曖昧さ回避
概要
2001年1月よりカプコンより発売されているゲームタイトルシリーズ。
ジャンルは「戦国サバイバルアクションゲーム」。
鬼の一族の力を得た主人公が幻魔をズババババッサリと斬るゲーム。
同社から発売されている『バイオハザード』シリーズのゲームエンジンがベースで、固定された視点やいわゆる「ラジコン操作」など多くのシステムが共通しており、ファンの間では「戦国バイオ」とも称される。人間の腐敗した死体や幻魔に滅多刺しにされる描写など、グロテスクな表現も多め。
しかし、主人公が一般人ではなく、鬼の力を秘めた逞しい武士ということもあって、恐怖感と爽快感が両立されたサバイバルアクションといった色が強い。
和風ホラーとしての面も2作目以降薄れ始め、どちらかというとファンタジー要素と派手なアクションが特徴のゲームへと変化していった。
シリーズは1〜3に『新・鬼武者』のタイトルを加えた全4作に加え、1と2の登場人物をメインにした対戦ゲーム『鬼武者 無頼伝』、戦略シミュレーションの『鬼武者タクティクス』、ブラウザゲームの『鬼武者Soul』などの派生作品がいくつか存在する。
また、主役のモデル・声優に実在の有名俳優(金城武、松田優作、ジャン・レノ)を起用する豪華なキャスティングでも話題になった。
タイトル紹介
鬼武者(第一作)
プロデューサー:稲船敬二
1561年、前年の「桶狭間の戦い」で今川義元を破った織田信長が美濃へ進入、稲葉山城がその脅威に晒される。
斉藤道三の娘であり、自分の従兄弟でもある雪姫を助けるため、左馬介は、くノ一・かえでと共に城へ突入する。
しかし城内には、人知を超えた力を持つ怪物達が蠢いていた。
実は信長は桶狭間で流れ矢を受けて死んでいた。だが「幻魔」と呼ばれる魔族の力で蘇り、その人外の力を借りて日本全土を恐怖で支配せんとしていたのだ。
左馬介は、かつて幻魔に滅ぼされた鬼の一族の力を体に宿し、幻魔に立ち向かう。
当初はPlayStation用ソフトとして開発されていたが、次世代機PlayStation2のローンチタイトルへと切り替えられた経緯がある。金城武演じる左馬介のわずかな微笑まで再現する美麗なオープニングムービーは、当時のゲームファンに衝撃を与え、前世代機とは一線を画するPS2の圧倒的な処理能力を世に知らしめた。
シリーズでは最もホラー描写が強く、ほぼ全編、薄暗い城の中で物語が進む。
また、左馬介役の金城の台詞が全体的に棒読みだったことで有名…かもしれない。
幻魔 鬼武者
1作目のバージョンアップ版。シリーズで唯一、Xboxで発売されている。
溜め斬り、戦術殻のレベル調整、鬼武者変身が初登場。本作独自の要素として緑魂という鬼武者変身のための魂を敵と取り合う事ができる。魂の取り合いは鬼武者無頼伝や鬼武者3に引き継がれた。
敵に闇甲冑と綾女が追加された。綾女はラスボス級の強さでプレイヤーを恐れさせた。
鬼武者(HDリマスター版)
2019年に発売された、1作目のHDリマスター版。
PlayStation4やXboxONE、NintendoSwitchといった現世代向けに発売された。
ゲームプレイ面での大きな追加要素はないが、PSNやXboxのトロフィー機能(Switch版はゲーム内にトロフィー機能が追加)に対応している。
音声が新録されており、キャストは金城を除いてほとんどが変更された。原典では棒読みっぷりをいじられていた金城の左馬介だが、この新録版では明らかにアテレコが上達しており、寡黙ながらも強い正義感を胸に秘める若武者・左馬介の熱い演技を堪能できる。
また、いろいろあったためか劇伴も差し替えられている。
鬼武者2
プロデューサー:稲船敬二
シナリオ:杉村升、曽田博久、高久進
作曲:岩代太郎
テーマソング:「RUSSIAN ROULETTE(布袋寅泰)」
主人公は柳生新陰流の開祖・柳生十兵衛宗厳(演:松田優作、声:ハードボイルド工藤)。
武者修業の旅に出ていた十兵衛は、旅先で故郷・柳生の里を織田信長の軍勢が襲撃したことを知り、急いで帰郷する。里は既に壊滅し、一族は皆殺しにされていたが、不思議な祠に済む魔人・高女から、己に流れる鬼の血と幻魔と闘う宿命を伝えられ、幻魔王・信長を倒す旅に出る。
ホラー要素は一気に薄れ、コミカルな描写が増えた。不気味な存在であった幻魔の中にも、ギンガムファッツやゴーガンダンテスなど、魅力ある個性的な敵が多く登場する。
個性的な4人の仲間と、アイテムのやり取りをすることで絆を深め、共闘などを行うこともでき、絆の深さによって異なるサイドストーリーが展開される。
舞台も、柳生の里、金山の町・今庄、1作目の舞台となった岐阜城など複数登場する。
1作目がサバイバルホラーなら、今作はさしづめ冒険絵巻とでもいうべき雰囲気に仕上がっている。
最終戦の能面攻撃が絵的に微妙とか言ってはいけない。
本作では主人公・十兵衛のモデルに故・松田優作が起用されていることもあり、クリア特典の隠し衣装は『蘇る金狼』を意識したツナギとサングラス姿、ミニゲーム「黒いスーツの男」は『探偵物語』を意識した衣装になっている。ちなみに「黒いスーツの男」は、スポンジ棒を片手に幻魔や信長をぶったたきながらフィルムを探すというシビアかつシュールな内容である。
鬼武者3
プロデューサー:稲船敬二
シナリオ:杉村升
主人公は第一作に登場した左馬介(演:金城武)と、現代フランスの軍人(対外治安総局)・ジャック・ブラン(演:ジャン・レノ、日本語声:菅生隆之)のふたり。
本能寺襲撃の日、左馬介は信長との決戦の最中に謎の空間に吸い込まれ、現代のフランスへタイムスリップしてしまう。同時に、現代フランスの軍人ジャックは、都市に突然現れた幻魔たちとの交戦中に1582年の日本に飛ばされてしまう。幻魔はとうとう、タイムスリップの技術をも編み出していたのだった。
プレイヤーは、彼らの相棒・阿児を通じて、それぞれの時代の主人公を交互に操作して物語を進めることになる。
バイオハザード関連作品特有のいわゆる「ラジコン操作」が今作からなくなり(正確にはより直感的操作が可能なスティック移動が追加されたのでなくなったわけではないが)、現代のパリを侍が闊歩するなど、ぶっ飛んだ描写とアクションの爽快感がより強烈になった。
現代フランス人のジャックが日本語口調で戦国時代の日本を闊歩したり、侍の左馬介が携帯電話片手に「ギルデンスタン!」と言うなど、やたらシュールなシーンが印象に残るゲーム。
なお、今作の金城武は棒読みでは無いが、対照的にジャン・レノ本人の台詞が棒読みになってしまっている。
新鬼武者 DAWN OF DREAMS
プロデューサー:小野義徳
シナリオ:山下宏
作曲:深澤秀行
テーマソング:浜崎あゆみ、オープニングテーマは「Startin'」、エンディングテーマは「rainy day」
仲間には2の主人公だった柳生十兵衛の孫娘・柳生十兵衛茜(声:ゆかな)が登場する。
織田信長没後、新たな幻魔王となった豊臣秀吉の治世が舞台となっている。
今まで必殺攻撃だった「一閃」が簡単に出せるようになった反面、敵が一撃で死ななくなった。
1〜3まで担当していたシナリオライターの杉村升が亡くなり、プロデューサーの稲船敬二を始めとしたスタッフの入れ替わりのため、ストーリーは前3作とは大きく異なる。
また、本作から有名俳優の起用も無くなった。
ナンバリング番外タイトル
鬼武者 無頼伝
プロデューサー:稲船敬二
作曲:小林秀聡
鬼武者1・2の登場人物が一堂に会した多人数対戦ゲーム。
時系列的には2〜3の間の物語とおもわれる。かえでや夢丸(何故か成長して前田慶次になっている)との再会や十兵衛との初対面など、何かと重要なイベントが多い。
本作のみに宮本武蔵、佐々木小次郎、ロックマンエグゼ、ロックマンゼロ、ジュジュドーマ蘭が登場する。
鬼武者タクティクス
主人公は鬼一族の血を引く少年・王仁丸。
『タクティクス』の名前通り、あのゲームやこのゲームと同システムの戦略ゲーム。
2にも仲間として登場した雑賀孫市・安国寺恵瓊・風魔小太郎が登場しているが、前作では博識だった孫市のIQが著しく下がってたり、皆何かと横文字や欧米文化に詳しかったりと、カオスな要素が多い。
鬼武者Soul
プロデューサー:杉浦一徳
シナリオ:森橋ビンゴ
テーマソング:May'n:「GET TOUGH」 「アウトサイダー」
主人公は無し
今までのアクションゲームではなく、ブラウザゲームのシミュレーションRPG、箱庭・カードゲームに変更された。鬼武者を原作とした、戦国時代の群像劇に近い(一部に平安時代や鎌倉時代の人物も登場する)。
本編で語られなかったエピソードやIFも用意されている。
また、今作はPixivともコラボしており、イラストコンテストが開催され、優秀作品はゲームに採用された。
2017年3月30日にサービスが終了している。
発売日詳細
発売日 | 機種 | |
---|---|---|
1 | 2001年1月25日(木) | プレイステーション2 / PC |
幻魔 | 2002年2月22日(金) | Xbox |
2 | 2002年3月7日(木) | プレイステーション2 |
タクティクス | 2003年7月25日(金) | ゲームボーイアドバンス |
無頼伝 | 2003年11月27日(木) | プレイステーション2 |
3 | 2004年2月26日(木) | プレイステーション2/ PC |
新 | 2006年1月26日(木) | プレイステーション2 |
Soul | 2012年10月19日(金) | プレイステーション3、Windows Vista、Windows7、Mac OS、スマートフォン |
関連タグ
users入り
鬼武者100users入り/鬼武者500users入り/鬼武者1000users入り/鬼武者5000users入り/鬼武者10000users入り/
戦国BASARA:同じくカプコンから発売された戦国時代が舞台のシリーズ。