「素晴らしいッ!」
「Happy Birthday!」
演:宇梶剛士
概要
巨大財団・鴻上ファウンデーションの会長。43歳。
強面の大男で、派手な色のスーツを作中殆どで着用しておりあまりカタギの人には見えない。最終回では彼のスーツの色がタトバコンボを意識したものになっている。
そんな見た目によらず人当たりは良く紳士的だがハイテンションで、グリードのアンクを口先だけで手玉に取るほどの、海千山千の怪人物である。
人物
物事の誕生に価値を見出し、全ての行動の原動力が欲望にあると考え、善悪を問わず全肯定する。
その度合いは、第1話でグリードが復活して配下のライドベンダー小隊が全滅した時や、最終回でウヴァがメダルの器暴走態になり外が非常事態になったときも、ケーキを作って祝っていたほど。
彼の評価基準は極めてシンプルで、私欲や我欲に忠実な者は高評価、そうでない者は低評価。
1億円目的で戦う伊達明を高く評価し、真面目に仕事をこなすものの欲望を露にしなかった後藤慎太郎を独自の論法で批判するところにその一端が表れている。
また一見すると無欲に思えた映司の中にある「欲望の空白」を見抜き、巨大な欲望を許容する「真のオーズ」の資質を期待するなどその眼は確かである。
仮面ライダーオーズにライドベンダー、カンドロイド、メダジャリバーといった自社製のツールを提供し、代わりにオーズが得たセルメダルの60%を譲与するという契約を結ばせた。その交渉の際も当初は70%を提示しておき、アンクとの駆け引きで60%まで譲歩したと見せかけて、用意していたケーキには既に60%と書いてあり(所謂ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック)、想定通りに嵌められたアンクを激怒させるというしたたかさを見せつけた。
また、本編当初からライオンコアメダルを、第18・19話の時間軸ではヨーロッパ旅行に出向いたことでアンク(ロスト)のミイラを入手していた。
本作開始当初から黒幕臭全開の胡散臭さを醸し出していたが、結局火野映司たちの敵にはならず、むしろ様々な局面でサポートしてくれた。
「欲望は世界を救う」という言も、私欲や悪意によるものではなく、彼独自の哲学から来る信念。世界に絶望し終末を望んでいる真木清人とは違い、欲望の力による人類の未来に希望を見出している。真木に対してはその才能を高く評価しており、数々の裏切り行為や凶行を目の当たりにしても最終話まで彼を説得し改心させようと試みていた。
物語を通して見ればメダルと引き換えとはいえ色々と物をくれたり世話を焼いてくれる気前のいい金持ちのおじさんであり、世界の発展を願う大人物と言うこともできる。ただし……(後述の「元凶?」を参照)
劇中はっきりと明言はされなかったが、『将軍と21のコアメダル』や小説版などで800年前コアメダルを開発させて初代オーズとなった『王』の子孫であることが示唆されている。
やたらメダルやオーズについて詳しかったのも、関連する遺物を大量に所持していたのも、それが理由と思われる。
ちなみに、役者はこの作品におけるこの人役でもあったのだが、その生き様はどこか鴻上と通じるものが感じられないだろうか…?
ネットムービーでのイメージアニマルはコブラ。
元凶?
結果的に主人公たちの協力者という立ち位置で終わっているものの、本編・劇場版ともに、この人の行動が原因で厄介ごとが持ち上がっているのがほとんど。ある意味では全ての元凶とも言える存在である。
本編:コアメダルを一か所にまとめていたせいでグリードが復活する。また、保存されていたアンクの体からコンドルコアメダルを抜き取ったことでアンク(ロスト)を生み出す。
MOVIE大戦CORE:織田信長のクローンを作りだす。
将軍の21のコアメダル:発掘作業で錬金術師ガラを目覚めさせる。
MOVIE大戦MEGA MAX:未来でミハルにポセイドンドライバーとコアメダルを渡したことで、仮面ライダーポセイドンが生まれ、現代に来襲する。
と、本人に悪意はないものの何かにつけてトラブルを生み出し、その後始末を主人公たちにさせる厄介者であり、オーズメインの作品で彼が騒動に絡まなかったのは『レッツゴー仮面ライダー』くらいのものである。
ただし大量のセルメダルの生産者として「グリードの復活」自体は意図していた節がある(対抗戦力としてのライドベンダー隊を既に組織しており、また、詳細は語られていないが、グリードに頼らずにセルメダルを生産する技術を持っているものの、効率が非常に悪いらしい事をうかがわせる台詞を第2話で発している)。
ケーキ
その風貌によらず、ケーキ作りが趣味である。会長室にケーキ用のキッチンを設置していることからもその身の入りようが窺える。
前述した通り誕生に価値を見出しているため、やたら何かの記念日や誕生日につけてバースデーケーキを作り贈っている。それは戦闘中のオーズにライオンコアメダルをケーキに隠し後藤に届けさせたほど。
しかし自らの意に沿わない者を、作ったケーキでお仕置きすることもある。
余談
演者である宇梶氏は出演に辺り、鴻上のキャラクターを掴めていなかった為、テンションを高めた演技しそれが成功した……のだが、『あそこまでテンション高く演じる必要があるのか判らないんですが、時々後悔しています。「異常に疲れるぞ、これは……」って』と、MOVIE大戦COREのパンフレットにコメントしている。
仮面ライダーOOOの10周年を記念して東映公式YouTubeで一挙放送が行われた時にはその最初と最後に登場。宇梶氏によるコメントがあったほか、最終日は『仮面ライダーセイバー』の放送開始日でもあり、新たなライダーの誕生を祝う形で一挙放送の幕を閉じた。
関連タグ
鴻上ファウンデーション 里中エリカ 後藤慎太郎 真木清人 伊達明
『仮面ライダージオウ』…関係ないにもかかわらず、ジオウ6話を扱った東映公式サイトのページで常磐ソウゴ役の奥野壮の誕生日を祝っていた。公式的にも彼の誕生ネタは鉄板の様子。また、同作でジオウがオーズの力を継承した姿に初めて変身した時に、ウォズが通常通りその誕生を祝う前に「ハッピーバースデー!」と前置きをするというネタがあった。
北岡秀一: 仮面ライダー龍騎の登場人物。同じく人の欲望を愛するキャラ。
DJサガラ:仮面ライダー鎧武の登場人物。同じ役者がクレジットで最後に登場する格の高い人物であり、同時に悪意こそないものの物語の黒幕、および敵味方双方を大きく動かす狂言回し・トリックスターという点で共通する。
超テンション社長Yes!…8年後に放送されたプリキュアシリーズの前期EDの歌詞の一部。彼もまたこのフレーズの良く似合う人物と言えなくも無い。但し、こちらは会社の社長では無く財団の会長。
まさかの再登場
スーパーヒーロー戦記にてまさかの再登場。仮面ライダーシリーズとしての登場はなんと10年振りである。当作品はスーパーヒーローの誕生をテーマにした物語であり、今回も新たな仮面ライダーの誕生を祝福するのだった。
またもや迷惑をかける元凶(?)
復活のコアメダルにて、物語開始時点で既に鴻上ファウンデーションの技術と火野映司の中に溢れる欲望のデータを元にゴーダメダルを作成。長年の夢であった人造コアメダルが完成したかと思いきや、そのコアメダルからゴーダが誕生。この人は10年経っても迷惑しかかけてないのである。
(なお、ゴーダ誕生と古代オーズ復活はほぼ無関係で、ただ同時期に起こっただけである。どちらにしても、この先祖あってこの人であるとは言える。