概要
仮面ライダーレンゲルが使用する専用武器で、正式名称は「醒杖レンゲルラウザー」。その二つ名の通り、錫杖型のカードリーダーであり、変身と同時に使用者の手元に現れる。
設計はレンゲルも含めて烏丸啓の手によるものだが、実際の開発は彼が所長を務めていたBOARDではなく、伊坂ことピーコックアンデッドの主導により行われている。
その都合上、本来の設計思想からかけ離れた形で開発されたと見られるレンゲルラウザーは、同じBOARD設計のブレイラウザーやギャレンラウザーにはない複数の形態への変形機構を有する一方、これら2つのラウザーにあるカードホルダーや専用のホルスターはオミットされているなど、様々な面で差異が見受けられる。
機能・概観
ベース色は持ち主と同様に緑で、先端部に円形の刃「クローバー・エッジ」を3枚、後端部にカードリーダーの「スラッシュ・リーダー」と、4桁のセグメント式カウンター「フォース・リマインダー・サイト」をそれぞれ備えている。
通常は柄の部分を縮め、クローバー・エッジを重ねるように変形させた、「ダガーモード」として携行される。そして戦闘の際には逆に柄を伸長させ、刃をクローバーの葉のような形に展開することで、「ザッパーモード」として運用される・・・というのが設定上での位置付けであるが、作中ではダガーモードでの使用はわずかに2回程度に留まり、ザッパーモードとして振るわれるのが殆どであった。
天・地・人の3枚の刃からなるクローバー・エッジは、秒間200万回もの超振動で槍よろしく敵を切り裂き、本体そのもののリーチの長さと相俟って高い威力を発揮する。また他のラウザーと同様に、ラウズカードのスキャンによって封印したアンデッドの特殊能力を発動することも勿論可能で、ラウズに必要なAPの初期値は6,000(※)と、カリスラウザーの7,000に次いで高めに設定されている。
一方で、前述の通りラウザー本体にはカードホルダーが備わっていないため、ラウズの際には右腰に装着された「ラウズ・バンク」からカードを抜き出し、スラッシュ・リーダーに通す必要がある。このラウザーとカードホルダーが独立しているスタイルは仮面ライダーカリス、さらに言えばジョーカーアンデッドとも共通するものであり、ジョーカーの能力を解析して開発されたBOARD製ライダーシステムよりも、さらに元のシステムに近付いたとも言える。
(※ Webサイト「仮面ライダー図鑑」では、初期APが7,900と表記されている箇所がある。この場合はカリスを抑えて基本形態中最高になり、ギャレン ジャックフォームが使う強化型ギャレンラウザーと同数になる。後述の通り、DX玩具での初期APは設定通り6,000とされていることから、恐らくはその強化型ギャレンラウザーの誤植であろうと見られる)
必殺技
一時期、自身のスート以外のものも含めた大量のカードを所持していたことがあり、それを活かして必殺技を多用する戦い方を主体としていた。
「スクリュー」「ラッシュ」
スクリューラッシュ
♣3:スクリューモールと♣4:ラッシュライノスをリードして発動。
高速回転したレンゲルラウザーを構えて突撃する。
「スクリュー」「ブリザード」
ブリザードゲイル
♣3:スクリューモールと♣6:ブリザードポーラーをリードして発動。
腕から冷気を纏った旋風を放ち、標的を氷漬けにする。
「バイト」「ブリザード」
ブリザードクラッシュ
♣5:バイトコブラと♣6:ブリザードポーラーをリードして発動。
跳躍しながら足先から冷気を噴出して敵を凍結させ、頭部に挟み蹴りを叩き込む。
「ラッシュ」「ブリザード」「ポイズン」
ブリザードベノム
♣4:ラッシュライノスと♣6:ブリザードポーラーと♣8:ポイズンスコーピオンをリードして発動。
冷気を放出して相手を拘束、レンゲルラウザーによる刺突と同時に毒を注入する。
「スピニングダンス」
♥4:フロートドラゴンフライと♥5:ドリルシェルと♥6:トルネードホークをリードして発動。
一度天高く上空に舞い上がった後、頭上からきりもみキックを叩き込む。
本来は仮面ライダーカリスの技。
その他ラウズカードの能力は「仮面ライダーレンゲル」「ラウズカード」の個別記事を参照。
立体物
2004年7月に「DX醒杖レンゲルラウザー」が一般販売。
カードボックスと12枚のラウズカード付属。
クローバースート以外の音声は収録されていない。
備考
- 「レンゲル = leangle」とはオーストラリア、より子細に言えばアボリジニ)の言葉で「棒」を意味する言葉であり、クラブのマークは農民階級を表す「棒」がモチーフであるため、ブレイラウザー同様元ネタに忠実な武器と言える(スペードは騎士階級を表す「剣」がモチーフ)。
- 玩具で再現できない(複数のスートに対応しているのはブレイラウザーと、リデコのグレイブラウザーの二つだけ)ためか、作中でもハートスートのカードをスキャンする場面は省略されており、「スピニングダンス」のコールは変身者の睦月が自ら読み上げる形とされている。
- 作中未登場、かつ存在するかも不明な「仮面ライダーレンゲル ジャックフォーム」だが、S.I.Cでフィギュア化されており、付属するレンゲルラウザーは石突に「ディアマンテエッジ」を取り付けた強化型としてデザインされている。
関連タグ
ランスラウザー:レンゲルラウザーを基に製造された派生モデルのラウザー
- ベノバイザー:『仮面ライダー龍騎』に登場する武器の一つ。作中における4号ライダーが使用する杖型の武器であり、これ以外にも「カードと連動する」「使用者のスーツアクターが同一である」といった、様々な共通項を有する
- ブドウ龍砲 キウイ撃輪:いずれも『仮面ライダー鎧武』に登場する武器達。共に使用者は「緑(および金と紫)の学生ライダー」であり、モチーフの要素を反映した形状であるという点でも共通している
- ジカンデスピア:『仮面ライダージオウ』に登場する武器の一つ。こちらも緑のサブライダーが使用する槍型の武器で、杖にも長柄の鎌にもなるという点でも近似している
4号ライダー武器