概要
1993年に公開されたアニメ映画、及びそれの原作であるドラえもんのエピソード。夢の世界を舞台に夢幻三剣士に選ばれたのび太・スネ夫・ジャイアン、そして魔法使いのドラえもんと謎の男装の麗人シズカール(どこが「謎の」やねん)が大魔王オドロームを倒すために戦う物語。
挿入歌『夢の人』は歴代最高傑作と謳われる程カッコいい。
あらすじ
未来の道具『気ままに夢見る機』は自由に夢を見ることのできるひみつ道具。この中のソフト『夢幻三剣士』のラスボス・オドロームは毎回自分がラストで倒されることに怒りを感じ、参謀トリホーを向かわせて自分でも倒せそうなヘボいユーザーを主人公に仕立て上げ、倒そうと試みた。
のび太はトリホーの誘いに乗り、『夢幻三剣士』のカセットを選択して夢を見ようとする。かくてへっぽこ勇者ノビタニアンの旅が始まる。
用語解説
気ままに夢見る機
枕のような形をしたひみつ道具。カセットをセットすることで、好きな夢を見ることができる。夢の中でのキャラ設定は使用者に依存する。現実世界でダメなヤツほど活躍できるらしい。
夢幻三剣士(ゲームカセット)
『気ままに夢見る機』内の人気ソフト。中世ヨーロッパ風の国家、ユミルメ国を舞台に白銀の剣士が魔王オドロームを倒すという典型的なRPG。しかし、作中のバグによりラスボスのオドロームが単なるコンピュータ上のシステムではなく独立した自我を持ち合わせており、夢幻三剣士の夢は現実世界にも影響を与える。
白銀の剣
オドロームを唯一倒すことができるという三本の聖剣。これを持つ三剣士を夢幻三剣士と呼ぶ。
主要人物
ここではいつものメンバーは省き、カセット『夢幻三剣士』内に登場するアバターとNPCのみを表記する。
夢幻三剣士陣営
- ノビタニアン:主人公。ドジでマヌケなヘボ剣士だが、優しさを持ち合わせている。
- ジャイトス:夢幻三剣士の一人。パワーならだれにも負けない。
- スネミス:夢幻三剣士の一人。ノビタニアンをこき使っていたが改心し親友になる。
- ドラモン:夢幻三剣士に協力する化け狸、もとい魔法使い。マジックアイテムをたくさん保有している。
- シルク:しずかちゃんそっくりな小さな精霊。ノビタニアンのナビゲーターを務める。
- シズカリア:ユミルメ国の王女。白銀の剣士と政略結婚させられるのが嫌で城を抜け出し、男装してシズカールを名乗り夢幻三剣士に力を貸す。
妖霊
妖霊の親玉で不老不死の肉体を持つ本作のラスボス。バグにより自我に目覚め、『気ままに夢見る機』ユーザーの夢の世界を支配しようともくろんだ。使えないとわかれば部下でも平気で殺す。耳の大きなプテラノドンのような顔をしている。
ドラえもんの悪役の中で唯一、のび太を本当に殺してしまった悪役。
六本の腕を持つ蜘蛛に似た魔物。六刀流剣術と口から吐く糸で戦い、土の精霊を操っている。声優はドラえもん映画史上もっとも知略に長けた悪役であるドラコルルと同じだが、ドラコルルと違って脳筋。最後はオドロームに敵前逃亡の罪を指摘され処刑された。
巨大なマンモスの姿をした魔物。水の精霊、鉄の精霊を率いている。映画ではあっさり負けたが漫画版では巨大化してノビタニアンを捻り潰そうとした。
オドロームのペットの梟。オドロームでも倒せるようなヘボい勇者を捜そうとして人間に化け、のび太に夢幻三剣士のカセットを使わせた。参謀と名は付くが、はっきり言って頭脳はドラコルルの足元にも及ばない。
その他
竜の谷に住む竜。その血は浴びるだけで不死身に成れるとされ、身を護るために口から吐く炎で石に変えていた。そのため非常におとなしく良識のある性格。ノビタニアンに弱点の髭を斬り落とされて倒されるが、「いくら竜でも剣で刺して血を取るなんてかわいそうだ」とどめを刺さなかったことに胸を撃たれ、浸かれば1回だけ生き返ることのできる竜のだし汁(竜の汗のしみこんだ温泉)に案内する。
余談
本作のモチーフとなったのは勿論『三銃士』であり、竜のイベントは北欧神話『ニーベルゲンの指輪』が元ネタ。その他、本作に登場する地名は、多くが童話作家から名が取られている。