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「よく来たね 私の可愛い剣士たち」

「私は永遠が何か… 知っている」

「永遠というのは人の想いだ 人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ」

概要

鬼殺隊の最高責任者であり、鬼舞辻無惨と敵対する産屋敷の一族の97代目当主。

鬼殺隊の面々からは『お館様』と呼ばれ、異能とも言える程の強力な人心掌握術を駆使して鬼殺隊をまとめ上げ、鬼殺隊の主要戦力であり、我が強く個性の強い性格の”達をも心服させる大人物。

一組織の指導者にふさわしく非常に心の広い人格者であり、その人徳のみで多くの人間を従えている。

隊士達の事は年長隊士も含め、「私の子供達」として我が子同然に思っており、隊士達の事は苗字ではなく名前で呼ぶ。

戦死してしまった隊士の墓参りや、怪我で動けなくなった隊士の見舞いを完全に寝込んでしまうまで毎日欠かさない、自分が士当主に就いてから所属・殉職した隊士の名前・出自を全員記憶して(最終選別において、育手を介していない飛び入り参加の伊之助も認知していることから、恐らく選別に生き残れなかった隊士の卵たちも含んで)いてそれに基づき彼らの人間関係を考慮した言葉をかけてあげるなど、文字通り無惨とは正反対の人物である。

能力

 彼の声は現代で言う所のF分の一(1/F)揺らぎで発声し、聞く者に安らぎを与える。

その声を聴いたものは、心が落ち着くと共に不思議な高揚感を与えられ、心服する。

それは鬼の首領であり、自身を直々に殺そうと考えていた無惨ですら懐かしさや安堵感を覚え気味が悪いと感じる程である。

言い方は悪いが、一種の洗脳といっていいのかもしれない。

無論、産屋敷自身は隊士を自身の操り人形にするつもりは毛頭なく、あくまで自身の事も鬼殺隊を動かす一つの駒、あるいは道具と捉え、むしろ、優れた実力者たる柱に対して敬意を払う事を促す反面、自身については隊士達が親切でやってくれている事だから、無理に自分に対して敬意を払う必要はないとまで述べている。

(もっとも柱達の敬意が絶大なため彼への礼儀を雑にした言動を取った人物は柱達から大いに咎められる破目になっているが)。

ちなみにこれは現実にも実在する物であり、主に人の上に立つ強いカリスマ性を持った者がこの〝声〟を持っている事が多いらしい。

その他には「天才」と呼ばれる人物が持ち得る、漠然としてだが未来予知にも等しい精度の凄まじい勘・先見の明を持っており、これにより一族は財を成し幾度もの危機を回避してきたという。これらの声や先見の明は歴代の産屋敷家当主達が代々持っていた能力なのだが、当代の彼は特にこれらの能力が強いらしい。

人物

病に侵された盟主

産屋敷一族はとある理由により代々病による短命を宿命づけられており、現当主の耀哉もその例外ではない。

容貌は顔の上半分が焼けただれたような痕があり、両目に黒目が描かれてはいない(悲鳴嶼行冥と出会った14歳時は普通の顔だったが、宇随天元が入隊した時期には左目の周りから変色し始めており、不死川実弥の柱就任時(17~9歳)にはかろうじて右側の黒目とその下の皮膚が残っていたのみであった)事や常に童子に手を引かれ、ある検査が目の前で行われたにもかかわらず結果を教えてもらっていた事から、現在では既に盲人になっているようである。

自身は体が弱い為に前線で戦って人を守れない事に人知れず心を痛めており、一度刀を振ってみた事があるそうだが、10回もしないうちに脈が狂って倒れてしまったという。

 更に炭治郎と出会って数ヶ月後にはこの痕が喉や胸部にまで拡大、とうとう寝床から起き上がる事も難しくなり、喋っている最中に何度も吐血する程に悪化、柱合会議にも出席できなくなってしまった

その絶大な人徳

その一方で、上述の通り歴代当主の中でも特に強いカリスマ性と人心掌握に長けた事から、柱達からは絶大な信頼と敬意を払われており、かなり攻撃的で短気な性格の不死川実弥や他人に対して無関心な時透無一郎ですら素直に話を聞く為に平伏し、柱達が冷静さを失っても彼が口に指をあてただけで、全員が沈黙する程である。

前後の事情がありながらも、主人公の竈門炭治郎も一回会っただけで彼に心服しており、その人心掌握術の凄まじさが窺える。

 実弥に至っては病弱の耀哉の為に「最低でも柱二人、お館様の護衛につけるべきだぜェ」と最古参で最も耀哉に近い悲鳴嶼に進言し、悲鳴嶼も同じ考えであるものの

「八年間言い続けているが、聞き入れてはくださらぬ…」

との事。

その理由は「柱という戦力は自分一人の為に使っていいものではない」という考えからであり、これについては彼に限らず歴代の当主も全員がそうだった模様。

カリスマ性のある人物には暴君的タイプの人間が多いのだが、彼にはそういう要素が微塵も無く、常に穏やかな人物である。しかし、ただ周囲の人間に甘いのではなく、それが一般人からすれば「無茶振り」とも取れるような事でも鬼の討伐に必要なことであれば実行に移すことのできる指導者としての胆力もしっかりと持っている。

先見の明

産屋敷家の人間は、代々未来予知と言えるレベルの非常に優れた先見の明を持っており、産屋敷家はその能力を使って代々莫大な財産を築き、家や鬼殺隊の危機を幾度となく回避してきた。当代の当主の耀哉は特にその能力が強く、その力を以て鬼殺隊の指針を決定してきた。

彼自身は常に公平な姿勢である事を心掛けており、常に冷静沈着な態度を崩さずに、柱合会議においては元柱である鱗滝左近次冨岡義勇からの命がけの嘆願、禰豆子が人を襲わなかった事等の様々な事情を鑑みて、鬼である竈門禰豆子を鬼殺隊の一員として容認し、その際に反発する柱達を彼等一人一人の意見にもちゃんと耳を傾けつつ宥めた。

しかし彼自身、心優しく慈悲深い人物であるのは間違いないのだが決してお人好しではない。禰豆子を助けたのも、可哀想な兄妹への憐れみなどからではなく、確固たる戦略的視点による事が台詞から読み取れる。

「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかも知れないが、私は初めて見せた鬼舞辻の尻尾を掴んで離したくない。恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起こっていると思うんだ」

の手前、言葉自体は選んでいるが身も蓋もない言い方をすれば「禰豆子は宿敵・鬼舞辻無惨と戦う為の手駒」という事なのである。禰豆子自体は“鬼”としても極めてレアな存在であり、「敵を知る為の研究材料」としても貴重だと判断したと思われ(実際、禰豆子は現場でのアシストばかりでなく、彼女の血が「鬼を人間に戻す薬」の開発の元になるなど、貢献度は少なくない)、非常にしたたかな策士の一面も持ち合わせている。

そもそもこういった鎹鴉から得た情報や鱗滝左近次からの書簡の内容を、当初は独占して柱達にも知らせず、柱達に炭治郎と禰豆子の存在が知れ渡ってから彼らを納得させる為の口実として提示してくる辺りも、非常に狡猾な交渉術だと言え、流石に千年にも渡って鬼や無惨と戦い、鬼殺隊を支え続けた一族のトップというだけあって、言動は穏やかながらも当主としては決して甘さなどはない。

その一方で、不死川を始めとした柱達が「鬼を滅殺してこその鬼殺隊」という原則論をあくまで貫き、当初は輝哉が来る前に独断で処刑を実行しようとしたのも、単なる「鬼憎さ」や「鬼に対する警戒心」からだけではなく、耀哉の「手段は選ばず、利用できる物は何でも使う」的な、良く言えば機転が利く柔軟性、悪く言えば形振り構わぬ無節操さの危うさを見抜いてたからとも言え、この辺りにも、高い忠誠心を持ちながらも決して柱達は盲目的に従っているだけではない、という事が窺える。

この際の「珠世さんに宜しく」の台詞から、こちらについても天王寺松衛門などを通してかなり詳細に把握していた模様。珠世の事についてはある理由から産屋敷家に残されていた情報を通じて一方的にその存在を把握していたものの、直にコンタクトを取るには至ってなかったが、終盤には鎹鴉を通じて遂に彼女達の居場所を突き留めて、無惨を倒す為に共同戦線を提案する。

彼女との繋がりを有していた事も、炭治郎達を優遇した一因だと思われる。

過去

元々複数の男の兄弟がいたが、皆、呪いの為に亡くなり、唯一生き延びたのが耀哉であった。

また父である先代(恐らく96代目当主)は繊細な人で、多くの隊士達の死に耐え切れず19歳で自殺した為に、当時4歳だった耀哉が当主の座に就いて以来、19年間鬼殺隊のお館様を務めてきた。

無惨との縁

鬼殺隊を従えている事から無惨からは絶えず命を狙われており、上弦の鬼達に指示された最大の目標の一つが産屋敷一族の殲滅である。またそれだけでなく、実は産屋敷一族は無惨と古来より大きな因縁があり、現当主の耀哉は彼を「我が一族唯一の汚点」と称しており、無惨という存在のせいで数多くの産屋敷の人間が短命で死に、そして鬼との戦いで多くの鬼殺隊士達が命を落とした事から、内心では無惨の打倒に凄まじい執念を燃やしており、「当代で無惨との戦いを終わらせる」という強い思いを持っている。

全てに置いて対照的な宿敵同士ではあるが、根本的な思考で似ている一面もある。それが如実に表れたのが蜜璃にかけた、双方の言葉である。

無惨「全ては、お前を受け入れなかった親が悪いのだ。己の強さを誇れ」

耀哉「自分の強さを誇りなさい。君を悪く言う人は皆君の才能を恐れ、羨ましがっているだけなんだよ」

あり過ぎる力にコンプレックスを持ち、己を偽る事に迷った者強い身体を欲して鬼になり、結果両親を殺めてしまった者との違いはあるが、他者に理解されない疎外感に苛まれているという点で両者の境遇は共通しており、そういう配下にかける上司の言葉としては相通ずる物があると言える。

ただ、鬼と鬼殺隊とでは、その目的や存在意義等が全く真逆であり、無惨が累に求めた「両親を殺めた事への罪悪感や、決して忘れてはいけない最後の人間性の放棄」、耀哉が蜜璃に求めた「他人の言葉に惑わされない強さと誇り高き人間性」という全く異なるものであり、それに応えようとした双方の辿った運命は真逆の道を辿っている。

耀哉と無惨の因縁の結末は産屋敷家の項目を参照(ネタバレ注意)。

人気投票結果

第1回人気投票では31位であり、これまで活躍してきた他の人を立てる程度の位置にいたが、柱達や十二鬼月の活躍後の第2回人気投票では50位と奮わなかった。

彼としてはそれでもいいだろうが、彼を崇める柱達は慟哭していそうである。

ちなみに51位の冨岡の鎹烏とは票の差がかなり開いており、一つの分水嶺となっている。

キメツ学園

学園の理事長として登場。

学園以外にも様々な事業を手掛けており、人脈も多い。

顔が爛れているのは、通り魔に劇薬をかけられたからとの事で、顔が似ている鬼舞辻議員に間違われた疑いがある。

「キメツ学園!」では嬉々として鬼舞辻無惨をいじったり、職員室に顔を出したり、家庭科室に顔を出したりと健康には問題のない様子がうかがえる。

関連項目

鬼滅の刃 鬼殺隊 産屋敷家

妻:産屋敷あまね

嫡子:産屋敷輝利哉

実子:産屋敷ひなき産屋敷にちか産屋敷かなた産屋敷くいな

鬼滅の刃の登場キャラクター一覧

カリスマ 理想の上司

洗脳  先見の明 未来予知

関連・類似キャラクター

ユリウス・ノヴァクロノ同じくジャンプ作品の理想の上司。中の人繋がりで、主人公に似たような事を言った。

ベリアルヴァンデモンデジモンアドベンチャー02)…同じく中の人繋がりだが、こちらはあろう事か無惨と似た性格でまさに無惨がやった事と同じような所業を行っているラスボスである。

草摩籍真…中の人繋がり。穏やかな性格で攻撃的な弟子であっても彼に心酔するなど、似た雰囲気を持つ人物。

アルバス・ダンブルドア中年期の中の人繋がりで、主人公側のトップで、優しく慈悲深く、高いカリスマ性を持ちつつも、必要とあらば手段を選ばず自分自身すら駒とする点が共通している。また、彼と敵対するヴォルデモート卿も無惨とよく似ている。

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