概要
この件はいわゆる日本における「従軍慰安婦問題」において、虚偽の内容が流布されているというものである。
これは慰安婦に関する調査において、当初学術的な手段をとらず、「噂やデマ、あるいはプロパガンダを真実とした」、「虚偽の証言等を真実とみなした」、「不正確な情報を正しいものとした」物を含んでいたことにより発生している。
なお、そのことを根拠として慰安婦自体を否定する行為は陰謀論とみなされる。
日本における状況
日本においては売春は認められており、業としてなすことも禁止されていなかった。また、人身売買は禁止されていたが、ひそかに行われていた。
慰安所は軍人等を慰安する施設であり、複数の業態が存在するようであるが、ここでは売春を行う施設に関して使用する。
この設備はおそらく日中戦争が激化したころに登場し、太平洋戦争終了まで存在したと推測される。
この施設の管理は慰安婦を纏める業者が基本的に行い、その業者を軍属として採用し、軍が間接的に管理する、という形式であったと思われる。
この業者は基本的には内地あるいは植民地から募集し経営させたもの思われるが、現地調達などを行った事例も存在し、軍が直接慰安婦の管理を行ったということも考えられるが戦争の敗北により資料が失われた点も存在するため、詳細な点は不明である。
さらに、彼女たちの待遇などは業者と地域などにより大きな差が見られたといわれている。彼女たちにきちんと報酬を支払った業者が存在する一方、報酬をほとんど払わなかったいわば悪徳業者も存在したと推測される。
また、戦後はこれといって問題となる様子は見られず、存在のみがゴシップ的に発表される状況があるものの、それほどメジャーな話題ではなく、あまり一般的に知られることはなかったと思われる。
問題の始まり
この問題は特に1970年代になってから、「旧日本軍における公娼制度などに批判的な論調」や「戦地や植民地の女性を強制連行し、慰安婦にしたとする書籍」などが出版されはじめて議論となるようになった。ただし、その書籍の中には不正確な情報や虚偽に基づくものも存在した。
たとえば1973年には千田夏光氏による『従軍慰安婦』という書籍が出版されたが、現代の視点から見ると、後に触れる「女子挺身隊」の記述など複数の誤解および虚偽の内容を一部含む書籍であったし、1977年には吉田清治氏による『朝鮮人慰安婦と日本人』が出版された。これは後に触れる慰安婦の強制連行を行ったという内容であった。
これらの著書、あるいはこれらの著作より引用され、外国で出版されたり、それらの書籍は国連人権委員会の報告書にも用いられ、それらの信頼性を貶める結果となった。
それと同時に大韓民国国内においてもこの内容をあおる行為が行われ、そのことを記述した小説が新聞に掲載されたりしている。
また、1980年代に入ってからは日本においては新聞もこの件に関して報道を行うようになる。
訴訟
1980年代後半から1990年代入るとさらにその報道は過激さを増してくる。また、取り上げる材料も乏しかったため信憑性の低いソースなどを用いていた面も存在する。
1991年、慰安婦を含めた軍人軍属による初の損害賠償請求裁判が発生、この裁判においては「慰安婦」の事実は認められたものの、日韓基本条約による取り決めや時効により門前払いされる形となり、その後発生した裁判もこれに準じる形となっている。
この段階においては「慰安婦にされたかわいそうな女性を救うため」というよりも「日本軍の非道さを示すと同時に何も対策を取っていない政府に対する攻撃」という政治的なものが感じられる状況になっている。
その後
同時に慰安婦に関する調査が活発となり、証言などに関して当てにならないもの、たとえば吉田氏の証言や一部の「慰安婦」の一部の証言、また裁判における起訴内容と聞き取り証言が異なる事例などが存在していることが明らかとなった。
これらを受けて1995年には女性のためのアジア平和国民基金を設立、慰安婦に関して調査を行い、慰安婦とされた人たちに「つぐない金」を渡すことにより解決を図ることになった。この調査により、今まで定説とされていたもの、たとえば「挺身隊と慰安婦の混同」やその数などの誤りが明らかになったりした。
ところが、韓国および台湾の慰安婦に関しては居住国や民間団体の妨害もあり、受け取れなかった人が続出した。
慰安婦記事取り消し
この事件は朝日新聞が平成26年8月5日に、過去報道した「慰安婦が「女子挺身隊」の名で戦場に動員された」という記事と、いわゆる吉田証言( 済州島において従軍慰安婦を強制動員したという証言 )に対する報道を取消したものである。
ただし「遅すぎた」、あるいは「なぜ今頃?」という意見も存在する。
結果
この問題の根本的な問題は本来「戦争の被害者たる慰安婦という存在を広め、彼女たちを救済する」という目的がいつの間にか「この問題を放置した日本政府や政権を貶める」手段となり、そのために真偽などを制さされていない情報や誇大な情報などを用いてまでそれを宣伝し、後にその情報に問題があることが明らかとなったことにより、慰安婦自体が「胡散臭い」ものとして扱われかねない状況にしてしまったことである。
また、一般的に捏造といわれるのは次のとおりである。
- 軍および政府が一体となった慰安婦の強制連行( 証拠が虚偽またはあやふやで実証が困難、かつ国内に残存する文書にはそのような記述はない )
- 挺身隊として徴用し慰安婦としたという説( 挺身隊と慰安婦は別物、ただし業者がそのように説明した可能性は否定できない )
- 一部の「慰安婦」の証言、この中には経年により他の記憶、たとえば韓国軍慰安婦などとの混同、自らの悲惨さをアピールするための誇大証言などが含まれる。
ただし、これはそれらの行為がまったくなかった、という証拠にもならない点があげられる悪魔の証明と呼ばれる状況になっている。
韓国における条件
韓国においてもこの問題は逆に重くのしかかってくることになる。1980年代以降、反日の手段としてこの問題を用いていたが、自らもまた韓国軍慰安婦、すなわちアメリカ軍相手の慰安婦や朝鮮戦争における慰安婦狩り、さらにベトナム戦争における現地の慰安所設立などの行為を行っており、その件に関する補償は行われていない。
また、下手をすると第二次世界大戦における慰安婦の補償も自国で行わなければならないなどの問題が発生する可能性が存在している。
外国での調査
日本の占領地域を再占領した連合国側の記録も残されている。
これに関してはビルマの慰安婦に関しては扱いが劣悪ではなかったとの記述が存在する。元慰安婦の証言もそれを一部裏づけている。
2000年には慰安婦の行いは商業的行為であったしてアメリカ合衆国で訴訟を起こすも、諸条約により解決済みとして控訴棄却。
2014年には2007年にアメリカのクリントン・ブッシュ両政権下で8年かけて大日本帝国および第三帝国の戦争犯罪の大規模再調査を行ったが、特に韓国がこれまで主張していた慰安婦問題を裏づける証拠は何一つ発見されていなかったことが産経新聞より報じられている( ただしメディア自体が中立でない )。
諸外国の状況
ただし、従軍慰安婦問題の事実関係には被害者および加害者双方からの証言をはじめ、腐る程傍証が存在しており、広義の従軍慰安婦問題が存在したという事実は微動もしていない。
研究家もそれを理解しており、「問題は違法な募集などを食い止めなかった国にある」などと元の問題からの目くらましを行わざるを得ない状況である。
この件に関しては国際世論は、慰安婦自体の悲惨さではなく、日本政府および日本軍をたたくために執筆され、精査されていない情報が翻訳された上、それらの情報の訂正がなされない状況であったため、相変わらず冷たく、ラディカ・クマラスワミ氏が国連に提出したいわゆる「クマラスワミ報告」、Report of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences, Ms. Radhika Coomaraswamy, submitted in accordance with Commission on Human Rights resolution 1995/85の付属文書Addendum Report of the Special Rapporteur on violence against women, its causes and consequences, Ms. Radhika Coomaraswamy, in accordance with Commission on Human Rights resolution 1994/45, Report on the mission to the Democratic People’s Republic of Korea, the Republic of Korea and Japan on the issue of military sexual slavery in wartime( 双方ともリンク先は和訳 )への訂正要求(この報告書の付属文書には吉田証言が用いられている部分が存在している)は一蹴された。 ただしこの報告書においても吉田証言は否定的に用いられている面が存在する。
またグレンデール市(アメリカ合衆国、カリフォルニア州)の慰安婦像( 2013年7月30日設立、この像は韓国グレンデール婦人協会が設置費用を負担し、市議会により合法的に設置されたものである )撤去要請訴訟もSRAPP(恫喝的訴訟)と認定されて門前払いを喰らうなど状況はお寒い限りである。
陰謀論
慰安婦記事取り消しをはじめ、各種の「捏造」と呼ばれるものは高々従軍慰安婦問題の論拠の一つが崩れただけのことであり、従軍慰安婦問題が存在したことを否定するものではない。
ただし、マスコミが当初そう報じていたような軍および政府が結託した強制連行の確かな証拠はほぼないような状態である。
従軍慰安婦問題自体が陰謀であるという主張は、この問題を利用して政府等に攻撃をを行おうとした左翼勢力やフェミニスト、およびそれらに踊らされた朝日新聞やそのほかのメディアの誤謬に調子付いたネット右翼達が軽挙妄動しているだけのことで、信憑性は極めて低い。 その為ににわかと言ったほうが極めて過言ではない。
むしろ、その裏にあるもの、すなわち問題の裏側を研究したほうがよいのである。