概要
シンセサイザーを多用して作られるダンス・ミュージック、ポップの一種である。
1980年代よりディスコやシンセポップなどをルーツにジャンルが形成された。
4/4拍子の速いテンポ(BPMが120~160)の楽曲で、打ち込みで作られる。歌唱のない部分にシンセサイザーによる8小節のシンセサイザーによるリフが繰り返し流れる。
どの曲もテンポが近いためDJにとっては繋げやすく、ハイテンポかつノリの良いリフがドライブミュージックとしても最適で、大音量でエンドレスに流れることで踊っている者やドライバーは高揚感を得られるといえる。
1970年代後半から1980年代前半にかけて欧州で流行した、ディスコミュージックに電子音楽の要素を取り入れた「ユーロ・ディスコ」が源流の一つとなっている。
特に、ユーロ・ディスコから派生した、イタリア発祥のダンスミュージックのジャンルの一つである「イタロ・ディスコ」からは大きな影響を受けており、イタリアでは特に盛んである。
かつては同じくユーロ・ディスコの流れを汲むハイ・エナジー(Hi-NRG)と呼称されることもあったが、現代の日本では1980年代初頭に流行し、ディスコミュージックに近い比較的ゆったりとしたテンポ、ソウルフルなボーカルなどの特徴を持つ楽曲をハイ・エナジー、80年代後半から流行した、ハイテンポでポップな楽曲をユーロビート、というように呼び分けることが大半である。ただし、アメリカや欧州の一部の国では現在でもユーロビートに相当するジャンルがハイ・エナジーと呼ばれている。
イギリス、ドイツ、ベルギー、オランダ、スイス、スペイン、アメリカ、カナダなど欧米諸国で盛んに製作されていたが、1990年代以降から現在は、イタロ・ディスコの流れを汲むイタリアと、欧米から少し遅れてブームが伝わり、当時のアイドルによるカバーやディスコ・クラブ文化に迎合して人気を博した日本で制作されているものがほとんどとなっている。
特に、日本で作られたものをJ-EUROという(この中には、元々イタリアで制作された楽曲が日本のアーティストによって日本語カバーされたものも含んでいる。なお、日本のレーベルからリリースされた楽曲はイタリアに比べると非常に少ない)。
なお、平成中期以降の著名なユーロビート楽曲の大半は、イタリア北部を本拠地とするレーベルからリリースされたものであり、多くはエイベックスの「スーパーユーロビート」シリーズなどの日本のコンピレーションに収録されている。
1990年代後半の流行は、デイブ・ロジャースが安室奈美恵やMAX、V6などエイベックス所属のアーティストのプロデュースを手がけていたことや、エイベックスが音楽協力を行い多数のユーロビートが挿入歌として用いられた『頭文字D』などの影響も大きく、多くのフォロワーを産んだ。またディスコ内でユーロビート専用のダンスとして生まれたパラパラの存在も大きいといえる。
2000年代以降はダンスミュージックとしての人気はハウスやR&B、EDMなどに移ったものの、『頭文字D』などを元ネタとするインターネットミームの音源としての利用や、意識的に1990年代以前のイメージを取り入れた新しい楽曲が作られるなどして、若い世代にも広く知られる存在となっている。
関連イラスト
関連タグ
ミルク(ポップン) ツインビー…ポップンにおける「ユーロビート」というジャンルの曲を担当するキャラ。
ルカルカ★ナイトフィーバー…巡音ルカを使用した楽曲。
ユーロビート(とたけけの曲)…どうぶつの森に登場するとたけけの曲の一つ。