雷の律者
かみなりのりつしゃ
電気エネルギー・電磁波であれば、あらゆる力を支配でき、こと電気エネルギーに支えられている現代文明にとっては非常に厄介な相手となる。
荒天時には雷雲さえ支配下に置き、目標に対してピンポイントで落雷を撃ち込むことも可能。
さらに電磁波の一種であるガンマ線や荷電粒子さえ行使でき、収束させることで高い熱エネルギーを誇るビーム砲として転用可能。
ジャッカルが開発した対律者武器「黄泉の杖」が電磁波による律者コアへの干渉と判明すると、その波長パターンさえ模倣し、「隕氷の律者」に引導を渡している。
現状においてアンチ律者としての特性も備えてしまった。
また、常に体内に電磁波が満ちており、支配の律者の精神攻撃や侵蝕の律者の侵蝕すら防ぐことが出来る。
しかし芽衣の知識不足が原因なのか、前文明の雷の律者と比べるとやれることが少ないという。
覚醒時にベナレスを「倶利伽羅」へと再構成しており、自身との連携で相手に息を吐かせぬ波状攻撃を仕掛けることも出来る。
律者特有の人格の上書きについては、コアの律者人格自身が芽衣に全主導権を明け渡して消滅したため、人格の上書きは発生していない。
つまり冷淡な素行は、芽衣本人によるもの。
どこか弱気で気の優しい性格から一変、冷淡で情け容赦のない女剣士へと変質した。
キアナを戦いから遠ざけ、聖フレイヤ学園の仲間たちを生かすために、かつては忌み避けていた律者の力をその秀才ぶりであらゆる攻撃手段へ応用している。
一方で根っこはさほど変わっておらず、肚を括って耐えているだけで、根は善性を信じ捨て切ることのできない甘さを大きく残している。
そもそも、覚醒当時は精神的にかなり追い詰められていたというのもあり、その後のストーリーではだいぶ落ち着いたのもあってか、子供を今の自分なりのやり方で助けたり、ワタリガラスと軽口を叩き合ったりもしている。
どれほど修羅に堕ちたとしても、誰かを信じ、またその思いにこたえて救いたいという感情は、聖フレイヤ学園での日々が彼女に根付かせた本能に近いものといえる。
それ故か、ワタリガラスとは奇妙な縁で結ばれ、互いに通じるものを感じている。
律者人格
尊大で冷淡。
律者人格はかつて、最初の覚醒をした際に周囲を壊滅に追いやる惨事を起こしたが、自身の使命に虚しさを抱いていた。
そんな中、芽衣を取り戻そうと幾度も自分に挑んできたキアナに情が湧き、壊したくないと思うようになる。
結局のところ芽衣から派生したもう一人の『雷電芽衣』であり、キアナのためなら死ねる。
崩壊学園の律者人格はノリノリで崩壊の使徒をやっており、キアナのことを殺そうとしていた。
第三律者
第二次崩壊でシーリンから回収されたコンケストジェム(不活性の雷の律者コア)は、ネゲントロピーによって保管されていた。
それをカカリアたち急進派が、経済スキャンダルで窮地に立たされたME社の令嬢である芽衣に目を付け、雷電龍馬の名誉回復をちらつかせて崩壊実験の被検体に仕立て上げる。
結果、芽衣は律者コアと適合し、急進派の目論見通りに雷の律者へと覚醒。
ところがその力は陰謀者たちの目算をはるかに超えるものとなり、第三次崩壊まで発生させて極東の長空市を壊滅に追いやってしまう。
そこに芽衣と親交を深めていたキアナ・カスラナと、長空市の異変に気付いた天命組織極東支部「聖フレイヤ学園」の対崩壊作戦部隊が介入し、芽衣を完全覚醒する前に取り押さえることに成功する。
また、芽衣を捕獲するために送り込まれたブローニャは彼女たちと友情を育み戻ってこなくなる。
その後、聖フレイヤ学園の生徒となった芽衣は、彼女の思いを汲んだ姫子により心臓に超小型の高性能爆弾が埋め込まれる。
万一に律者コアが再動して人類の敵として立ちはだかるときには、速やかにその脅威を取り除けるよう図られている。
この爆弾には律者コアの波長を抑制する力もあり、不用意に律者コアが目覚めることも抑止している。
芽衣自身もこれを承知しており、最悪の事態には決して躊躇しないよう覚悟を決めて"いた"。
天命組織本部での空の律者との決戦後、芽衣は天穹市で行方不明となったキアナの捜索に志願した。
紆余曲折を経てキアナとの再会を果たした芽衣だったが、そこにあったのは運命と戦う覚悟を決めて一人の戦士として成長した“自分の知らない”キアナだった。
さらに天穹市はヨルムンガンドの崩壊実験によって崩壊炉心の炸裂の危機にさらされ、一刻の猶予もない事態へと追い詰められてしまう。
この危機にキアナは「空の律者」としての力を自分で扱える限界まで行使し、崩壊炉心を遥か高いところまで押し上げて天穹市を救い出す。
だが力を使い過ぎたキアナはデュランダルに捕縛され、芽衣の力も意味を成さず、北アフリカにあるヴィルム実験室へと移送される。
しかしそれから直ぐに起きた騒動でキアナは逃亡し、芽衣の故郷である長空市で再び高出力の崩壊反応が検出される。
そこで芽衣とキアナは、思い出に呼ばれるかのように再会を果たすが、既にキアナの肉体は限界に達し、食いしん坊だった少女は既に味覚を失いかけていた。
さらに長空市ではオットーが行っている千界一乗の起動実験により大規模な虚数侵蝕が起きており、その影響で崩壊獣が溢れかえっていた。
この惨状を見たキアナは人類のために戦い続けようとする。そうすることで自分が死ぬのが明らかでも。
再び運命の課す試練にさらされた芽衣の前に、ワタリガラスの手引きで出会ったヨルムンガンド盟主ケビン・カスラナは、キアナを救う唯一の方法を提案する。
キアナの容体の悪化は、彼女の体内にある複数の律者コアが原因。
そして今、長空市には膨大な崩壊エネルギーが満ちている。それを吸収し、再び雷の律者として覚醒することで彼女から律者コアを一つ抜き取り、キアナの負担を軽くすることができる。
無論、キアナはそれを認めないだろうし戦い続けるだろう。
だからこそ彼女のもとを離れ、ヨルムンガンドの一員として崩壊と戦い、彼女の敵を倒し尽くすで彼女を救うことが出来る。
多くの死を見届けてきた戦士の言葉は重く、その言葉を否定することは出来なかった。
キアナの延命と裏切りの呵責に迷う中、運命は容赦なく二の矢を放った。
長空市の崩壊現象は収まる様子を見せず、とうとう大規模な崩壊現象を巻き起こした。
空の律者の力で崩壊現象の制止に向かおうと、ベッドを抜け出したキアナを追う芽衣。
もう失うのは嫌だ、この友情を二度と放したくない。
焦る思いとは裏腹に、崩壊現象で空いた次元の穴から虚樹の残骸-ニヒリズムが襲来し、芽衣へと牙を剥く。
時空断裂を自在に操り、倒しても時を巻き戻して復活するニヒリズムに手も足も出ずに打ちのめされ、ついに力尽きる芽衣。
薄れゆく意識の中、少女はただひたすらに自身の無力と挫折を嘆いた。
彼女は暗闇にいた自分を照らしてくれた光だが、弱すぎる自分は彼女を守れず、重い使命を背負わせてしまった。
ニヒリズムが振り下ろした剣は、芽衣を庇ったベナレスを貫いた。
「久しぶりだ、泣き虫」
その刹那、天命本部での戦いで自分へ力を貸した律者人格が問いかけ、一縷の望みを指し示す。
それは本来は決してあってはならない選択肢。
これ以上進めば深い地獄に落ち、仲間と離れ離れになり、疑いの目で見られ続け、もう二度と彼女のもとには戻れない。
「お前は、本当にそう望むのか?」
……
構わ……ない……。
みんなは、きっと彼女を助けてくれる。
だから、自分は自分に出来ることをするしかない。
「行け」
「その手で私を葬れ。私の怒りを、悲しみを、消えた私の存在を、一人で前に進む力にするのだ」
「この世界に、雷電女王の帰還を宣告するのだ。真の雷の律者になれ」
「さようなら、『雷電芽衣』」
雷鳴が轟き、ニヒリズムは紅の電閃の前に倒れ伏す。
律者人格が消滅した第三律者「雷の律者」は『羽化』した。
芽衣はベナレスの亡骸を「倶利伽羅」として再構築し、新たな命を吹き込んだ。
それはもはや女王様を想う気持ちもない、芽衣の命令だけに従う獣だった。
芽衣が長空市の全崩壊エネルギーを吸収したことで虚数特異点は収束し始める。
残った量子の影を掃討した芽衣は、虚数の造物に撃ち落とされていたキアナのもとへと向かう。
千羽学園の屋上、かつて律者となった芽衣が命を絶とうとし、キアナに救われた場所。
ケビンに受け止められていたキアナは困惑していた。
目を覚ました時には長空市に平和が取り戻されており、芽衣は……雷の律者となってヨルムンガンドへと行こうとしている。
ケビンは芽衣を尊重して「話すべきことを話すといい」と言ったが、事実を話して彼女が納得するだろうか
それは、彼女を苦しめるだけだ。
だから、話すことは何もない。
「私は暗闇に向かい、代わりに——あなたを光に戻す」
キアナは何もかもを自分勝手に背負い込んで失墜していく芽衣を止めるべく、回復しきらない身体を押して食い止めに掛かる。
それでも冷徹に、心を凍て付かせて芽衣はキアナを圧倒する。
遂には律者の能力をぶつけ合う熾烈な戦いとなるが、病み上がりのキアナでは芽衣の凍った心を砕くことは敵わず、とうとう芽衣に打ちのめされる。
気を失った彼女の手を取った罪人は家族のもとを離れ、暗闇に沈む。
「もし、あなたを助けることが罪なら、その罪は私が背負う」
モチーフ武器:神罰の鍵→神罰の境:裁決
もしくは浄罪七雷・鳴→浄罪七雷・鳴雷見
モチーフ聖痕:ベナレス・覚醒
ver.4.1から実装。
異能属性のS級戦乙女として実装された。
攻撃は雷元素。
「雷電女王の鬼鎧」の【霊魂覚醒キャラクター】であり、一部のスキルレベルが同期している。
期間限定のみの補給対象。
「鬼鎧」をさらに豪奢にした真紅の鎧に身を包み、崩壊結晶が額に集約して二本の角を成している。
その姿はさながら、極東の伝承にある雷神を彷彿とさせる。
肩の鎧の縅からは義肢が生えており、その手には芽衣の身の丈を超える大太刀「千鳥」を備え、芽衣の意思で自在に振り回して敵を斬滅する。
これまでの芽衣のキャラカードにはない圧倒的な射程範囲が最大の持ち味であり、加えて攻撃を加えるごとに敵に「鳴神状態」という雷元素デバフを与え、雷元素ダメージを増幅させることも可能。
コンボレスポンスも非常に早く、オマケに通常攻撃4段目は回避効果も付随するため、立ち回りも優秀。
攻撃で律者ゲージを貯めることで、攻撃ボダン長押しで強力な範囲攻撃「心斬」を繰り出す。
必殺技では律者形態に移行し、倶利伽羅を召喚、騎乗して敵陣を蹂躙する。こちらもボタン長押しでブレス攻撃で目標を焼く尽くし、制限時間いっぱいになれば上空から大太刀で唐竹割りにする。
非常に強力な雷元素キャラであり、これまで不在だった大出力の雷元素キャラのエースアタッカーとなった。
それだけに元素ダメージを増幅させる装備の有無が使い勝手に大きく影響し、元素アタッカー特有の装備への依存度が目に見えて火力に反映されてしまう。
特にモチーフ武器の有無で大きく火力に差が出るため、律者芽衣を主力に据えたいなら、キャラのランクアップよりも武器と聖痕に対して対価を割いた方が正しい。
また極限回避を始め、一部挙動には独特の癖があり、「影舞衝撃」や「鬼鎧」ほどではないにしろ、ある程度操作に離れが必要となる。
その身を犠牲にしても守りたい、愛しの後輩。
彼女を戦場へ戻さないために、芽衣は独り戦い続ける。
かつてキアナの命運をかけて闘った、今代において最強の戦乙女。
「氷の律者」での戦いでは天命とヨルムンガンドが同盟を組んでいたため共闘戦線を張り、共に隕氷の律者に引導を渡した。
ヨルムンガンドに身を寄せる傭兵。
彼女の作った長空市の孤児の避難所を偶然救ったことから、ヨルムンガンドとの繋がりを持つようになる。
互いに根が善人であり、弱者を捨てられない性質がよく似ており、少なくともワタリガラスは芽衣をヨルムンガンドのメンバーでも強く信用している。
ヨルムンガンドの盟主。
過去の絶望から自他共に容赦を許さない性質だが、芽衣とメイ博士と面影が重なるせいなのか少し甘い。そして後に彼女という個人とも向き合い、組織の深奥へと誘う事に。
最初は悪の組織の悪い奴としか思っていなかったが、古の楽園で火を追う旅を見届けてからは『ヒーロー』だと思うようになった。