概要
「歴史の本文」とも称される、世界各地に置かれたキューブ状の石碑。
決して砕けず、割れず、融けない硬石に記された古代文字による歴史文であり、22年前まで西の海に存在した“考古学の聖地”オハラの考古学者以外に解読できる者はいない。
世界政府は「古代兵器復活の阻止」を名目としてポーネグリフの解読はおろか探索すら法で固く禁じており、破った者は死刑に処される(存在を知る程度なら罪には問われない)。
作中では長らくこのポーネグリフを作ったのが誰なのか不明だったが、後にワノ国の石工の一族・光月一族であることが判明した。
光月一族は800年以上前にポーネグリフを作り、当主には代々古代文字の読み書きが伝えられてきたが、現在の当主である光月おでんが息子のモモの助に教える前に死亡してしまい廃れることになったため、現在ポーネグリフを読むことが出来るのはロビンだけと思われる。
ポーネグリフ
ポーネグリフはそれ単体では単なる歴史碑文であり、大きく分けると
- 歴史・情報を記した9つの石
- ラフテルの場所を示すために必要な4つのロードポーネグリフ
- 1の在処を記した石
の三つに大別される。その3つどれにも該当しないものは、作中では1つだけ魚人島編で登場した。
最果ての地ラフテルに行くためにはロードポーネグリフが必要不可欠であることは四皇の海賊達には知られており、海賊王を目指す四皇たちはポーネグリフの確保に向けて動いている。
勿論、ポーネグリフは一辺が4~5mもある巨岩であるため、それそのものの回収は難しい。よって真の歴史の本文を解き明かす際には、紙や布で写し(魚拓をイメージすると良い)を取るのが一般的である。
どこから知ったのか不明だが、タマゴ男爵によれば、ポーネグリフは約30個存在するとされ、そのうち歴史・情報を持つ石は9つであるとのこと。
真の歴史の本文(リオポーネグリフ)
オハラ最後の生き残りであるロビンの推測によれば、「歴史を記した」方の9つのポーネグリフに記された記述を繋げて読むことで、一つの物語が完成するとされている。これが「真の歴史の本文」(リオ・ポーネグリフ)である。
ロードポーネグリフ
ゾウ編で明かされた、偉大なる航路の最果て「ラフテル」の場所が記されたポーネグリフ。赤い色をしているのが特徴で、全世界に4つしかない。
ロードポーネグリフにはラフテルの在処の鍵となる地点(それぞれ別の4か所)が記されており、それを繋げた交点にラフテルは所在する、とされている。
その一か所が今まで発見されていないことを考えると、3つではなく一か所を特定できる4つ揃えなければその場所は分からないようだ。
なお、ゾウで暮らすミンク族は光月一族の古くからの兄弟分であり、このロードポーネグリフも彼らの手により大事に守られてきた。
現在、4つあるロードポーネグリフの内3つの所在が判明している。1つ目はゾウにあり、2つ目は四皇の一人カイドウが、3つ目は同じく四皇の一人ビッグ・マムことシャーロット・リンリンが所有している。古代文字の解読は禁止されているので世界政府はラフテルに行く事自体故意にかつ無法者でなくとも否定しているようなものでありロジャーはいかにも何か秘密やそこにあるという宝を隠していそうだと睨んでいた。
ポーネグリフの危険性
22年前、オハラはポーネグリフの解読を極秘裏に行っており、オハラの学者たちの長・クローバー博士はいくつかのポーネグリフと僅かに残されていた「空白の100年」(作中の時代から約900年前~800年前の時代で人間以外の民族含め記録が一切という程存在せず丁度100年が明けた年に世界政府が設立されたと言われている)に関する文献を読み解くことで、800年以上前の世界にはある巨大な『王国』が存在したことを突き止め、ポーネグリフは「空白の100年」の間に後の世界政府によって滅ぼされた王国が後世に歴史を伝えるために遺した物であるという仮説を立てた。文献ではなく石碑という形で遺したのは、容易に揉み消すことができないようにするためであると結論づけている。
また、博士は政府が真に復活を恐れているのは古代兵器ではなく、かつて世界政府によって滅ぼされた王国の『思想』であり、900年前から800年前の間に関する歴史や文献が徹底的に抹消され、政府がポーネグリフの解読を法で禁止しているのは、ポーネグリフが読み解かれると、王国が政府によって滅ぼされた事実が明るみに出る上にその王国の思想が復活してしまうためであると推測している。
研究が政府にバレた後、クローバー博士は電伝虫を通じて世界政府の最高権力五老星に上述の仮説を報告したが、五老星は「オハラの学者達は知り過ぎた」として、謎の要である王国の名とされるものをあげようとした時当時のCP9長官スパンダインに命じて博士を銃撃させるとともにバスターコールを発動させた。この攻撃によってオハラは壊滅し、考古学者を含む島民たちは、当時8歳だったニコ・ロビンを除いて全員死亡した。
この一件の後、オハラの存在は地図から消え、考古学者たちは古代兵器を復活させて世界を滅ぼそうとした悪魔、通称「オハラの悪魔達」という汚名を着せられることとなった(彼らはあくまで謎だらけで分かっていない過去を知りたかっただけで兵器がほしいのでも政府を引きずり下ろすのを目的としたわけでもない)。
ロビンはオハラ脱出後、政府によって高額な懸賞金を掛けられ、20年以上も命を狙われ続けている。
護り手
ネフェルタリ・コブラ
アラバスタ王国現国王。アラバスタ地下神殿に眠る古代兵器「プルトン」の在処を記した碑文を護っており、プルトン強奪とアラバスタ王位簒奪を目論むサー・クロコダイルにそれを狙われた。
しかし、当時ミス・オールサンデーとしてクロコダイルと手を組んでいたロビンがウソの解読をして「プルトンの在処など記されていない」と発言したため、最終的にプルトンの在処はロビンの頭の中とアラバスタに永遠に封印されることとなる。
シャンディア
遥か大昔、ジャヤ島にある黄金郷シャンドラで暮らしていた人々の末裔。400年前に島ごと空島へ吹き飛ばされ、その後もスカイピアの神兵や海賊たちから守り継いでいたが、海賊王ゴールド・ロジャー及びロビンによりその目的は果たされる結果となった。
大鐘楼の台座にはめ込まれたポーネグリフには、古代兵器「ポセイドン」の在処が記されている。
ネプチューン王
本島の近くの海底にあるサンゴの楽園「海の森」の奥に(本島同様陽樹イブから空気が供給されるので人間のロビンやロジャー海賊団も自分で来訪できた)二つ存在し片方は作中に登場した中ではロードポーネグリフ以外で唯一、「真の歴史の本文」(リオ・ポーネグリフ)の一部でもなければ、その在り処を示す石でもないポーネグリフである。「空白の100年」に実在したとされる地上に生きた人物ジョイボーイなる人物の魚人族への約束を守れなかった謝罪文が記されたという碑文でありいつか彼の行為を受け継ぐ者が現れると信じ護り継いできた。
ミンク族
ゾウに棲む獣人種族。ロードポーネグリフの一つを所有しており、彼らの口から光月一族の存在が語られた。
古代兵器
「神」の名を持ち、世界を滅ぼし得る力を持つとされる兵器、あるいは兵器に匹敵する力を持つ存在。
プルトン
かつてのウォーターセブンで建造されたとされる造船史上最強最悪の戦艦。
クロコダイルによれば、たった一撃で島一つ消し飛ばすことが可能らしい。未だなお、その本体がどこかにあるらしく、アラバスタのポーネグリフにはその所在が記されており、古代文字を読めるニコ・ロビンだけがその場所を知っている。
ウォーターセブンではトム曰く「あまりに強大な兵器を生み出してしまったかつての造船技師は万が一その力が暴走を始めた時"抵抗勢力"が必要だと考え その設計図を代々後世に引き継がせた」とのことで、この古代兵器プルトンが悪用された時のための「抑止力」として船大工たちの間で密かにプルトンの設計図(その内容はフランキー曰く始めて見た時人間に作れるものというのが信じ難かった)が受け継がれてきた。
政府の諜報機関サイファーポールがその力で大海賊時代を屈服させ終結させようと企て設計図の存在を知られてしまうが、師匠のトムと兄弟子のアイスバーグから設計図を託されたフランキーは、古代文字を読めるニコ・ロビンへ直に接し悪魔扱いの評判とは違う兵器を悪用する人物でないのを確かめた上で麦わらの一味によって世界政府に奪われない可能性に賭けて、設計図を燃やしてしまった。
ポセイドン
リュウグウ王国王家に数百年に一人産まれるとされる、海王類と会話できる伝説の人魚姫。
巨大な海王類たちを動かすことで世界を海に沈めることすら可能とされている。魚人島周辺に住み着く海王類曰く生まれながらに自分達の王と見なされる存在。現在はネプチューン王の娘しらほしがこの能力を受け継いでいるが、まだ上手く制御できないようである。
作中では、しらほしがポセイドンの力を持つことを知ったバンダー・デッケン九世が彼女を自分のものにしようと執拗なアプローチをしていた(当然相手にされなかったが)。
ウラヌス
ロビンとネプチューン王の会話で名前が出たのみで、詳細は不明。