「私は檀黎斗。だが、オーズの力を手に入れ、その名前は過去となった。
今の私は……檀黎斗王だァァァァァ!ハァッハッハッハァァァ!」
概要
『仮面ライダージオウ』第9話・第10話にて登場する檀黎斗の新たなる名称の一つ。
権力を渇望する黎斗に対し、タイムジャッカーのウールが仮面ライダーオーズの力を与えたことで誕生し、アナザーオーズに変身する。
南蛮帽を被り、「王」の名の通り、襟巻きをつけ金と黒の豪華絢爛な衣装に身を包んでいる。
一般的感覚からすると「王」は人の範疇であるため「神」よりも下に感じるが、本人曰く「神を超える王」とのことなので、本人的には「神すら支配下とする王様」というつもりなのかもしれない。実際、他の作品でも従来登場していた「神」より格上扱いの「王」の名称が付けられた存在は少なくはない。なお、ゆくゆくは世界の全てを掌握し檀黎斗大王を名乗る予定らしい。改変前は檀黎斗神を名乗るつもりだった様子。
オリジナルと同様、尊大かつエキセントリックな一面が目立つが、性格以外の人物像は大きく異なっており、本編ではゲーム会社「幻夢コーポレーション」の社長だったのに対し、こちらは巨大総合企業「檀ファウンデーション」の社長。父親の死をきっかけに2016年に社長職を引き継ぎ、僅か2年で多数の企業を買収して急成長。更なる権力を求めて、「檀ファウンデーション」を日本から独立させることを宣言する。
その死んだ父親であるが、2016年の新聞には「大手ゲーム会社、檀コーポレーション社長の檀正宗氏が行方不明になった」という記事が載っており、当初は失踪扱いだったようだが、ツクヨミが入手した社長室の監視カメラの映像には、オーズの力を手に入れた黎斗によって殺される場面が映っていた。
アナザーオーズの能力の一部として、意に添わぬ者にセルメダルを投げつけることで屑ヤミーに似た怪人(※テレビ朝日公式サイトの表記)に吸収させ奴隷にする力を有する。また、依り代なしでもセルメダルを自在に屑ヤミーに似た怪人に変えることが可能(割る必要はない)。
オーズの時代(2010年~2011年)はエグゼイドの時間軸で見ても重要な年代であるため、エグゼイド側の歴史が改変された今、檀黎斗の歴史・性質も変わっている様子。
正史と同じくとてつもない程の歪んだ欲望を持ち、挙句の果てに「王」を自称する辺り、黎斗自身の傲慢な本質は変わっていないようにも思われるが、こちらは人々の上に立つ「権力欲」「支配欲」の塊であるのに対し、原典の黎斗はゲームマスターとしての才能を崇められたい「自己顕示欲」が強かったという点では、欲望のベクトルが大きく異なっている(この変化はアナザーオーズの力を手に入れて以降であり、彼をアナザーオーズにさせたウールが告げた「惜しいなぁ、君の才能をゲームなんかに使うなんて。世界の王になってよ」という台詞が関係している事が本編で示唆されている)。
本作では永夢との接触やバグスターの誕生など、黎斗のターニングポイントとなる出来事が無くなってしまっている(前者に関しては状況証拠からの推察となるが)。両方とも黎斗の人生を大きく狂わせるきっかけとなったものだが、皮肉なことに黎斗自身の才能を大きく開花させる要因ともなっていた為(永夢のファンレターによって黎斗は初めての嫉妬や屈辱を味わい、それによって才能の刺激を受けているが、本作の黎斗はそれがないことで敗北感は味わわず『マイティノベルX』で正宗が言っていた(自分は他人よりは上などの)自惚れた状態で生きてきた、とも推察できる)、それらを経験しなかった黎斗は2010年でも父親を(表面上すら)見返すことができず、スランプに陥っていた。
常磐ソウゴはそんな黎斗王に興味を示し、自分が王様になる為の勉強をしようと彼に接触。それに対して黎斗王も「自分が王として君臨している以上、彼が王になるのは無理。私を見ていればいつか諦めがつくだろう」という考えから敢えてソウゴが家来になる事を許可し、後に彼を王室直属の騎士団長に任命。彼の事は「ポチ」と呼び始める。
また、明光院ゲイツには「魔王」、ソウゴ以外の人間を王とは認めないウォズには「僭称者」と呼ばれ、ツクヨミからは警戒心を持たれている。
一方、檀ファウンデーションの服飾部門に勤務している泉比奈には自身の衣装を作らせようとしたが(この時、彼がリクエストした衣装のテーマは「ゾンビ」)、黎斗王のやり方に正面から反抗の意志を示した彼女に興味を示し、彼女を自分の妃にしようとする。
そして城の牢屋には、黎斗王が誘拐し人質にしたというある国会議員も幽閉されており……。
余談
衣装のモチーフは、南蛮帽と襟巻きから、『オーズ』劇場版に登場し、『ジオウ』第9話の冒頭でも紹介された織田信長だろう。
「岩永氏」がオーズ編に出演という事から、彼が登場するとわかるまで岩永洋昭氏が演じる伊達明が登場すると思っていたファンもいた様子。
彼が「王」を担当し、オーズの本来の変身者である火野映司も登場するため、時の王であるジオウを含めて「王×王×王」で「オーズ」になるともとれる。これを意図したのか、第9話のラストカットは分割された画面に3人の笑顔が並ぶというものであった。
当初第9・10話分のオリジナルキャストは黎斗のみが発表されており、本来の変身者・火野映司とヒロイン・泉比奈の登場は予告放映まで完全に伏せられ、あたかも「檀黎斗のみが登場する」かのようなミスリードがなされていた。
関連雑誌でも黎斗のみを取り上げ、撮影バレ等のイリーガルな情報漏洩すら無いという徹底ぶりである(一応、一部から出演情報のリークはあったが、火野映司役の渡部秀が同時期の同制作会社の別番組に出演中だったこともあり、話を聞いた者も半信半疑であった。結果ガチバレとは捉えられず、第9話分予告放映後、視聴者が大騒ぎになったのは言うまでもない)。
サプライズの成功には、過去『ジオウ』に出演したライダー役のキャストは全員2週以上前に出演が告知されていたこと・主役のオリジナルキャスト出演が叶わなかった作品の存在による視聴者の先入観もあるが、何より本家『OOO』キャストを差し置いての単独登場もやりかねないと思わせてしまう黎斗の強烈なキャラクター及び公式からの扱いが、カモフラージュとして打ってつけだった点に他ならない。公式が黎斗の扱いを逆手に取ってきたとも言える(後に東映公式サイトで、サプライズは映司を演じた渡部氏の意向であったことも空かされた)。
父親である正宗のことは、エグゼイドの時と同様本作でも「パパ」と素では呼んでいることが伺える(逢魔余聞によれば、この呼び方を進言したのは岩永氏であるようだ)。
余談も余談だが、この黎斗王によって黎斗の女性の好みは「叱ってくれる女の人」であるらしいことも判明した。
原作『エグゼイド』では、幼い頃に母親を亡くした件が側から見れば異常な倫理感を持つことに繋がっていたことや、その母親のデータを受け継いだデータ生命体が度々彼を母親のように叱り、黎斗も彼女を大切に扱っていたことを考えると割と妥当なのかもしれない(また『マイティノベルX』で明かされた過去によれば、幼少期から叱られてこなかったことが彼の人格形成に大きく影響があった可能性も示唆されている)。
関連タグ
仮面ライダージオウ 檀黎斗 アナザーオーズ アナザーライダー
ゲンムライドウォッチ:本来の歴史で変身するはずだった仮面ライダーゲンムの力を宿したライドウォッチ。所持していたが2018年に紛失しゲイツに奪われる。
仮面ライダーブレイド - 仮面ライダーゲンム以外でかつて檀黎斗が変身したライダーのひとつ。キングフォームという強化フォームがある。