概要
1939年12月5日、福島県喜多方市に生まれる。
日本大学芸術学部映画学科卒業後、テアトルプロに入社し助監督としてスタート。その後テアトルのプロデューサーの計らいで円谷プロダクションに移籍し、『ウルトラQ』で特撮に携わり、特撮班・撮影班双方を経験後、『戦え!マイティジャック』でテレビ番組の監督デビューを果たす。
『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」でウルトラシリーズ監督デビューするが、あまりにも陰惨な物語や露骨かつリアルな描写がTBS側の不評を買ってしまう。
それによって助監督に降格後、『ミラーマン』『ジャンボーグA』で監督業を続ける事となった。
『ジャンボーグA』終了後は特撮監督という形で『ウルトラマンタロウ』でシリーズ復帰。次回作『ウルトラマンレオ』で完全復帰するが、第6話「男だ!燃えろ」では後述する鬼コーチぶりがあだとなり、当面の間は特撮監督を任される事になった。
レオ第38話「決闘!!レオ兄弟対怪獣兄弟」で監督に復帰し、『プロレスの星アステカイザー』や『恐竜大戦争アイゼンボーグ』、『恐竜戦隊コセイドン』といった円谷プロ作品を中心に活躍。
1980年の『ウルトラマン80』終了後危うく職を失うところだったが、『太陽戦隊サンバルカン』からスーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズといった東映特撮を中心に活躍するようになる。なお『太陽戦隊サンバルカン』と『大戦隊ゴーグルファイブ』では東条昭平名義で活動した。
スーパー戦隊シリーズの演出本数は215本と渡辺勝也に次ぐ2位である。
1997年の演出陣一新により、『ビーファイターカブト』を最後に活躍の場を失い監督を引退。現在はムック本やイベントに応えている様子が見られる。
人物像
鬼コーチ
彼を代表する要素。一切の妥協を許さない徹底した演技指導は非常に有名である。
- 『ウルトラマンレオ』のスーツアクターである二家本辰巳は「東條さんの回が一番つらかった」と言っている。また二家本が満足できない演技をすると、よくドロップキックを喰らっていたらしい。
- とにかく役者をしごく。『ウルトラマン80』で主役をしていた長谷川初範はよく怒られていたらしい。また『太陽戦隊サンバルカン』出演者の川崎龍介と杉欣也も「とてもおっかない人」とコメントしていた。
- 子供であろうともしごきの姿勢は変わらず、『科学戦隊ダイナマン』でも出演していた子役をしょっちゅう叱り飛ばし、恐れられていたという。
- 女優の萩原佐代子は、『ダイナマン』出演時に東條に「バカ!」と言われた時に思わず「私は馬鹿じゃありません!」と言い返した。後に本人から「俺に口答えしたのはお前が初めてだった」と言われたらしい。『超新星フラッシュマン』で再開したときに、「佐代子~」と声をかけられたが思わず後ずさりしてしまったとコメントしている。
- 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』出演者の千葉麗子は「それまでの人生で東條ほど怖い人はいなかった」と著書で語っている。現場では「メイ!馬鹿野郎!死んでしまえ!」「すぐにピーピー泣く!やめてしまえ!シナリオを変更してやるよ!ヒロイン交代だ!」「これまで一番ひどい女戦士だな!」と悉く罵声を浴びせられ毎日泣いていたという。また千葉と東條は出身地が同じで、千葉の言葉に福島訛りが混ざると注意されたが、監督だって同じのくせにと不満だった模様。
- アフレコで失敗した役者に灰皿を投げつけることもあった。
- 『忍者戦隊カクレンジャー』出演者の河合秀が熱中症で倒れた時には「立ちなさい!」と無理やり起こして頭をひっぱたいた。
このように現代なら確実に問題になりそうなことが多いが、その反面「大好きな監督」「優しい監督」「大変お世話になった監督」と俳優・スーツアクターから感謝されるなどその人柄を慕う人物も多かった。
- 千葉麗子は著書内で「礼儀作法や行儀を厳しく教えてくれた」と最終的には感謝している。また自身のツイッターで「東條監督に育て上げられたせいで私はその後他のアイドルに比べてどんな仕事でも楽々生温く感じて楽勝でした。厳しい監督の存在は大事だよね」とツイートしている。
- 『フラッシュマン』『超獣戦隊ライブマン』『鳥人戦隊ジェットマン』出演者の広瀬裕は「ぶっきらぼうな印象だけど割と好きにやらせてくれる監督」「自分の好きな話は東條監督演出回が多い。ジェットマンのよだれの回とか」と語っている。
- 『ダイナマン』で子役を怒鳴った時には少しだけ申し訳なさそうな顔をするという。そこが憎めないと時田優が語っている。
参加作品
- 『ウルトラマン』
- 『快獣ブースカ』
- 『ウルトラセブン』
- 『マイティジャック』
- 『怪奇大作戦』
- 『帰ってきたウルトラマン』
- 『ミラーマン』
- 『ジャンボーグA』
- 『ウルトラマンタロウ』
- 『ウルトラマンレオ』
- 『ミラーファイト』
- 『プロレスの星アステカイザー』
- 『小さなスーパーマンガンバロン』
- 『恐竜大戦争アイゼンボーグ』
- 『恐竜戦隊コセイドン』
- 『メガロマン』
- 『ウルトラマン80』
- 『太陽戦隊サンバルカン』
- 『大戦隊ゴーグルファイブ』
- 『科学戦隊ダイナマン』
- 『星雲仮面マシンマン』
- 『兄弟拳バイクロッサー』
- 『巨獣特捜ジャスピオン』
- 『超新星フラッシュマン』
- 『光戦隊マスクマン』
- 『超獣戦隊ライブマン』
- 『高速戦隊ターボレンジャー』
- 『地球戦隊ファイブマン』
- 『特警ウインスペクター』
- 『鳥人戦隊ジェットマン』
- 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』
- 『五星戦隊ダイレンジャー』
- 『忍者戦隊カクレンジャー』
- 『超力戦隊オーレンジャー』
- 『ビーファイターカブト』