堂馬利信
どうまとしのぶ
概要
ヒューマンバグ大学の伊集院シリーズ・佐竹シリーズ・小峠シリーズに登場した政治家。
出自が旧華族というのも相まって極めて傲慢かつ強欲な性格をしている。病的な血統主義でプライドが異様に高く、少しでも汚点になりそうな事を握っている相手は積極的に殺しで処理する度が過ぎた潔癖症、癇癪持ちとも言える悪辣な人物。一応愛国心はあるがそれを利権のために悪用するなどバグ大に登場した政治家の中ではお仲間の大鳥と並んで現在でもトップクラスに位置する悪徳政治家と言える。
それゆえに敵が多い人物だが特に伊集院茂夫・流川隆雄・工藤清志・小峠華太・須永陽咲也からはその所業に対し、怒りの矛先を向けられていた。
自らの家族含めて他者のことを自分の手駒としかみなしていない腐れ外道で、数々の悪事に手を染めている上悪事をしている自覚もしくは罪悪感がない。その上常軌を逸した厚顔無恥であり、ヤクザを異常に毛嫌いする潔癖な性格にもかかわらず自分は同じく裏社会の人間である半グレを使った殺しを日常的に行う(本人の選民思想丸出しの戯言から察するに、ヤクザは反社会存在というゴミでありながら流儀や美学と言った身分不相応な高尚なものを有していて言う事を聞かず、反面半グレは反社会のゴミらしく金さえ払えば嬉々として服従するからだと思われる。どのみち下衆の理論であるが)。
良心や義侠心などとは全く無縁どころか唾棄して生きてきた人間であり(道を外した理由があった)日下孝次郎・城ヶ崎賢志・銀田栄角・黒澤航太郎・大嶽徳史・我妻京也ら戦争シリーズの悪役達以上に完全悪と言える存在である。
シリーズそれぞれの作画が違うため、同一人物ながら動画間で外見の印象が大きく異なっている。
作中での登場
2022年5月1日付けの動画(佐竹博文)
初登場回。全ての発端となった廣島夫妻殺害事件の回。商業施設に来ていた佐竹は出会ったとある極道から赤ん坊を見ていないか聞かれた後すぐ、ゴミ箱に捨てられていた赤ん坊を成り行きで保護する事となる。救急車を呼ぼうと携帯電話をかけた次の瞬間、そこに火炎放射器を武装した放火魔がカチコミを仕掛け、佐竹ごと赤ん坊を焼き殺すために商業施設の各所への延焼もお構いなしに炎をまき散らす。佐竹は放火魔から身を隠すが、赤ん坊が防犯ブザーを鳴らしてしまい放火魔に居場所がバレて逃走、赤ん坊を抱えて必死で逃げ惑う佐竹は先ほど出くわした「例の極道(=工藤)」と再会し、工藤から赤ん坊に起きた事件の経緯を聞かされる。
例の放火魔は堂馬が元天羽組構成員の廣島と駆け落ちした実の娘を「一族の恥」として家族諸共に抹殺しようとして送り込んだ殺し屋であった。
しかし、廣島夫妻は放火魔によって焼殺され、堂馬は実の娘となんの罪もない男もプライドと私利私欲のためだけに手にかけたのであった。しかし、赤子は工藤と佐竹によって守られ、放火魔は工藤によって粛清された。
2022年5月14日付けの動画(伊集院茂夫)
先述の佐竹シリーズの別ルートで堂馬が伊集院に裁かれる原因となった馬場財務次官謀殺事件の回。
もともと自身の利権のために破格の値段で国有地を買い上げたものの、その汚職が露呈しそうになったため、口封じのために部下にあたる財務次官だった馬場博光を(恐らく金で雇った半グレに)暗殺させ、さらに馬場に自身の汚職の濡れ衣まで着せた。
その後、事件の真相を知った馬場夫人が汚職の真実を世間に公表しようとしていることを知り、ヒットマンを向かわせ馬場夫人を暗殺させようとしたが、間一髪紅林二郎に助けられた為未遂に終わった。
その後、「凄い記者」と呼ばれている男性の紹介で馬場の妻から伊集院に彼を殺すよう依頼があり、伊集院は因縁深い堂馬抹殺に動くことになる。
濡れ衣を着せられ殺害された馬場は、日頃から手帳を記載する癖があった事から数々の汚職を記載した手帳を書斎に保管しており、手帳を発見した妻が伊集院に渡し、伍代に託した事により全国の情報屋を通してSNSなどでリークされてスキャンダルに晒される事になる。また伍代は先述の廣島夫妻を殺害した報復として天羽組からも狙われている事を伊集院に明かしている。堂馬邸の混乱に乗じ伊集院が堂馬を捕らえに乗り込んだ際には既に小峠と須永が堂馬の粛清に駆り出されていた(伊集院によって結局その任務を奪われたものの、須永は「堂間に地獄を見せるなら」この混乱に乗じて伊集院と流川は堂馬の身柄を確保すべく邸宅に侵入し、護衛の半グレは伊集院に一瞬でK.Oされ、捕らえられた堂馬はK国で行われているという冷凍拷問を受けることになる。もっとも、いつものように今回も伊集院による改良が加えられており、彼の場合は凍傷にかかった身体にムチで打撃を与えられ、裂傷と其処から滲み出た血が凍り付くという、より苦しいものを受ける羽目になった。
最初こそ伊集院を罵倒した堂馬だったが、最後には「不都合なものがバレたくないから殺した」という馬場の口封じをした時に使った言い訳を伊集院から皮肉を込めて言い返され、さらに35発のむち打ちを食らい、凍傷や低体温症で死亡した。しかもほぼ最後の最後まで今回の拷問は「伊集院による家族皆殺しに対する復讐」と思い込んだままで、伊集院からは「貴様如きに私怨などない」「復讐するつもりならばとっくの昔に殺している」「そんなもん(家族を皆殺しにされた件)、どうでもいいんだよ」と吐き捨てられていた。
2022年5月21日付けの動画(小峠華太)
天羽組視点で描かれており序盤は当時激戦真っ只中だった天京戦争に触れている。こちらでは廣島が工藤に助けを求めてきたこと、組長の天羽桂司がかつて堂馬に土地関連で煮え湯を飲まされていたことが描かれている。なお、この回では佐竹・伊集院回で登場しなかった阿久津敏朗が堂馬抹殺と廣島一家救援の指揮を取り、速水泰輝が工藤と行動を共にしているなど佐竹・伊集院回とは描かれ方が異なる。
2022年12月1日付けの動画(伊集院茂夫)
こちらは堂馬の仲間の大鳥とその息子を処刑した回で伊集院と大鳥の過言の因縁が描かれた回だが、堂馬も政財界の重鎮たちと共に伊集院家抹殺の会議に出席しているシーンでカメオ出演した。
2023年11月13日付けの動画(伊集院茂夫)
伊集院が拷問ソムリエを志した回想回で御前や大鳥と共にカメオ出演した。
関係者
家族
- 堂馬の令嬢(仮称) ×
後述した元天羽組構成員の廣島と恋仲になるも父である堂馬利信に結婚を反対されていたが、妊娠を機に廣島と駆け落ちした。しかし、この行為で堂馬が癇癪を起こし殺し屋に命を狙われてしまう。廣島の助けもあって子どもを隠すことには成功したものの、娘本人は殺し屋から逃げきれずに命を落としてしまう。
- 赤ん坊(仮称)
廣島と堂馬の娘の間に生まれた子どもであり、(一応)堂馬利信の孫。まだ生まれて間もない赤ん坊だが、堂馬利信に命を狙われる。結果的に両親を失ってしまったものの、佐竹が必死で守ってくれたおかげで本人は生き延びることができた。事件後は天羽組に引き取られ、工藤らの手で大切に育てられている模様。
天羽組
- 廣島 ×
かつて天羽組に所属していた男。堂馬の令嬢と恋仲になるもなかなか結婚を承諾してもらえず、ついには堂馬の娘とともに駆け落ちした。しかし、その行為が堂馬の逆鱗に触れたことで派遣された殺し屋から妻と子を守るために時間を稼ぐも、結果的には命を奪われてしまう。
天羽組が誇る武闘派極道。ドスで敵の腹を掻ッ捌く元プロボクサーの生ける伝説。堂馬利信本人と対面したわけではないが、彼が廣島夫婦暗殺のために派遣した殺し屋と対峙し、殺し屋の腹を掻ッ捌いて絶命させた。ちなみに赤ん坊をあやすのが上手だったが死後に息子の亘清がいたことが判明する。
いずれも天羽組の誇る武闘派極道。堂馬を粛清するため堂馬邸に侵入するも、途中で伊集院と出くわし、急遽堂馬が雇った半グレにターゲットを変更した。もちろん半グレたちは全員粛清された。
裏社会関係者
裏社会で恐れられている拷問ソムリエ。堂馬や大鳥らが関与した伊集院一族暗殺事件唯一の生存者であり、個人的に堂馬を恨んでいるものの、自身のポリシーに従ってあえて復讐せず放置していた。しかし、財務次官暗殺事件の関係者からの依頼を受けて堂馬の粛正に乗り出し、彼に冷凍拷問で苦痛を与えながら絶命させた。
堂馬が廣島夫婦とその子どもを暗殺するために送り込んだ刺客。目的だった廣島夫婦の暗殺には成功したが、佐竹と工藤によってその息子(赤ん坊)の暗殺には失敗し、最期は工藤に腹を掻ッ捌かれて絶命した。
- 堂馬に雇われた半グレたち ×(全員)
堂馬利信と手を組んでいた半グレ。堂馬邸に侵入した小峠・須永を殺そうと襲い掛かるも返り討ちに遭い、全員粛清された。堂馬の所業を把握した上で尻尾を振る仁義外れなので当然小峠と須永にはキレられている。
政財界
伊集院一族暗殺事件の黒幕とされる正体不明の人物。瓜生龍臣曰く「政財界の禁忌」とも言える権力者であり、お抱えの暗殺組織であるCODE-ELを使い邪魔者を暗殺させていた。EL戦争後はエルペタスを新たなお抱え組織にしており株式会社モーリーや協力者たちを狙っている。
なお、堂馬は御前が関与していた伊集院一族暗殺に加担したものの、彼の顔は知らない模様。
- 大鳥 ×
堂馬と同じく旧華族系の大物政治家だが思想的にも堂馬と同じでテレビ出演しては愛国心を声高に主張していた。しかし、その正体は何の罪もない人間(大鳥曰く愚民)を誘拐しては殺し合いをさせて楽しんでいた悪徳政治家。更に娘の性格がマトモであった堂馬とは違ってこちらの馬鹿息子は半グレであり、その性根は父親同様に腐敗しているため(被害者の被害状況もあり)堂馬よりもタチが悪い存在と言えるであろう。
政治家になる前は実業家だったが伊集院の父に才覚は及ばず嫉妬心から伊集院一族暗殺事件にも一枚噛んでおり、堂馬からの要請に応じて伊集院家暗殺のための多額の資金提供をしたり、暗殺事件を闇に葬り去るために唯一生存した伊集院茂夫に対して何度も殺し屋を差し向けたりしていた。
- 馬場博光 ×
財務次官だった真面目な政治家だが、堂馬利信の汚職を隠ぺいするために殺害され、挙句には汚職の罪まで擦り付けられてしまう。
- 馬場の妻
馬場博光の妻。堂馬利信の汚職を世間に公表しようと動いていたところヒットマン(首にタトゥーがある者)に殺されかけるが、紅林二郎に助けられる。その後、凄腕の記者経由で伊集院茂夫の存在を知り、彼に夫の復讐を依頼した。
モデル
「不正経理の口封じで無実の人間が死ぬこととなった」「不正経理の内容が土地の価格に関わるもの」「被害者の手記からことの次第が発覚した」「冤罪で遺族にマスゴミがカチコミ同然の不当な追求を得意げに行った」ことから森友学園、そこから被害者のモデルは赤木俊夫氏と考えられる。
余談
後に小峠シリーズの敵キャラクターである浅倉潤の父親が邪悪な主張を他人に押し付ける極悪政治家という堂馬とほぼ同じような外道だと発覚。サツの腐敗が著しいヒューマンバグ世界だが政治家の腐敗も深刻である。
また、CODE-ELのトップだった銀田栄角の兄・銀田栄山が当主を務める銀田家は伊集院一族暗殺事件には関与していないらしい。