概要
「力だ…力が欲しい!」
「超えてやる! 俺を見下したあいつらを!!」
闇に堕ちた悪の戦士、ウルトラマンベリアルのかつての姿。一見すると、闇に堕ちる前の姿なのでウルトラマンらしく勇ましい姿をしているが、それでも目付きが少し悪いのが特徴(この人に近い)。
また、この時から過激な思想の持ち主だったらしく、闇に堕ちる要素は備わっていた。
「ウルトラマンは神ではない」という言葉があるが、ある意味ベリアルはこの言葉を体現しており、ライバルが着々と実力を付けて出世した事による嫉妬、光の戦士でありながら強大な闇の力に惹かれてしまい、終いにはプラズマスパークに手を出そうとして、追放されてしまった結果などを見ると、ベリアルは神というより、人間と同じ様に心の弱さを持った存在と言った方が等しい。
その後、レイブラッド星人の手により、光の巨人から闇の巨人へと変貌し、現在に至る。
このアーリースタイルとしての姿はヒーローショー以外で見る事はなかったが、『ウルトラマンジード』最終話では、父であるベリアルが心に抱えていた憎しみの感情をリクが受け止めたことで、(あくまで精神世界の中ではあるが)彼の中に宿っていたレイブラッドの因子が失われ、アーリースタイルの姿に戻るというシーンがあった。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
3人のキーパーソンの1人として登場。
以前から語られていた通り、この頃から過激な思想を持っており、敵対者はたとえ戦意を喪失していたとしても容赦なく抹殺していた他、戦闘スタイルも引っ掻き攻撃やデスシウム光線を放つなど、後に繋がる戦法をとっている(ただし、戦意を喪失していたとはいえ、大々的に喧嘩を売ってきたくせにあっさり命乞いをするのも随分虫が良い話ではある)。
傲慢な一面も持ち合わせており、自分の実力に絶対的な自信を持ち「光の国を治めるのに相応しい大物になる」と豪語したり、マリーに一目惚れし「いい女だ。俺に相応しい」と上から目線(かつ一方的)な好意を寄せていたりもした。一方、ケンとの地位や実力に差が出た際には訓練中に本気の攻撃を仕掛けた他、とある小惑星にその苛立ちをぶつけるなど危うい面は昔からあった様子。
我が強い一方で、負傷していたマリーを気遣う様子は見られず、そのくせ彼女がその場から離れた直後に上記の台詞をこぼすなど、周囲に八つ当たりするところも含めて妙なみみっちさも感じられる。ケンに対し「お前の正しさが俺を苛立たせる」と白状している様子を見るに、ウルトラ戦士としての劣等感は自覚していたと思われる。
この辺りまでは正史通りなのだが、その後の展開が異なる。
時折「お前の運命を変えたくはないか?」という謎の囁きを耳にするようになり、その言葉に突き動かされるようにプラズマスパークに手を出すも失敗、ケンや若き日のゾフィー、他の宇宙警備隊員らに止められるも返り討ちにして自ら光の国を出た直後(描写こそなかったが、この時点で追放扱いとなっていた可能性もある)、未来から囁きの主であるアブソリュートタルタロスが出現、未来の光景を見せられる。
強大な力欲しさにレイブラッド星人に憑依されて闇に堕ち、故郷を滅ぼし宇宙を支配しようと目論むも、ケンやウルトラマンキング、後の宿敵であるゼロに邪魔をされ、ついには息子に倒され完全に滅ぼされる運命を垣間見て、たとえ力を得ても結局何も成せないことを思い知らされ、「お笑い草だ」とどこか自棄になったように自嘲する(もっとも、力を得るように唆していたのは他でもないタルタロスなのだが)。
そんなベリアルにタルタロスは誘惑する。
「私と来い。お前の運命を変えてやろう」と。
英語版の声優は「Jack Merluzzi」氏だが、彼は前作にてベリアルの宿敵であるウルトラマンゼロを演じていた。
ジード(リク)版アーリースタイル?
ベリアルの息子である朝倉リクがジードへとフュージョンライズ(変身)する際に一瞬ではあるが出現するもの。
ロイヤルメガマスターおよび最終話での変身シーンから、リクが一度この形態に変身したあとウルトラカプセルの力が重なりフュージョンライズが完了することがわかる。
- ジード本編ではほかにも最終回でゼガンとともに発生させた時空の歪みから帰還し、変身解除する際にもこの姿が確認できる。
- ウルトラマンZでは、ギャラクシーライジングへの変身の際にその姿が鮮明にされている。
前作序盤のオーブオリジン同様、本編では光に包まれていて詳しい姿は出ていないが、それらの描写とウルティメイトファイナルへの変身に使用するエボリューションカプセルの画像から、「目の色はジードに近い水色より」「姿はほとんどベリアルのものと同じだが、カラータイマーはジードのもの」ということが推察できる。詳細な姿は超全集にて判明したが、スーツがアーリーベリアルの流用なためかカラータイマーが違うくらいの差となっている。これによれば一度ジードライザーから発せられる光でこの形態になった後、各形態へ変身するというプロセスを踏むようだ。
なお、"アーリー"(early)とは「最初の」「初期の」という意味合いのため、ベリアルやジャグラーと違い"アーリー"というのは厳密には適さないと言える(初期変身形態という意味では間違っていないのかもしれないが)。
ジードの正体とロイヤルメガマスターへの変身シーン、エボリューションカプセルの画像を見る限りでは、リク自身がカプセル無しでウルトラ戦士に変身できていたら…というIFに近いものなのかもしれない。
ちなみに坂本監督によればベリアルの遺伝子をもつのだからジード本来の姿はベリアルアーリースタイルのような姿なのだろうということで登場させているとのこと。監督的にはジード本来の姿ととらえても良いようだ。
上述したようにアーリースタイルだと意味合いがずれることもあり、この形態について語る際にはオーブに合わせた仮称「ジードオリジン」そのほかでは「ジード素体」などの言い方が少なくないようだ(超全集でも正式名称が判明していないためでもある)。
その他
ジャグラスジャグラーも、胸に三日月模様の傷ができる前の姿がアーリースタイルと呼ばれている。ただしpixivでは今の所ジャグラーのイラストにはタグが使われていない。
またベリアルにアーリースタイル(前の姿)がある様に、光の国から生まれたもう一人の悪のウルトラマン、トレギアにもアーリースタイルがあるのでは?という考察が視聴者の間ではされていた。
そして大いなる陰謀PV2弾で彼のアーリースタイルが初披露され、存在が確定した。
詳しくはトレギアアーリースタイルを参照。
余談
スーツは予備用のウルトラマンゼアスの改造。また、当初は既存のスーツを真っ黒に塗るだけの予定だった。ちなみにゼアスもベリアルと同じく口が開くウルトラマンである。
光の国は、殆どが善良な心を持った国民ばかりが存在するとされるが、前述の通りベリアルが「俺を見下したあいつら」と発言してる事を考えれば、全ての光の国の国民が善良な心を持っていない可能性がある。
一応、光の国には法律が存在するので、描写がないだけでベリアルやゼロの様に法を破って処罰を受けたりするものがいる(若しくはいた)のかもしれないし、法律を破らずに生活する心が狭い者がいてもおかしくはない(実際、後に光の国からベリアル以外で悪の道に走ったウルトラマンがもう1人いたことが明らかとなっている)。
ただ、ベリアルが自身の一方的な思い込みによって「見下された」と感じただけという可能性も十分考えられるため、結局のところ真相は不明である。
『大いなる陰謀』では、未来で戦う事になるジードについて「自分の遺伝子から生み出された」とだけ説明されたにも関わらず「息子」と認識していた。
ソフビ人形は当初闇に堕ちる前の姿なのにウルトラ怪獣シリーズでラインナップされていたのだが、2020年4月に500シリーズ規格でラインナップされた際はウルトラヒーローシリーズ扱いになった。
関連タグ
- ウルトラマンベリアル
- ウルトラマンジード
- ウルティメイトファイナル
- バッタ男:ジード版の扱いはこれに近い。