでは吹奏楽アレンジも配布されているので、聴き比べてみるのも良い。
- Win95版ではMIDIで音楽を鳴らす予定だった。
スタッフ
ゲームデザイン - alty & tacox
キャラクターデザイン - tacox & alty
音楽・音響 - fin & CLAUDE(from STUDIO☆FEMY)
書体デザイン - tacox
グラフィック - tacox & alty
脚本 - tacox
プログラム - alty(PC-98)、Masaaki Okano(AdobeFlash)
著作権 - (C)1991 alty & tacox / Bio_100%
Win95版
ゲームデザイン - alty, tacox
キャラクターデザイン - tacox, alty, Ascomoid, nano-ray
書体デザイン - tacox
音楽 - fin, CLAUDE, カルロス
プログラム - alty, nag
プログラムサポート - tarbo
MIDI音源ドライバ - AJax
更新プログラム制作 - 恋塚
こぼれ話
- 「バイオドラゴン」のようなボスは他のBio作品にも登場する(例:「Dragon Clipper」(metys's_Snow_Wars)、「にゃんにゃんどらごん(いぬ)」(NyaHaX'93)など)。
- Windows版の宇宙ステージは「Finalty」のような横シューティングになる予定であった。
関連タグ
宇宙戦艦ヤマト - 話が似ているような…気のせいだろう。
Finalty - 続編。ヤマ卜より飛び立った戦闘機「Finalty(ファイナルティー)」が主人公。
外部リンク
Bio_100% | GAME REVIEW | Super Depth