概要
『ヒーリングっど♥プリキュア』に登場する妖精たちの総称。
幼生期の個体は2頭身でいかにもプリキュア妖精のような姿をしているが、成体となった個体はリアルな動物に酷似した姿もしくは獣人型となる。
彼らは動物のように親から生まれるのではなく、地球の意思によって作り出される存在である。
ただし王女のラテだけは例外で、女王テアティーヌの子として生まれた。よって彼らの社会では「血統」というものは王家のみに適用される特別な概念となっている。
ヒーリングアニマルの故郷は、人間たちが住まう世界とは別世界である「ヒーリングガーデン」である。なお、ヒーリングガーデンは別世界とはいっても地球の一部である。「この地球のどこかにある、人間たちからは隠された場所」という言い方の方がイメージにあうかも知れない。
彼らは人間たちの世界に秘密裏にやってきて「地球のお手当」を続けている。
この「地球のお手当」とは、自然界の精霊であるエレメントさんを治癒することであるが、明確な敵意を持ってエレメントさんを穢そうとする存在に対しては武力を持って対処することも厭わない。つまり、ヒーリングアニマルは治癒者であると同時に戦士でもある。RPGで言うなら神官戦士のイメージだろうか。因みに成体は自力でキュアスキャンが出来る。
一方、幼体は戦う力も癒やす力も未熟であるため、基本的には人間の世界に行くことはなく、ヒーリングガーデンで修行を続けることになる。
生活様式も幼体と成体が別々に分かれて暮らし、一人前となった者は成体の居住区への移住を許される。
ヒーリングアニマルの特徴としてどの種族にもピンク色の肉球が手足の何方か(ラビリン・ニャトラン・ラテ王女が掌、ペギタンが足裏)にあり、体の骨格はかなり柔軟で立ち膝や正座が可能の他、手も通常は丸いがピースサインと行った可動を取る事が出来る。
また、ヒーリングアニマルの成体はプリキュアの妖精では珍しく衣服を着ているのがデフォルトとなっている。戦士は甲冑を着込むこともある。
幼体はその限りではなく、せいぜいスカーフをつける程度。このことからヒーリングアニマルにとっての衣服は「大人のたしなみ」のようなお化粧感覚のものであるようだ。
ただし、作中ではこのアイテムの為の販促として、幼体たちが「お着替え」をする場面もたまに描かれる。
話数 | 着せ替え内容 |
---|---|
第3話 | ラビリンがペギタンと共に首周りのスカーフを外してペット温泉に入浴 |
第6話 | 専用の寝間着姿を披露(専用の服と帽子を着用し、前髪にはカーラーを巻いていた) |
第12話 | 12話の回想シーンにてラビリンが柔道着(上半身のみ)、ペギタンは水着(浮き輪付)、ニャトランは仙人的恰好(上半身のみで付け毛あり)を着用 |
第1話が始まる直前にビョーゲンズが総力を持ってヒーリングガーデンに侵攻。熾烈な戦いの末、ヒーリングアニマル側が敵軍首領のキングビョーゲンを追い詰め撤退させることに成功した。このことからしてヒーリングアニマルの成体は相当に高い戦闘力を持つことが伺える。
だがこの戦いの結果ヒーリングガーデン側も大きく傷つき、第1話開始時点では戦う力を持つ成体のヒーリングアニマルの多くは負傷して戦闘不能の状態となっている。
戦いの後、ヒーリングガーデンの女王であるテアティーヌは、まだまだ未熟な幼体であるラビリン・ペギタン・ニャトランに対して、自分の子供であるラテを連れて人間界へと赴き「地球のお手当」を手伝ってくれる人間たちを見つけてパートナー契約を結ぶようにと指示した。
パートナー契約を結んだ人間たちはヒーリングアニマルと共に「地球のお手当」をできるだけの力を得る。つまり、優しき癒しの力と勇ましき武力の双方を備え持つ超人「プリキュア」へと変身できるようになるのだ。
ただし、第5話でのキングビョーゲンの発言からすると、そもそもヒーリングアニマルの成体は、プリキュアの力を借りずに単独でビョーゲンズと戦えるだけの戦闘力を持つらしい。
つまりプリキュアが活躍している状態とは、ヒーリングアニマルの力が未熟なために人間たちの力を借りざるを得ない状態であり、本来は望ましいものではないとの感覚が強いようだ。
序盤の頃は「ヒーリングアニマルの仕事に、人間たち(プリキュア達)を巻き込んだ罪悪感」のようなものがラビリンたちから頻繁に語られており、12話ではラビリンたちが「本当は人間たちの力を借りずにやっていくのが正しい」と明言していた。
人間界では、プリキュアのパートナーとなったヒーリングアニマルは、それぞれのパートナーと同居しているが、家族には見られないように隠れ住んでいる形。ヒーリングアニマルたちはヒーリングルームバッグというカバンの中に潜むことができるので、隠れ住むのは容易である。
なお、ラテについては「ただの犬」という体裁で、花寺のどかの家にてペットという形で保護されている。
上述したように第1話時点でビョーゲンズの攻撃を受け、多くの者が傷つき倒れている惨状が描かれており、上記5体以外に無事なヒーリングアニマルがいるかどうかは不明であったが、第37話にてレイオンとトラインという成体のヒーリングアニマルが登場。傷付き弱ってはいるもののラビリン達の奮闘もあってか順調に回復しているようである。
現状ではすこやか市の防衛を3人のプリキュアで事足りているが、地球を蝕むのが目的なビョーゲンズが他の国や地域を狙うようになったらどうするのかという対策も不透明なまま。
まあプリキュアシリーズのお約束として、敵組織は特別なエピソード以外では主人公たちが住む街以外にはまず狙わないので今更ではあるが…(幻影帝国は例外中の例外)
しかし、10・11話にて不特定多数の場所にメガビョーゲンを出現させたことにより、一部の視聴者からの懸念が現実となっている。この時点では3人で1体のメガビョーゲンを浄化するのがやっとであり、今後の戦力の増強が気になるところ。
尚、女王であるテアティーヌは弥生時代と思しき古の時代において、一人の人間の少女とパートナー契約を結びプリキュアへと覚醒させていた事が第14話で明かされている。
此処から過去作のレジェンド女王同様、人間より遥かに長命な種族である事が示唆された。
彼らの使命
彼らは「地球のお医者さん」として人知れず地球の病気を治し続けてきた存在である。
ヒーリングガーデンの伝説に語られるプリキュアはそんなヒーリングアニマルと支え合うパートナーとなる人間だとされる。これは完全に対等な関係性であり、本作ではプリキュアとヒーリングアニマルはバディ同士という扱いになっている。プリキュア変身者ひとりにつきヒーリングアニマルも一体がバディとして存在し、変身者と妖精の心が重なることで変身が初めて可能になる。
いわば「ふたりでひとりのプリキュア」なのである。
幼体たちは第1話でテアティーヌに「プリキュアを探しに人間界へ行くように」と命じられ、故郷を旅立った。
レイオンとトラインは第37話で初登場。ビョーゲンズとの戦いで傷付きテアティーヌ同様ヒーリングガーデンに留まり傷の回復に専念している。
ヒーリングアニマルの種類
現段階で名前が判明しているヒーリングアニマルはプリキュアのパートナーである幼体のラビリン・ペギタン・ニャトラン・ラテ、そしてラテの母親である成体のテアティーヌ、成体の戦士であるレイオン・トライン、最終回に登場した成体のサルローおよび幼体のスズチュン・モモモン・フェレミン・ハムタスの計12体である。他にも名前が判明していないヒーリングアニマルがモブとして回想シーンや最終話で何体も登場している。
彼らは様々な動物をモチーフにしているが、多くは哺乳類や鳥類である。45話をよく見ると亀のヒーリングアニマルもいるので、他の爬虫類のヒーリングアニマルもいるのだろう。
彼らの多くは陸や空に住む生き物たちだが、クジラやイルカの様な海獣のヒーリングアニマルもいるのだろうか?
そしてすべてのヒーリングアニマルに肉球やそれに類する器官があり、プリキュアをパートナーに選び変身させる能力を持つのだろうか?
彼らが使用する文字
因みに、第8話でペギタンが見ていた医学書に書かれていた文字は肉球の大きさと傾きによって文章を形成している様だ。
しかし、現時点でヒーリングガーデン語が出たのは8話のみで情報が圧倒的に少ない為に解読は困難である。
彼らの秘匿義務
ヒーリングガーデンは「人間界には秘密の世界」とされているので、ヒーリングアニマルたちも自分の正体を人間界で知られてはいけない掟がある。ただし、何故見られてはいけないのかっと言うのどか達の問いに対してはラビリン達もよく知らない模様。因みにプリキュアとなった者に対してはヒーリングガーデンのことも教えられる。
33話では、のどかは蜂須賀先生にかつての病の真実を教えたい、と願うがテアティーヌに相談しなくては迂闊に秘密を打ち明けられないとラビリンに窘められる。敵であるビョーゲンズの事も迂闊に人間に教えてはならないようだ。
ヒーリングアニマルと人間の関係と、この先の未来
最終回ではっきりした事は、ヒーリングアニマルは地球の味方であり、決して人間の味方ではないと言う事である。
自分達の便利で快適な暮らしを追求する過程で自然を壊し、多くの生物を絶滅させて来た人類は、地球視点でみれば本質的にはビョーゲンズと大差無い。
(作中で言及されてはいないが、人類はすでに地球環境を壊滅させかねない兵器まで開発している。)
最終回におけるサルローの様に、人間の事を浄化の対象と見ている者も中には存在しており、テアティーヌも最悪の場合、人類の浄化に踏み切る覚悟が有る。人類の環境破壊が進む、あるいは地球環境そのものを破壊しかねない行為…核戦争などが起ころうものなら、ヒーリングアニマルの粛正対象になる可能性が存在するのだ。
上述したように「ヒーリングガーデンの存在をなぜ人間に明かしてはいけないのか」について作中では明示されなかったものの、いつの日か人間を浄化しにいく可能性を想定している以上は、人間に存在を知られないようにしておくのは当然である。
(その存在を前作の彼のような人間界の権力者に知られれば、マズい事になるのは目に見えている。)
だが、自分達の過ちでヒーリングガーデンに持ち込まれたビョーゲンズの火種を責任を持って浄化しようとするグレース達の姿勢と、ラテの手で召喚された新たなプリキュアの存在が彼等にとって人間を信じる希望となったのもまた事実。
ヒーリングアニマルが人類を見限る日は来るのか否か。全ては我々人類のこれからに掛かっている。
- だが、女王テアティーヌとて、人類が数多くの生物を絶滅に追いやり、人類が彼女がかつてのパートナーと友情を築いた頃とは比べ物にならぬほど進化した文明を手にしている事を知らなかったはずもあるまい。それを知った上でプリキュアたち人間に助けを求め、「いざという時がくれば人間を浄化する覚悟がある」と言うのは、都合のいい時だけプリキュアに助けを求め、自分が生き残るために利用しようとしたダルイゼンと何が違うというのだろう…?
- もし遠くない未来に地球環境が悪化しても、ラビリン達現代のプリキュアと友情を築いたヒーリングアニマルが人間達の自浄作用を信じ対立を拒む事で、他のヒーリングアニマル内でラビリン達に同調する派閥、ラビリン達に同調せず「人間の浄化」を目指す派閥に別れ、ヒーリングアニマル同士の対立が起こる可能性も否定出来ない。そうなれば『地球が死の星になる』と言う最悪の事態も有り得る。
余談
妖精が各々のプリキュア専属かつ変身に必要な存在という設定はドキドキ!プリキュア以来7作ぶりとなる。
また、はーちゃん以来となる、地球発祥の異世界出身の妖精である(異世界の登場自体も4作ぶりであり、その間に登場したプリキュア妖精は地球、またはそれが所属する宇宙の出身である)。
プリキュアのパートナーとなるヒーリングアニマルには誕生日が設定されている。妖精キャラクターに誕生日が設定されているのはHUGっと!プリキュアのはぐたん以来。またいずれもモチーフになった動物と関連する日が誕生日として設定されている。