概要
2065年の地球を舞台に、アメリカ空軍から宇宙開発局を経て国際救助隊を組織したジェフ・トレーシーと彼の息子達が、スーパーメカに乗り込んで地球全土を舞台に発生する災害や事故に対応する姿を描いた作品。
プロデューサーのジェリー・アンダーソンが、ドイツで発生した落盤事故における災害救助のニュースから発想した企画で、ジェリーの妻シルヴィア・アンダーソンが製作した操り人形に、事前に録音した音声を連動させるシステムを組み込んだ「スーパーマリオネーション」により、5頭身の人形ながらとても活き活きとした動きとリップシンクを見せる。
本国イギリスでのヒットに続き、子供向け番組ながら1時間枠と言う長さ等の問題でアメリカでの売り込みに失敗する中、日本では大ヒットし、オリジナリティあふれるデザインの救助メカや、その発進シークエンスは、世界中の特撮業界に多大な影響を与え、日本の特撮番組『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『マイティジャック』も本作の影響を色濃く受けている。
2004年には実写映画化されたが、時代設定は原作の2065年から2020年に変更され、かつてのオリジナル版や映画版を見たことがない世界の大多数の人々のために、国際救助隊の「トレーシー・ボーイズ」の5男アランの成長を描きながら、『サンダーバード』を紹介するストーリーとなった。しかし興行成績は不調に終わり、続編製作には到る事は無かった。
この実写映画版においては、V6が国際救助隊トレーシーファミリーの日本語吹き替えを担当している(字幕版主題歌は「Thunderbirds Are Go!」だが、吹き替え版主題歌は同じくV6が歌う2004年発売シングル「サンダーバード-your_voice-」)。
ちなみにメンバーの一人、長野博は1996年から1997年にかけて『ウルトラマンティガ』の主人公マドカ・ダイゴを演じており、いわば原点への逆上陸を果たす形となった。
そして…
時は流れてリアルタイムから半世紀が流れようとしていた2015年、リメイク版『Thunderbirds Are Go!』が放送される事になり、実物大のサンダーバード4号がテムズ川を航行するというプロモーションを展開している。
日本でもNHK総合において『サンダーバード ARE GO』のタイトルで2015年秋からの放送が決定。それに先行する形で8月15日の第1話、8月16日の第2話の放送を含め、旧作の傑作選も数回に渡って放送され、その後10月から本放送が開始された。加えて旧作全32話も並行してスターチャンネル1で字幕版、スターチャンネル3で吹替版の無料放送が実施された。
ジェフ・トレーシーの不在、新メンバー・ケーヨの存在(正確にはミンミンの再設定・置き換え)、国際救助隊改めインターナショナル・レスキューの存在が一般に認知されている(そのため、自分達で災害を見つけ一方的に駆けつけていた旧作と異なり、被災者側から救助要請が入る場合もある)、おばあちゃんのメシマズ化等一部設定が変更されている他、それぞれのメカにも細かなリニューアルが施されている。
『ARE GO』ではメカやキャラクターが3DCGで描かれ、ミニチュアセット上で合成して動かすというスタイルを取っている。また、各種メカにも新解釈が加えられ、アクションもよりスピーディーになっている。
尚、日本で放送されたのは所謂シーズン1のみで、制作国のイギリス及びニュージーランドでは2019年現在シーズン3まで放送されている。
追記
NHK総合で放送される関係上、大相撲や緊急性の高いニュース等で休止になる事がしばしばある。新作以外にも『境界のRINNE』や『団地ともお』の再放送等、妙にアニメの充実しているEテレでの枠の確保は難しかったようだが、エピソードが飛ばされる事態には至らず、また総合での遅れ再放送枠(概ね4週程度ズレ)を確保する対策が取られる等何気に優遇されてはいたりする。
国際救助隊
華々しい発進シーケンス等から意外と忘れられがちだが、国際救助隊は原則秘密組織である。
その為、本部がどこにあるのかも秘匿扱いであり連絡手段も限られている。通常はプライベートアイランドに偽装されており、外観は巧妙にカモフラージュされている。
一般的な救助活動で解決する事故等には基本対応せず、困難かつ高度な救助が必要な場合のみ出動する。
登場人物
トレーシー兄弟の父で、国際救助隊の総司令。
アメリカ空軍を経て宇宙局事業団に在籍し、その後、ブレインズの特許等で巨万の富を得て国際救助隊を組織した。
『サンダーバード ARE Go』ではフッドの謀略によって事故にあい、行方不明になっている。
ジェフ・トレーシーの長男で、サンダーバード1号のパイロット。
アメリカ空軍を経て国際救助隊員となり、サンダーバード1号で現地の指揮を執る。
彼以下5兄弟の名はアメリカで初めて宇宙飛行士に選ばれた7人の男「マーキュリー7」にちなむ。
ジェフ・トレーシーの二男で、普段は宇宙ステーションであるサンダーバード5号で一人暮らしをしている。
ジェフ・トレーシーの三男で、輸送機サンダーバード2号や各種救命機器の操作を担当する。
ジェフ・トレーシーの四男で、水中作業用のサンダーバード4号を担当。ジェリー・アンダーソンが手掛けた『海底大戦争スティングレイ』に登場する組織WASPに所属経験がある。
ジェフ・トレーシーの五男で、サンダーバード3号のパイロット及びサンダーバード5号の交代要員。ブレインズの助手のミンミンと恋仲。
- ブレインズ(ホラチオ・ハッケンバッカー)
国際救助隊のメカ及び、設立に関わる利益を得た特許を生み出した天才。
- ペネロープ=クレイトン・ワード
イギリス貴族の子女にして、国際救助隊に協力している諜報員。
ペネロープに逮捕された後に使用人となった金庫破りで、主にペネロープの車FAB1の運転手を務める。
メカニック
サンダーバード1号
災害や救助現場で指揮をとる為に、真っ先に現場に向かう原子力ロケット。
トレーシー兄弟の長男スコットが操縦する。
サンダーバード2号
独特のボディに、救助用の装備を積み込んだコンテナを搭載して運ぶ原子力輸送機。
トレーシー兄弟の三男バージルが操縦する。
サンダーバード3号
大気圏外の救助活動や、サンダーバード5号への物資輸送時に使用する原子力ロケット。
トレーシー兄弟の五男アランが操縦する。
サンダーバード4号
水上及び水中での救助活動用原子力潜航艇。
トレーシー兄弟の四男ゴードンが操縦する。
サンダーバード5号
地球のあらゆるSOSをキャッチする原子力有人衛星。
トレーシー兄弟の二男ジョンと五男のアランが一か月交代で常勤する。
モグラー
ドリルで地底を掘り進む救助メカ。日本では「ジェットモグラ」の名で知られているが、これは玩具化の際につけられた名前に過ぎず、本編では「モグラー」としか呼ばれない。
第一次ガンプラブーム時にコミックボンボンに連載された漫画『プラモ狂四郎』にも登場し、モーターライズパワーと作中のギミックを再現したプラモの出来により大活躍した。
その他のメカ
FAB1
通称ペネロープ号。
ピンク色の6輪車で、ボンドカーよろしく様々な装備を内蔵している。
サンダーバードS号
『Thunderbirds Are Go!』に登場する新機体で、機体名の「S」はShadowの意。
こちらも新シリーズから登場する女性メンバーのケーヨが操縦する事、ステルス偵察機である事以外の詳細は謎に包まれている。
デザインは『マクロス』シリーズや『アクエリオン』シリーズで知られる河森正治氏が担当。某可変戦闘機と違って変形こそしないが、『キスダム KISS DUM -ENGAGE planet-』に登場するNES-1ヴァイパーのようにコックピット部が分離して小型バイクとなる。
パロディ
サンバーダード・・・とんねるずのみなさんのおかげですの番組内で放送されたコント。オチは自爆するか、被害を拡大して逃げるかのどちらかで本家と違いろくな救助活動はしていない。
バージル(トレーナー)/チーム・イーブイ・・・アニメ版ポケモンBW2に登場したバージル・トレーシーのオマージュキャラクター。ただし容姿は全く似ていない。