G1
サイバトロンのリーダーが代々受け継いできたクリスタル状のパーツ。歴代のリーダー達の魂(スパーク)が宿っており、「英知の結晶」と呼ばれている。
両脇の把手を左右に引き出す事でクリスタル状のパーツが露出し、マトリクスに宿った英知を解き放てるのだが、素質のない者には把手を開く事すらできない。
初代アニメ
受け継ぐ素質のある者がいない時期に、セイバートロン星の長老であるアルファートリンが保管していた。900万年前、彼がオライオン・パックスを初代コンボイへとリペアした際、その胸へと埋め込んだ。
マトリクスの設定は、アニメでは『ザ・ムービー』から登場した後付け設定であるためこの時点では名前を含めて一切登場していない。
ザ・ムービー
ユニクロンは、このマトリクスから発せられる霊的な光「サイバトロンのエッセンス」を唯一の弱点としており、ガルバトロンに破壊を命じた。
戦死したコンボイからウルトラマグナスが受け継ぐも、マトリクスの力を引き出せずガルバトロンに奪われてしまう。これでガルバトロンはユニクロンへ服従の脅迫をかけるが、やはり使用できず逆に怒りを買い、セイバートロン星を襲撃され「ユニクロン戦争(グレートウォー)」が始まってしまう。
セイバートロン星に駆けつけたサイバトロンとの戦いとなり、その最中ガルバトロンと遭遇したホットロディマスは戦闘に入る。
追い詰められるがマトリクスを掴んだ途端に力が発動し、ロディマスコンボイへとパワーアップすると、ガルバトロンを追放してマトリクスの力を解放、ユニクロンは頭部を残し爆散、デストロンはユニクロンにより軍団を消耗したのとリーダーの行方不明で続戦はままならず星を追われた。
こうして地球暦2005年、ロディマスコンボイにより900万年に及ぶセイバートロン戦争の終結を一度は宣言された。
2010
本作にて初めて、ユニクロンは120億年前に「謎の天才生命体プリマクロン」が作成したと語られた。
彼には助手を務めていた猿型ロボットが付いていたが、ユニクロンが反乱した際このロボットは破壊されるもコアパーツが残って飛び去ったとされている。これはマトリクスと全く同じ外観でサイバトロンに継承されたものと同一とは明言されていない。元助手ロボットの魂は宇宙の辺境に行きついておりプリマクロンが新たに作成したトルネドロンがコントロール不能になったとき知性に捉われない野生に従った動物型トランスフォーマーを呼び寄せ事態の収集を依頼した。
マトリクス状のパーツや、ユニクロンと因縁を持ち宇宙の危機に干渉したりとこのロボットはプライマスとの関わりがあるか当人が依代としていたのではと考察する者は多い。
マトリクス自体は、歴代サイバトロン司令官の魂が納められてることもあり、ロディマスや蘇ったコンボイが知恵を借りるのにマトリクスのなかに潜ったこともある。
またマトリクス自体にも意志があるのか、ロディマスが司令官の重圧に耐え兼ねて立ち去ったときには身体から抜け落ちてしまっている。
デッドエンドとワイルドライダー(吹替版では、バトルチャージャーのラナマックとラナバウトとミスがあった)に回収され再びデストロンのもとにわたってしまった。
紆余曲折ありスカージが体内に取り入れた時にはエネルギーに耐えきれず身体が肥大化、爛れた姿となっているがガルバトロン以上の力を発揮していたが迷いをふっ切ったホットロディマスが圧倒し取り戻した。
最終回では、モーガン博士の発見した宇宙ペストが宇宙中に蔓延してしまい、治療する方法がペストの狂気に対抗できるだけの叡智で封じ込めるしかないと聞きマトリクスを開放してペストを浄化したがマトリクスの叡智の光も失われてしまった。
G1の後
G1シリーズのオフィシャルな続編である『ビーストウォーズメタルス』にも登場し、機能停止状態であった初代コンボイのスパークが一体化していると説明された。メガトロンに破壊された初代を修理するにあたり、スパークを保護するためこれを体内に一時収納したメタルスコンボイを「パワードコンボイ」へと変化させている。
国内版アニメシリーズでは、サイバトロンの各司令官が「ウルトラマトリクス」(ジンライ)、「エネルゴンマトリクス」(ライオコンボイ、ビッグコンボイ、ファイヤーコンボイ)などといったパーツを「司令官の証」として所有しているが、これらはG1の時期には存在しなかった(少なくとも設定されていなかった)ものである。
実写映画版
実写版第2作『トランスフォーマー/リベンジ』にて初登場。
オールスパークから派生したリーダーの証であり、「リーダーのマトリクス」と呼ばれている。その正体は、恒星を破壊してエネルゴンを得る兵器「スターハーベスター」を作動させるための鍵だった。
プライムの一人、ザ・フォールンに悪用されないようにする為、先代のプライム達が命と引き換えに封印。「勇気ある者」だけが手にする事ができると言われている。
サムはオプティマスプライムを生き返らせるのに使えるのではと考えこれを見つけだす。最初は砂状に分解してしまったがこれはマトリクスに魂が宿っていた初代プライム達が見つけた者を見極めるために行った処置であり、命がけでオプティマスプライムを救おうと彼の元へ向かったサムを認めて再生(プライム達曰く「マトリクスは見つけるものではなく勝ち取って手にするもの」)。オプティマスを蘇らせることに成功した。
『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』では、月面に不時着した宇宙船・アークに眠るセンチネルプライムを蘇生する為にオプティマスが使用した。
プライム
『プライム』ではオライオンパックスが戦争で汚染されたサイバトロン星の最深部に入った時、プライマスに託された。これによりオライオンは最後のプライム、オプティマスプライムとして生きていくようになる。
それ以後の記憶はマトリクスの英知に刻まれていたのか、ガイアユニクロン封印の際に記憶を無くしてしまい、オライオンに戻ってしまった。
また、アイアコンの遺産「マトリクスセイバー」を初めとしたプライムの道具は、マトリクスの力に反応して本当の力を発揮すると劇中で述べられている。
余談
- デストロンにはマトリクスに相当するアイテムは存在しないものの、玩具展開のみのシリーズでは、マトリクスとは相反する存在となるデッドマトリクスが登場。
- G1では『ザ・ムービー』から登場した後付け設定についてだが、初代アニメと並行して展開されていたアメコミ版では、トランスフォーマーに魂を与える事ができる「クリエーション・マトリクス」という物が登場しており、これがアニメ版マトリクスのアイディアの元になっている。
- ホットロディマスがロディマスコンボイとなった際に老け顔になってしまった事や、コンボイがよく高所から落ちる事から、ファンの間では「老け顔と落下のスキルを受け継ぐ」というネタがあったりなかったり…
- ポプテピピックシーズン5の13-9でまさかの登場。ポプ子が挑戦した箱の中身はなーんだろなで箱の中に入っていた。ポプ子が触れると光を放ち、スタン・ブッシュ氏の『THE TOUCH』も流れた。ちなみにコンボイ役の玄田哲章氏はアニメ版ポプテピピック第4話Bパート及び2話Bパートリミックス版で、ロディマス役の石丸博也氏は第2シリーズ4話Bパート及びポプテピピック++でポプ子を演じている。