「みにくき タランザよ…
使えぬ おろか者などいらぬわ…」
「万物の女王、このクィン・セクトニアの…
神にも等しき 美ぼうが前に、
ひれふし… あがめ…
全てを ささげるがよいっ!!」
※正しい表記は「クィン・セクトニア」であり、「クイン」や「クイーン」などは間違いなので注意。
概要
その美しさでタランザをみりょうする、
美としはいにしゅうちゃくした
悪しき女王。フロラルドをわがものとし、
いく年月も天空の民たちを
くるしめて来た真の・・・くろまくだ!
(本編戦闘時のポーズ時の紹介文より)
『星のカービィ トリプルデラックス』に登場するキャラクターであり、同作のラスボス。
天空の国フロラルドの支配者にして、天空の民を『無能な民』と侮蔑し長い間圧政によって苦しめてきた悪しき女王。天空の民は彼女の支配から解放されるため『下界の勇者』に助けを求めるのだが、それを察知して天空の民を幽閉する。
美と支配に執着する彼女は、これを機に下界をも支配下に治めようと画策。『勇者』を排除しさらに手駒とするために、忠実な部下タランザに勇者の拘束を命ずる。
しかし、タランザはデデデ大王を件の勇者と勘違いして拉致したばかりか、本物の勇者であるカービィの侵入を許してしまった上にカービィに敗れてしまう。
激怒したセクトニアはタランザを『醜きタランザ』と罵り、役立たずは不要であると始末する。
そして、今度こそ勇者を確実に排除するべく、自らカービィに戦闘を挑んでくる。
一人称は「わらわ」の、高貴な言葉遣いで話し、常に他者を見下す態度を崩さない。
『万物の女王』を自称する、絶世独立な性格の持ち主。またカービィシリーズのボスキャラとしては珍しく台詞数がかなり多く、戦闘中でも笑い声などを発する。
赤い宝石のついた『ゴールドロッド』と青い宝石のついた『シルバーロッド』を持っている(ムービー中はゴールドロッドのみ所持している)。
上記の様に、長い間支配者として民を苦しめ、失態を犯した部下を躊躇なく始末するなどえげつなくもラスボス然とした性格の持ち主。しかしながら、カービィシリーズのラスボスとしてはかなり異色の存在でもある。
また、本拠『ロイヤルロード』に巨大な都市『月影の帝都セクトラトア』と神秘的な宮殿を構え、大型戦車『セクトル五連砲』やいつでも招聘に応じる親衛隊を擁するなど、ここまで絶大な権力と武力を備えているのもシリーズとしては珍しい。
強いて言うならメタナイトやドロッチェが該当するが、その差は歴然としている。
これだけ見るとあまりにわかりやすい悪役。しかし実は・・・
セクトニアと タランザは、それは なかのよい
2人であった…。だが、ぜっせいどくりつ な
セクトニアが 美と しはいに とりつかれて
からは、じょじょに心を みにくくさせ、
ようえんの悪女と なっていくのであった…。
(クィン・セクトニアDX戦のポーズ時の紹介文より)
嘗て、セクトニアとタランザは、仲の良い主従だったのだという。しかし、元より絶世独立な性格だった彼女はある時を境に美と支配に憑りつかれてしまう。
『妖艶の悪女』と化した彼女は、より傲慢になり心を醜く穢し、嘗ての友のこともただの手駒、消耗品としか見ないようになってしまったのだ。
セクトニアの豹変の原因は不明であったが、彼女の部屋に飾られていた『ディメンションミラー』が鍵を握っていると言われる。
この鏡は、嘗てダークマインドによって『写した者の邪悪な心』を具現化するようにされたことがあり、その作用によってダークメタナイトらを生み出した。
そして、そのダークメタナイトが復活しているということは、鏡が再び暴走している可能性もある。
この『鏡こそがセクトニア豹変の元凶である』という説は公式に肯定された(後述)。
しかしながら、もう1人のカービィとして鏡の国を守護していたシャドーカービィは今どこでどのような現状に陥っているのか、何故ダークメタナイトが復活したのか等、鏡の現状には未だ謎が多い。
また、ディメンションミラーに写った具現化した自分の心の闇に操られていた、あやつりの秘術によって寄生された、本人と入れ替わっていたと解釈が分かれている。
ちなみに入れ替わりは、デデデでゴーをIFとして見ずセクトニアDXは本物?から生まれた説である。
次作に公式IFの話がでたり、その次の作品でダークメタナイトが鏡ごと破壊されたにも関わらず登場した事からデデデでゴーはIFの可能性が高い。
鏡ごと破壊に関してはカービィハンターズZでの似たような出来事から封印の可能性がある。
スーパーカービィハンターズから鏡の持つ強い力=寄生された蜂の願いの影響も出るという考えが生まれ、セクトニアは蜂または蜂の願いに浸食されたという説が出てきた。
その要因であるセクトニアグラスの説明が美への執着が加速した事しか載っていないから出てきた考えだが、暴君へと変貌についての原因に否定がないため執着からなのか別のことからなのかは不明である。
この説はもっと早く出てこれたのではないかと思われるが、変貌後の寄生=死だからどうでもいいと考えた事、セクトニアは元は良い人だから昔の寄生は美への欲はあったが一時的なもので死なせていない(鏡を見たのは本来の姿)という考えが多かったため出なかったのだろう。次作の1000年間の寄生で怪しくはなったが他の説は出なかった。
なお、セクトニアの種族は、『あやつりの秘術』によって代々より強く美しいものに寄生し支配することで栄えてきたらしい。
そのため、今の『クィン・セクトニア』の姿は本来の物ではなく、公式のMiiverseの解説によると元々は虫の同族の側近にそっくりな姿だったらしい。
年齢もロボプラのクローンセクトニア(後述)の説明文から1000歳以上と推測できる。
戦闘
クィン・セクトニア
(本編及び格闘王への道)
クィン・セクトニア本体との戦闘。
マルクやドロッチェ、マホロアのごとくワープを繰り返しながら、二刀流のレイピアによる斬撃や杖からの電撃、親衛隊『バグズ』の召喚の他大小2種類の金色の円盤を飛ばす攻撃を行う。
大きい方の円盤攻撃『ブライトネスリング』は自ら円盤をまとってカービィを追跡するパターンと、リングに巨大な刃を纏わせて発射してくるパターンとがあり、特に発射する方は広範囲攻撃な上追尾するように撃ってくるため躱すのが大変。
一定の体力を削ると巨大な宝石『クィンズ・ジュエル』を画面奥に召喚し、カービィをそのフィールドへ吹き飛して戦闘を続行する。
この間は画面端が穴となっているため落下死はもちろんコピーロストといった危険もついてくるので注意。
その後、また体力を削ると、クィンズ・ジュエルを叩き割り再びカービィを城の中へ吹き飛ばす。
なお、この宝石破壊時の正面に突っ立っていると杖で殴られダメージを受ける上確実にコピーロストしてしまう。
最終段階になると、バグズ召喚後そのまま別の攻撃につなげてくるのだが、先述のブライトネスリング等に躊躇なく彼らを巻き込むあたり、彼女の性格がよく出ている。
なお、親衛隊『バグズ』は『アントラー』という名前の敵で、その名の通りアリをモチーフとしている。
それぞれファイア・アイス・スパークといった攻撃を種類(体色によって判別可能)に応じて行ってくる他、飲み込むことでコピーも可能。
クィン・セクトニアDX
デデデ大王で進む『デデデでGo!』及び『真格闘王への道』でラスボス群の前座として登場する。
色が紫っぽくなり、全体的に速度と攻撃力が増す。また、バグズ召喚に別の攻撃をかぶせてくることが多くなる。
星をつかむもの
セクトニアのいちぞくはあらゆる生き物に
きせいし、のりうつり、しはいして来た。
かいほうされた 天空の民と大王と
きょうりょくし 女王のカラダにおおわれた
フロラルドを、この星を・・・すくうんだ!
(セクトニア ヴァイン戦のポーズ時の紹介文より)
カービィの活躍によって討たれたセクトニア。しかし、彼女は諦めてはいなかった。
カービィをフロラルド最上層に導くほど成長し、開花目前となった『ワールドツリー』
『あやつりの秘術』によってこの大樹に寄生し一つになることで、ポップスター全てを飲み込み、未来永劫支配しようとする。
しかし、その膨大な力に取り込まれたセクトニアは体も自我も崩壊し、ただ美と支配のためだけに暴走する怪物と成り果てる…。
『下界の勇者』カービィは、天空の民やデデデ達と協力し、これを討ち破ることになる。
『妖艶の悪女』に永久なる眠りをもたらし、ポップスターを救うのだ。
セクトニア ヴァイン戦
プププランド全体を覆い尽くす植物との戦い。
デデデとの共闘であり、植物の花が開いた時に大砲でカービィを打ち込む、という方式のバトル。
シリーズ恒例の『ラスボス前のシューティング戦闘』であるが、本作では傾きセンサーも用いた3DSならではの戦いを行うことができる。
(スライドパッドでも照準操作ができる)
すべての花を撃墜することでツタに隙間ができるので、そこにカービィを打ち込むことでセクトニアとの決戦の場へと移動する。
最終形態
美しくもまがまがしきすがたのセクトニア
ワールドツリーにその身を やどし、
フロラルドせいふくのみならずぼう走し
ポップスターぜんどをもとりこんでいく・・・
ようえんの悪女に、とわなる・・・ねむりを!
(最終決戦のポーズ時の紹介文より)
ワールドツリーに寄生したクィン・セクトニアとの直接対決。
クィン・セクトニアが操る攻撃ユニット『セクトニアフラワード』の攻撃をかわしつつ、こちらの攻撃をユニットに当てていく。
このセクトニアフラワードだが、一つ目に四枚の花弁が付いた奇怪な姿をしている。
ドロシアソウルの『パラマター』の花版といった所か。
また頻繁に蔓で接続したり離れたりしている。蔓で接続しているのは攻撃直前であったり、大技発動時には接続したままになったりしているので、エネルギーケーブルの様な物かもしれない。
体力を一定以下にするごとに、セクトニアがカービィを引き寄せフィールドが更新されていくのだが、その度に足場がどんどん狭くなる。そして最後は両端と中央が奈落に、しかも攻撃ユニットが四つに増えるというなかなかハードな状況に。
セクトニアフラワードは単体あるいは複数の連携で多彩な攻撃をしてくる。
特に四つになってから発動する電撃線『フローラルレイ:カルテット』は脅威で、追尾性・奇襲性が高い上に電撃攻撃なのでカービィがビリビリ状態になってしまいほぼ確実にコピーロストしてしまう。
狭い足場と攻撃ユニットの猛攻に苦労しつつもようやくHPを0するとセクトニアはゆっくりと倒れる。これで倒したと思ったその時…
決戦
セクトニアを撃破し喜ぶカービィ。しかし戦いはまだ終わっていなかった。起き上がったクィン・セクトニアはカービィを触手で捕らえ、容赦なく締め上げる。
しかしそこにデデデとタランザが救援に駆けつける。
デデデによって救出され、タランザがもたらした『きせきの実』によってカービィはビッグバンの力を解放。
夜明けを背景に、すべてを飲み込まんとする悪しき女王との最終決戦が、今、始まる。
未だ力尽きぬクィン・セクトニアとの本当の決戦。
大小の『フローラルミサイル』を撃墜しつつ、直接喰らい付きに来たセクトニアフラワードを吸い込み、クィン・セクトニアが展開するバリアを破壊していく。
鮮やかな夜明けと勇ましくも切ないBGMを背景に行う、負ける気がしないこの戦いは必見。
全てのユニットを撃破されたクイン・セクトニアは、最後のあがきとばかりに断末の砲火『ファイナルデスブルーム』を放つ。しかし、すべてを飲み込もうとした女王の力もすべてを吸い込む勇者には及ばず、逆に『ファイナルデスブルーム』を吸い込まれて返されてしまう。こうして欲望のままに生きた女王は、自らの力によって消え去ったのだった。
そしてポップスター全土を覆う植物は打ち払われ、ワールドツリーが開花。物語は終幕となる。
戦闘BGM
Dirty&Beauty
クィン・セクトニア及びクィン・セクトニアDXとの戦闘BGM。
前作のマホロア同様一部に過去の曲のメロディが用いられている。分かりやすいところで「0²戦」やマホロア第一形態の『支配してアゲルヨォ』など。
序盤の優雅でゆったりとした雰囲気から一転、メタル風の激しいものに変わる特徴的な曲調で、1ループが約三分半とかなり長い。しかし、2ループ目以降はメタル部分のみになる。
曲名のフレーズが「Dirty(不潔)」&「Beauty(美)」と相反しているが、セクトニアの美しい容姿と醜い心を表していると思われる。
前半パートでセクトニアの美しい容姿、あるいはかつての彼女を、後半パートで現在の醜く苛烈な彼女の心を表現しているのかもしれない。
なお、サントラに収録されたバージョンでは後半にセクトニアの笑い声が響き、曲の終わりに彼女の断末魔が収録されているという演出がある。
狂花水月
ワールドツリーに寄生したクィン・セクトニアとの戦闘BGM。
カービィシリーズには珍しく、全体的に神秘的な雰囲気の曲である。
初見では分かりにくいが、実は今作の各エリアボスBGMにメインテーマを加えたセルフアレンジである。
『水』色の『月』を背景に『花』に寄生した『狂』えるセクトニアと戦う、その状況と完全にマッチした曲名と雰囲気の曲。
ディレクターの熊崎氏によると、この曲は『妖艶な女性らしさ』をテーマに、威厳や怖さよりも美しさを意識して作られているという。
曲名の由来は『鏡花水月』。儚い幻、あるいは永遠に手に入ることのない虚像。
セクトニアが『狂』うきっかけになったのは一枚の『鏡』を手にした時であった。美に執着し、かつての友を切り捨て、あげくその身さえも捨てる程に狂気にとらわれたセクトニア。
彼女に何があったのか、そして彼女が求めたものとは何だったのか…。
真相を知る者はもはやどこにもおらず、ただ彼女の残滓、ワールドツリーが咲き乱れるのみである。
『海外版・Miiverse』で明かされた英語版の曲名は『Moonstruck Blossom』
『Moonstruck』は『気の触れた』、『Blossom』は『花』という意味であり、直訳すると『狂った花』
また、元々『Moonstruck』という単語自体、欧州で月光には人を狂わせる力がある、と信じられていた事を語源としており、詩的に訳すならば、『月によって狂えし花』といったニュアンスだろうか。
更に辞書によっては『(恋愛で)夢見心地の』『感傷で心が乱れた』という意味があると記載されているものもあり、何かと意味深である。
2014年の『第8回 みんなで決めるゲーム音楽』では初登場でありながら1位の座に着いた。
星のカービィ25周年記念オーケストラコンサートのCDではボーカル付きアレンジがなされた。
タイトルは『Eternal Dream』
戦いの裏側に秘められたセクトニアの本当の想いが歌われている。
この星をかけた魂の戦い
ワールドツリーに寄生したクィン・セクトニアとビッグバンカービィによる決戦BGM。
ビッグバン専用曲『全て吸い込め!ビッグバン』をベースにしたメインテーマのアレンジで、ラストにグリーングリーンズのフレーズが使用されている。
全ての始まりともいえる『グリーングリーンズ』のフレーズを背景に、カービィの元祖得意技である『吸い込み』によってポップスターを救う。
古参のファンであるほど、この演出には思うところがあるに違いない。
詳細な来歴
Miiverseコミュニティの公式投稿により、『トリプルデラックス』の物語の根幹に纏わる裏設定が明かされることになった。
元来『ロイヤルロード』には、美しく温和な花の種族と、賢いが欲深い虫の種族が暮らしていた。
そこである突出した虫の一族が、共存の道を捨て、美と支配をひたすら求めた事がこの物語の発端である。
セクトニアは元々、身近に登場する虫の同属の側近と似た姿だった。
しかし美を求め、本当の姿を捨ててまで王座につこうとする彼女は、操りの術を用い、次々と体を乗り換えた果てに、今のような美しいハチの姿へと変わった。
ある日彼女の元に、側近たるタランザから、あるささげものが献上された。
その名も『ディメンションミラー』。
鏡の国から、美と支配と求める彼女の為にとタランザが持ち帰ったものだった。
しかしその鏡の強大な魔力により、彼女の心は乱され、やがて妖艶の悪女となっていってしまった。
彼女はロイヤルロードにワープホールを作り、それらをフロラルドの他の島への足がかりとして侵攻していった。そうしてとうとう下界へ侵攻しようと、彼女はタランザに、勇者を攫い下界支配の為の駒にするように命じる。
しかし連れてきた勇者は人違い、本物の勇者には瀕死まで追い詰められ、何とか勇者を捕らえ締め上げようとするも、部下に裏切られ、最期は勇者の攻撃に焼き尽くされた。
余談
ダークマインド並みに連戦回数が多く、直前のデデデと合わせて6連戦もの戦いとなる。
シューティングである『セクトニア ヴァイン』及びビッグバン戦以外は単純に敵も強い上に、デデデ以外は即死ギミック(言うまでもなく奈落)があるため、一度も力尽きずにすべて勝利するのは至難の業。
ただし、セクトニア戦開始以降に倒されて(もしくはストーリークリア後に)再挑戦する場合はマスクドデデデ戦から始めるか、セクトニア戦から始めるかの選択が可能となる他、ヴァイン突破後は最終形態から始めることができるので若干安心。ビッグバン戦では体力が全回復してもらえる上にダメージを受ける要素も特にないため、燃える展開とこれまでの冒険に思いをはせつつキッチリ締めよう。
なお、『格闘王への道』ではマスクドデデデ戦との連戦ではなく、またシューティングとビッグバン戦もない。
今作でもWiiの時と同様、ステージ名の頭文字を並べることである単語が生まれる。
- F ine Field(レベル1)
- L ollipop Land(レベル2)
- O ld Odyssey(レベル3)
- W ild World(レベル4)
- E ver Explosion(レベル5)
- R oyal Road(レベル6)
- E ternal (※決戦)
- D reamland(※決戦)
EとDは、最終決戦時に出現するエリア7「エターナルドリームランド」の「エターナル」と「ドリームランド」の頭文字からとっている。
(ゲーム内に登場する英語表記でもEとDの部分がしっかりと大文字になっている)
最後の『ドリームランド』とは英語版『プププランド』であり、全体を直訳すると『永久なるプププランド』となる。この単語はセクトニアによるポップスター掌握のムービーのタイトルにもなっており、当初は決戦BGMの曲名も『FLOWERED』だと思われていた。
前例に則るのであれば、『FLOWERED』という造語は『植物と化したセクトニアに覆われたポップスター』あたりであろうか。あるいは『ワールドツリーと一体となったセクトニア本人』かもしれない。
『他者に寄生し操る一族』ということで、やはりファンの中にはダークマター一族を想起する者もいる模様。
ただし、かのマスタークラウンとは異なりセクトニア自身は暗黒一族に似た技は特に使用してこない。それでも、『セクトニアを象徴するジュエルがダークゼロの戦闘フィールドに似ている』という声や、意外なところで『そういえばファイナルスターの足場が蜂の巣型だった』というものまで、様々な予想(と妄想)が溢れている。
もっとも、各作品のラスボスとダークマター達を一々関連付けようとするのに対し『最近暗黒一族に毒されすぎではないか』という危機感を抱く者がいるのも確かである。
『女王蜂』をモチーフとしたキャラクターであるが、本来のモデルはジガバチなどの『寄生蜂』であると思われる。
『クィン・セクトニア』という個人を語る際に『フロラルドの支配者』としての面よりも『寄生し、操る一族の一員』という面が強調されたりするなど、その片鱗は各所に見て取れる。
異様に括れた腰部を持つことや、配下のタランザが蜘蛛をモデルとしていることから、直接のモデルはクモ類に寄生し繁殖する『ジガバチ』の可能性が高い。
前述の通り声のキャストはカービィと同じ大本氏だが、カービィとセクトニアとであまりに声の雰囲気が違っていたために、スタッフもプロの妙技に驚愕したという。
また、Miiverseコミュニティでの公式投稿により、以下の裏設定も明かされている。
1.サンストーンは、太陽光に弱い何者かが、フロラルドに注ぐ陽光を、宝石に変え隠した物。
この『何者か』とは、明言はされていないが恐らく彼女の事と思われる。
2.さらに、名前の由来として、
・『クィン』はQueen=女王でもあるが、それ以外に複数組み合わせてある
・インセクト=Insectと、ニア=Nearで、虫に近いけど虫ではない不思議な存在
・『ニア』という響きには国家っぽさと、女性らしい印象を持たせている
などの情報があげられている。
ロボボプラネット
トリプルデラックス以降の作品である星のカービィ ロボボプラネットでは、石ころへんしんの種類の一つとして黄金のセクトニア&タランザ像があり、かくしモードでは彼女を模したボスキャラであるクローンセクトニアが登場している。
なお、クローンセクトニアを撃破した時、消滅する直前に一瞬だけタランザそっくりの姿を見せる。
まつ毛があることやツノや髪型の形がわずかに違う以外はほとんどタランザと同じ姿である。
彼女のクローンを生み出したスーパーコンピューター「星の夢」は、プププランドの自称大王から虹の剣を持つ暗黒剣士など、様々な存在の遺伝子データを保有している。
彼女の場合は、トリプルデラックスのエンディグ後にプププランドに根付いたワールドツリーの花びらからデータを採取・分析してみた結果、偶然彼女のクローンが生まれたらしい。
また、そのデータには千年にも及ぶ無数の生物のデータが混ざり合っていたらしく、これは彼女の一族の「他者に寄生する」という性質によるものだと思われる。つまり、ワールドツリーの中には彼女が乗っ取ってきたあらゆる生物のデータ(遺伝子)が保有されているのである。
千年分もの膨大な遺伝子データを解析できる「星の夢」によって生み出されたクローンであるなら、彼女の持つ遺伝子の「最初」の姿を解析・具現化することも可能であるはず。
しかも彼女の一つ前に戦うクローンボスも消滅直前は真の姿を見せている。消滅直前に現れたこの姿こそ、長い時の中で彼女自身さえ思い出せなくなってしまっていた本当の姿、「クィン・セクトニア」ではない、「セクトニア」の姿なのかもしれない。
なお本作で見られるタランザそっくりの姿はスターアライズのストーンのバリエーションや追加イラストとしても採用されている。
タランザと仲良く並ぶ姿に喜ばしくも複雑な思いを抱くプレイヤーもいるとかいないとか。
も~れつプププアワー!にて
月刊コロコロコミック2014年6月号にて、遂に電撃参戦。
一人称が『わらわ』な所はゲームと変わらないが、語尾に『じゃ』をつけたり、どこぞの誰かのような喋り方をする。
ある日突然空から降ってきたかと思えば、プププランドを支配する計画があったことをあっさり言った……後に、その計画を取り止めることを、これまたあっさり告げた。
いわく「悪役なんかやめて、平和に生きましょう」との事。
これを聞いたタランザは、「心を入れかえたのですねぇ!」と涙していた。
しかしカービィを見て「うまそうじゃな……」と涎を垂らしたり、平和への憧れと素晴らしさを告げる言葉に不穏な単語が混じっていたり、その言葉を口にしたすぐ後に「平和ぶっこわしたい」と転げ回って悶えたり(タランザいわく「平和アレルギー」)、和平の証として持ってきた手料理に爆弾を丸ごと仕込んでいたりと、悪役時代の癖が抜けない。
最終的にはポップスター全体にとんでもないことをしでかしてしまうが、本人はきょとんとした様子だった。その後も何回か登場しており、その度に持ち前の怪力とある種の純粋無垢さを武器に色んなものを破壊している。
セリフは女性らしい(というか少女マンガのようなイメージの)くるんとしたフォントを用いられ、さらに語尾にハートマークをつけることも多い。
目も少女マンガのようにきらきらした描かれ方をしている。が、悪役時代の癖が出る際は、瞳孔は鋭くなり、集中線と暗い背景を装備し、フォントもおどろおどろしいものに変わる。
オマケにページの半分、多くて全面を占めるほどのドアップで迫るので、初めて豹変を見たカービィが硬直するほどの迫力。
なおゲーム本編とは違い、従者との関係も良好の模様。
タランザにはいつも笑顔でイノセンスに接しており、タランザも彼女との思い出を日記に綴って大切にしている。
関連イラスト
「本当の姿のセクトニア」想像図
上記の「ロボボプラネット」での経緯より、最近では本来の姿のセクトニアが描かれているイラストが増えてきた。
いつか彼女の過去の詳細が描かれる機会が来ることが望まれる。
関連タグ
タランザ 星のカービィ トリプルデラックス セクトニアソウル
星のカービィ 鏡の大迷宮(『ディメンションミラー』やダークメタナイトなど、重要なアイテム、キャラクターの初出作品。)
ビークイン:他蜂の空似
アレクシア・アシュフォード:蜂と蟻という違いはあれど、似た方向性を持つキャラクター。ただし、あちらが『女王蟻=社会性昆虫の頂点』をモチーフとしているのに対し、こちらは『寄生蜂=他者に寄生し自らが繁栄する簒奪者』を源流としている。