「誰がママだ」
「呪文を詠唱すること。それはすなわち、共に戦い、守ってくれる仲間を信じることだ。」
「導きはない。だが光ならいくらでも照らしてやろう。」
概要
CV:種田梨沙→川澄綾子(『ソード・オラトリア』以降担当。2期では台詞自体がなかったが、3期では川澄が担当している)
【ロキ・ファミリア】の副団長であり、フィン・ディムナとガレス・ランドロックに並ぶファミリア最古参メンバーの一人であるLv.6の第一級冒険者(後にLv.7に昇格する)。
二つ名は【九魔姫(ナイン・ヘル)】。
ハイエルフと呼ばれるエルフの王族の出であり、自他共に認めるオラリオ最強の魔導士。出身地は「アルヴの王森」と言われる森。
年齢は99歳と作中の冒険者で一番の年長者(特典小説『ハイエルフの旅立ち』で本編の28年前に従者であるアイナと共に里を飛び出し、【ロキ・ファミリア】に入団した事。それまでは、故郷の森に71年間過ごしていた事が判明した為)。
神聖文字の読み書きも出来て、ベル・クラネルのステイタスを読み取り、彼のアビリティが限界突破していることを知っている数少ない人物でもある。
趣味は狩り。エルフの里にいた頃はユニコーンを飼っており、世話をしていた。SO1巻の特典ss、ダンメモの『妖精輪舞曲』では、ユニコーンが彼女に懐いている姿が書かれている。ユニコーンと会話もできるらしい。
人物像
その風貌や種族に似つかわしく知的で、常に冷静に物事を見据えている人物。
王族という事もあり、オラリオに住むエルフ達からは尊敬と敬意を持って接せられている。それは敵対関係にある【フレイヤ・ファミリア】のヘディン・セルランドとヘグニ・ラグナールも例外ではない。そのため、リヴェリアに手をあげることはすなわちオラリオ中のエルフ全てを敵に回すに等しい。
実際、かつてあるトラブルから【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の抗争同然の事件が起きた時には、リヴェリアを狙ったガリバー兄弟があらゆるファミリアのエルフの怒りを買って返り討ちにされそうになったという(episodeフレイヤ参照)。
フレイヤがオラリオ中に『魅了』を施した時はレフィーヤ率いる一部の団員達と深層に潜っていたため『魅了』を免れていたが、フィンは王族(ハイエルフ)が操られていたと知れたら都市どころか世界中のエルフが黙っていないと言及していた。
そして、ギルド長ロイマン・マルディールがフィンに【ロキ・ファミリア】が『派閥大戦』に参戦しない代償に『千蒼(タリア)の氷園』の情報を提供するという取引を持ち掛けられ、少なくともリヴェリアはこの情報を絶対に無視できないとフィンが判断し、結果的に『派閥大戦』に【ロキ・ファミリア】が参戦しないことが決定すると、それに不満を抱くティオナ・ヒリュテとティオネ・ヒリュテがガレスに抗議しているところに駆け付けて、今回の決定に不満があるなら私が全て聞くと発言していることから、『千蒼の氷園』と呼ばれる領域にかなり執着していることを窺わせているが、その理由は明かされていない。
『メモリア・フレーゼ』でも、イベント「創造神らの戯画騒動(クリエイターズ・ギガクライシス)」でロキが漫画であられもない姿のリヴェリアを描いたことで、レフィーヤとアリシアを筆頭とするオラリオ中のエルフ達が怒り心頭となって大規模なデモが発生している。
不正や卑劣な行い、自分達の事を棚に上げて他者の尊厳を踏み躙る行いは、エルフとしての矜持を抜きにして心底から嫌っている。
特に物語序盤において、酔った勢いとは言え自分達の迷宮(ダンジョン)での失態を完全に棚上げする形で、ミノタウロスに怯えていた駆け出しの冒険者であるベル・クラネルを笑い者にしているベート・ローガの言動は心底不快に思い、彼だけでなく共感して大笑いしていた【ロキ・ファミリア】のメンバー達全員に対し、原因が自分達の失態にあり、巻き込んだベルに謝罪はしても酒の肴にする権利は無いと強く諌め、自省を促している。
フィンとガレスの二人とは今でこそ気を許してる仲間だが、ファミリア結成当初は種族の違いもあって険悪な関係だった。
ギルドの受付嬢を務めるハーフエルフのエイナ・チュールの母アイナは従者であり、親友という関係で、共に里を飛び出した過去を持つ。ガレス曰くリヴェリアが感情的になる、数少ない相手だという。アイナが人間の男性と交際関係にあると知った際はその男性をボコボコにしたとか。現在はあまり頻繁に会ってないようだが、それでも彼女の滋養の為に珍しい薬を取ってくるなど仲はいい。彼女が健康のため別れるまでは寝起きが悪い彼女の面倒を見ていた。
その為、エイナともある程度面識を持っており、ハーフエルフがエルフ達から蔑視される事が多いにもかかわらず、レフィーヤと同様に彼女の事も対等に扱っており、慕われている。
身だしなみに疎いアイズの世話を焼いている内に、他団員の身だしなみを整えるのがうまくなったという。そのためロキからは「ママ」と呼ばれているが、本人は適当にあしらっている。
しかしアイズに対しては、彼女の秘密を知っている事や幼い頃から面倒を見てきた事もあり、彼女への想いは母親そのもので、アイズもかつては心を開かず反抗的な態度をとっていたが、現在は彼女に悩みを打ち明け相談をするなど、心から信頼を寄せている。
ただ、アイズに対する親心には父親属性も兼ね備えており、彼女がもし伴侶を持つとするなら最低限の品性と高い人格、更にアイズと同格の実力を持った人物が好ましいなど滔々と語りだし、ロキやガレスに呆れられていた(外伝9巻とらのあな特典SSより)。
ドラマCDでは、悪ノリするロキの代わり団員の悩みを聞くシスターを務めている。…のだが正体がバレない為に声色を変えてプリティ・シスター・アールヴちゃんなどと名乗り、悩みの解決策も知識の種族、それもハイエルフとは到底思えない物でもはや別人の域まで達している。そもそもアールヴちゃんでバレるとは思わなかったのか…?
なお、CD本編ではある事情からアミッドに代役を任せたのだが、そのアミッドはフィンにあっさり代役だと見破られた挙句、同席していたガレスとベートに上記の所業を笑い話のタネにされてしまった。しかも田村少年の女声によるモノマネのオマケ付きで。これがリヴェリアの怒りを買ってしまったのは言うまでもなく、結局3人は彼女に御用となってしまった。
ちなみに、港街・メレンに調査に行き、ロキの陰謀で女性団員達が水着を着せられた際、唯一水着を着ていない。というのも、ロキから自分に渡された水着はかなりきわどい物(漫画版では細いV字状の水着)だったため、それを手に持ったまま絶句して固まっていた。
また、外伝二巻に「薄い胸回り」と表記されていたが、どうやらそれは着やせしているだけのようで、実際の大きさは「大きい」の部類に相当するらしい(ダンメモのイベント【グランドデイ・イヴ】の衣装ストーリーにて、レフィーヤが着やせの事実に驚いている事と、同じくダンメモのイベント「シークレット・ギャンブリング」のストーリー内で、クロエが「自分以上胸が大きい」と発言しているシーンにより、事実が発覚した)。
エルフとしての価値観
エルフの王族であるハイエルフのリヴェリアであるが、頑迷で視野が狭く他者を見下す傾向のあるエルフ達の事はあまり好ましく思っておらず、大聖樹の里では辟易した様子も見せている。彼女が里を出た理由も、エルフの価値観に耐えられなかったことと、未知の世界を自分の目でみたいということである。
その後、ロキによって半ば無理矢理ファミリアに加えられてしまったらしいが、ゆくゆくはオラリオを出て世界を旅すると語っており、自身の後釜としてレフィーヤを育ている。
とはいえ、年の功かリュー・リオンと比べると、ある程度割り切ってる節もある。彼女自身「エルフの高慢さ」を嫌っているものの、団員達などエルフの存在を忌避している訳では無い。
愛弟子であるレフィーヤやアリシア等の面倒をよく見ており、それらも「ママ」と呼ばれる所以だろう。
聡明な頭脳
感情的にならず冷静な判断を下すことができ、【異端児(ゼノス)】を巡る一件では、その冷静さと良識の深さが垣間見れる。
フィンから『武装したモンスター』が理知的生命体である可能性を聞かさせると「モンスターとの『取り引き』も可能なのでは?」という、怪物への敵意が根強い人類側としてはかなり懐柔的な意見を述べており、ガレスが冗談で言った「取り引きをする振りをして利用する」という言葉に対し、「たとえ怪物でも騙し討ちをするような真似は許さない」とハッキリ答えている。
闇派閥(イヴィルス)の拠点であるクノッソスにて実際に異端児と対峙した際には、妖精部隊のエルフ達がその存在を認知する事で戦いに迷いが生じてしまう危険性を理解していながらも、フェルズやリドの話を聞き入れ、彼らの望みを理解しなければ『答え』を出せないとして、問答無用な攻撃を行おうとはしなかった。
しかし、彼らの話を聞いた後のリヴェリアは、魔物と決して手を取り合えない『現実』について理路整然と語った上で、フェルズの語った『理想』を「英雄に憧れる子供の夢物語よりも聞くに値しない絵空事」と辛辣に唾棄し、アリシア達の迷いを断ち切ろうとする。フィンの意向を汲んだ面も多くあり、エルフ達やフェルズはそのリヴェリアの姿にフィンを重ねた。しかしその結果、タナトスに付け入れる隙を与えてしまう事態となり、特攻覚悟で挑んできた闇派閥の襲撃を加えた最悪な三つ巴の戦いを展開させてしまう。この混乱した状況はレヴィスが仕掛けてくる隙を与えてしまうのだが、レヴィスによる呪道具による攻撃からアリシアを庇ったレイの命懸けの行動をエルフ達と共に目の当たりにし、リヴェリア含めエルフ達は【異端児(ゼノス)】を受け入れない自分達について悩むことになる。
冒険者としての能力
冒険者としての役割は『後衛魔導士』。『大木の心』と呼んでいる精神調律によって、いかなる状況においても決して冷静さを乱さず、的確な判断を行うことが出来る。
もはやスキルの1種と言えるだろう。時に仲間の支援を、時に自ら活路を切り開いて敵を殲滅するなど、都市最強の魔導士という肩書きに相応しい実力者である。
本来ならば魔法のスロットは3つしかないため、最高でも3種類の魔法しか発現出来ないのだが、彼女の魔法は攻撃・防御・回復の3種類の魔法に加え、それぞれ3段階の階位を含めた魔法を詠唱連結することによって規模や効果を変える事が出来、これにより合計9種類の魔法を扱えるという特徴を持っており、その事から【九魔姫(ナイン・ヘル)】という二つ名で呼ばれている。
長く共に戦ってきたフィンとガレスとは、息の合った神懸かりなコンビネーションをレヴィス戦で披露しており、魔導士であるにもかかわらず前線に出て、3人で素晴らしい接近戦の活躍をみせた。
あまり使わないが、弓を扱うこともある。
ステイタス
Lv.7(ステイタスはLv.6の最終更新時のもの)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
G243 | G277 | C651 | C609 | S989 |
魔導 | 治療 | 耐異常 | 精癒 | 魔防 |
E | G | G | H | H |
スキル
- 妖精王唱(フェアリー・アンセム)
魔法効果を増幅するスキル。魔法の射程距離も拡大し、詠唱量が増えれば増えるほど強化補正も増大していく。
- 妖精王印(アールヴ・レギナ)
長い歴史の中でも、リヴェリアのみが発現している全体系スキル。効果はリヴェリア自身の魔力強化。更に自分の魔法円(マジックサークル)の中にいるエルフを強化するレアスキル。自分の魔法円内にいるエルフの魔法効果の増大、また周囲に拡散する魔素を回収して精神力を回復させる効果を持つ。
このスキルによって、リヴェリアを中心としたエルフ専用の部隊である妖精部隊が作られる。
発展アビリティ
- 魔導
威力強化、効果範囲拡大、精神力効率化。魔法を使用する上で様々な補助をもたらす魔法円を作り出すことができる。
- 治療
作中で具体的な効果は説明されていないため不明。恐らく回復魔法に何かしらの補正がかかるものと思われる。
- 耐異常
状態異常の症状を防ぐことの出来るアビリティ。
- 魔防
作中で詳しい効果は説明されていない。魔法攻撃に対する耐性が強化されるアビリティと思われる。
- 精癒
少量だが精神力(マインド)の自動回復が出来る。魔導士にとって貴重なレアアビリティ。【ロキ・ファミリア】では、彼女以外にアイズが習得している。
魔法
- ウィン・フィンブルヴェトル
【終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に風(うず)を巻け。閉ざされる光、凍てつく大地。吹雪け三度の厳冬--我が名はアールヴ】
第一階位攻撃魔法。極寒の三条の吹雪を引き起こし、敵を凍りつかせる。
- レア・ラーヴァテイン
【間もなく、焔(ひ)は放たれる。忍び寄る戦火、免(まぬが)れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む。至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火。汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる戦乱に幕引きを。焼きつくせ、スルトの剣--我が名はアールヴ】
第二階位攻撃魔法。魔法円から無数の巨大な炎の柱を突き出す広範囲殲滅魔法。
展開する魔法円にはレーダーのような機能が備わっており、人やモンスターとの識別も可能。当然詠唱をするだけで魔力を消費するものの、リヴェリアの豊富な『魔力』もあり、魔法の中断をながら探知を繰り返す行為を作中でよく行っている。ただし対象は『横』の範囲のみなので、迷宮やクノッソスのような『縦』の領域が存在する場所では、特定階層に自ら足を踏み入れる必要がある。
- ヴァース・ヴィンドヘイム
第三階位攻撃魔法。
- リヴ・イルシオ
第一階位防護魔法。
- ヴェール・ブレス
【木霊(こだま)せよー心願(こえ)を届けよ。森の衣よ。集え、大地の息吹--我が名はアールヴ】
第二階位防護魔法。物理属性と魔力属性に対する抵抗力を上昇させる補助防護魔法。効果は一定時間持続し、僅かだが回復効果もある。
- ヴィア・シルヘイム
【舞い踊れ大気の精よ、光の主よ。森の守り手と契りを結び、大地の歌を持って我等を包め。我等を囲え大いなる森光(しんこう)の障壁となって我等を守れ--我が名はアールヴ】
第三階位防護魔法。翡翠色の魔法円を、物理と魔法の攻撃を全て遮断するドーム状の結界に変える結界魔法。
- フィル・エルディス
第一階位回復魔法。
- ルナ・アルディス
第二階位回復魔法。
- ヴァン・アルヘイム
第三階位回復魔法。
装備
- マグナ・アルヴス
魔導士専用武器。
ロキが法外の値段で魔法大国アルテナに作成を依頼した、迷宮都市も含めて下界の中で『至高の五杖』に数えられる最上級魔杖。
最高位の魔宝石が埋め込まれており、威力を限界まで高められる。『精製金属』と『聖皇鉱石』が複合した杖は強固であり、長柄武器として重宝する。
値切り済みで3億4千万ヴァリス。この値段は現在作中においてオッタルの《覇黒の剣》に次いで2番目に高い値段になるが、魔宝石の額も加えると更に跳ね上がる。石の交換は『魔女の隠れ家』の主レノアが行なっているが、遠征の度に石を壊してくるので悪態をつかれることもしばしば。
- 妖精王の聖衣
王族の里にそびえる聖王樹の繊維が編み込まれている。高い魔力耐性を持つ。もとの材料は、里を飛び出したリヴェリアが身に付けていた王家の王衣。従者であるアイナに押し付けていたものが、巡り巡って第一等級防具となった。
余談
リヴェリアのキャストが種田女史から川澄女史に変わったのは、種田が『ソード・オラトリア』のアニメ化の約半年前に病気療養で活動休止を余儀なくされたため。両者は同じ事務所の先輩後輩にあたり、声質も似通っているため、順当な変更と言える。むしろリヴェリアの声に厚みが増したとして、この変更はよかったと思うファンは多い。ソード・オラトリアの放送終了後間もない時期に種田は復帰を果たしたが、その後もリヴェリアは川澄の持ち役として定着した。
時は流れて2021年、ダンまちのアプリ『メモリア・フレーゼ』は電撃文庫の作品ストライク・ザ・ブラッドとコラボを果たし、種田女史はメインヒロイン姫柊雪菜として約6年ぶりにダンまちの現場に帰ってきた。このコラボにはリヴェリアが出ないが、肝心のコラボストーリーが中の人ネタ満載なので、仮に雪菜とリヴェリアが出会えばどんなことになるか気になるところである…
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか エルフ ロキ・ファミリア
フィン・ディムナ ガレス・ランドロック:ファミリア最古参メンバーであり戦友達。
ロキ:ファミリア主神。彼女の言動やセクハラ行為によく呆れながらも、信頼を寄せている。
アイズ・ヴァレンシュタイン:ファミリアの幹部で、幼い頃から面倒を見てきた娘のような存在。アイズも彼女に対しては、かなり素直な態度になる。
レフィーヤ・ウィリディス:後釜として育てている弟子。潜在能力は自分を超えるとして期待している。
エイナ・チュール:母親が自身の従者であったため、幼い頃から面識を持つ。
アイナ・リンドール:エイナの母でリヴェリアの従者で親友。結成からしばらくの【ロキ・ファミリア】に着いていった。
他作品の類似キャラ
セリスティア・ラルグリス・・・初代中の人繋がりかつレーベル繋がり。こちらも作中で最強と謳われるだけでなく、フィンと声が同じキャラクターとも縁が深い。なお、彼女は貴族出身である。
ハインリーケ・・・二代目中の人繋がり。こちらも名家出身で魔法に長け、親衛隊が結成されるほどのカリスマ性をもつ。ただ彼女の場合、やや世間知らずで激しやすい節があるため、その点ではこの人に近い。