概要
女神ヘスティアが運営する探索系ファミリア。ヘスティアの最初の眷属であるベル・クラネルが団長を務めている。
現在の団員は6人で、全員が上級冒険者となっている。
エンブレムは「重なり合った炎と鐘」となっており、「炎」が主神のヘスティアで、「鐘」が団長のベルという意味が込められている。【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯(ウォーゲーム)』に勝利した事で得た『竈火(かまど)の館』が拠点。
本編当初は冒険者になったばかりのベルのみの超零細派閥だったが、ベルの急速な成長と活躍によって名を上げていく。ベル以外の団員は、他派閥から『改宗(コンバーション)』した者達で構成されている。新参ながらもオラリオで注目を集めている派閥である。
【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』に勝利した後は、フレイヤがヘスティアの『従属神』という形で収まった事と、団長のベルがLv.5になった事やLv.6のリューが新たに入団した事もあって、ファミリアのランクが「B」にまで上昇(ギルド内部では「A」でもいいのではないかという声も多数あったとの事)。また、見方を変えれば【フレイヤ・ファミリア】は【ヘスティア・ファミリア】に吸収されたという考えらしく、ギルド上層部ではランク「S」という扱いになっているらしい。もっとも急速にランクが上がった事で、他派閥から妬みを買ったり、多額の借金を抱える貧乏派閥に見合わない法外レベルな税金の支払いをしなければならない等、色々と弊害も生じている。
新参派閥である為、団員のLv.や実力に関してはまだまだ発展途上にあるのだが、どのメンバーも他の冒険者には無い特殊なスキルや魔法を習得しており、今後の活躍次第では十分に「化ける」可能性を秘めている。
ファミリアの特徴
主神と団長が作中屈指の善神・善人であるため、オラリオ住民からの評判が非常に良く、作中では「真っ白も真っ白な派閥」と称されている。
団員全員が家族や境遇に恵まれなかった過去を持っている事もあってか、自分たちに居場所をくれたファミリアを大切にしており、派閥内の上下関係などもなく、文字通り『家族』のような強い絆で結ばれている。
主神のヘスティアは庇護と慈愛の女神で、いつ如何なる時も眷族たちを理解し、味方をする事を選んでいる為、眷属達からの信頼は厚い。但し、基本的にグータラでポンコツの駄女神でもあるので、尊敬はあまりされていない。
団員の多くが前代未聞のスキルや魔法の保持者で、彼らの能力を狙った他派閥とのいざこざに巻き込まれる事と、団長のベルが人助けの為に他派閥に戦いを挑む事が度々ある。その結果、ファミリアが結成されてわずか半年の間に【アポロン・ファミリア】【イシュタル・ファミリア】【イケロス・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】と計4つの上位派閥相手に戦う事となり、これら全てのファミリアをオラリオから消滅させるというとんでもない事態を起こしている。(【フレイヤ・ファミリア】に関しては、主神のフレイヤが姿と名前を変えてオラリオにいる事や、団員も全員オラリオに残っているので、表向き消滅したと言える)
現状の戦力は、オラリオで40人もいない第一級冒険者であるベルとリューに、ヴェルフが作る『クロッゾの魔剣』、リリの指揮能力、命の魔法とスキル、春姫の『階位昇華(レベル・ブースト)』などを加えると、オラリオでも上位の戦力を有しているの間違いなく、世間からは『超少数精鋭派閥』という認識になっている。但し、単純な戦闘能力はベルとリューに比べて他のメンバーはかなり離れているので、ダンジョン探索や他派閥との抗争のさなかに2人とはぐれた場合、ファミリアの危険性が格段に上がるという弱点もある。
メンバー
ファミリアの主神。炉を司る女神で三大処女神の一柱。ベルと相思相愛になることを夢見ている。
Lv.1→Lv.2→Lv.3→Lv.4→Lv.5
ファミリアの団長にしてヘスティアの最初の眷族。物語の開始当初は初心者冒険者であったが、アイズとの出会いで発現したスキルで飛躍的な成長を遂げている。
史上最速のランクアップを果たしたことから『世界最速兎(レコード・ホルダー)』と呼ばれている。
神々から当初与えられた二つ名は【未完の少年(リトル・ルーキー)】であったが、Lv.4になってからは【白兎の脚(ラビット・フット)】の新たな二つ名が与えられている。
Lv.1→Lv.2
元【ソーマ・ファミリア】所属のサポーター。ファミリアの指揮・補給を担当する。
一度はカモにするつもりで近付き裏切り行為を働いた自分を救ってくれたベルに好意を抱いており、紆余曲折を経て【アポロン・ファミリア】との一件で改宗し、正式に団員となった。
ヘスティアの借金を知ってからは、ファミリアの金庫番も担当する事になっている。
Lv.2
元【ヘファイストス・ファミリア】所属の鍛冶師兼冒険者。
「クロッゾの魔剣」の一族で、ベルの装備の数々を製作を担当。
ベルが自身の制作した軽装の鎧を購入していたのを知ったのを機に専属契約を行ってパーティを組み、後の【アポロン・ファミリア】との一件を機に改宗して、正式に団員となった。
後に二つ名に【不冷(イグニス)】が与えられる。
Lv.2
元【タケミカヅチ・ファミリア】所属の冒険者。二つ名は【絶†影】。
かつて『怪物進呈(パス・パレード)』によってベル達を陥れてしまった過去があり、それを許し自分達に協力して欲しいと頼んできたヘスティアの慈愛に感銘を受け、後の【アポロン・ファミリア】との一件から、義理を返すために一年間限定で所属する事になっている。
Lv.1→Lv.2
元【イシュタル・ファミリア】所属の娼婦(ただし処女)。妖術師。命の親友。父親に追放され、様々な経緯を経てオラリオの歓楽街に流れ着き、イシュタルの謀略によって殺生石に封印されて生贄にされそうだった所をベルに助けられ冒険者に転身している。秘めた可能性は持っているものの、冒険者としての戦闘経験がほぼ皆無である為に、「妖術師」としての身の振り方も学ばせる為、ランクアップは保留扱いされてたが『派閥大戦』に合わせてランクアップした。
Lv.6
元【アストレア・ファミリア】の冒険者及び元『豊饒の女主人』の従業員。
以前から多くの冒険を共に乗り越えていたが、『派閥大戦』後に正式に改宗して入団する。
表向きは死んだ事になっているので、【ヘスティア・ファミリア】での冒険者名は「リュー・アストレア」となっている。
来歴
物語の開始時点では、主神であるヘスティアと最初の眷族である初心者冒険者のベルしか所属しておらず、拠点も廃教会の隠し部屋と非常に小規模の弱小ファミリアであり、この欠点を補う為にリリやヴェルフといった他のファミリアの団員達とパーティを組む形でダンジョン攻略を行っていた。
ベルの飛躍的な活躍により徐々に知名度が広まり、【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』の開始前に、リリとヴェルフ、そして命の3人が正式に団員に加わり、『戦争遊戯』における勝利を機に、オラリオで一目置かれる成り上がりファミリアとなっている。
その後はヘスティアの募集を見て一時期に入団希望者が殺到していたのだが、ヘスティアの抱える二億ヴァリスという莫大な借金が原因で、「極貧ファミリア」というレッテルが張り付いてしまい、眷族になろうとする冒険者は現状ほぼ皆無となってしまっている。
異端児(ゼノス)を巡る事件では、異端児達に非道な行いをする【イケロス・ファミリア】と激突した上に、互いのメンバーの信念や主義、そして異端児に関する方針が全く相容れなかった結果、魔物殲滅主義の最大派閥に当たる【ロキ・ファミリア】どころかオラリオ全体の冒険者達ともほぼ全面的に敵対する事態となってしまう。
しかし、それでも団長であるベルの決断によって異端児達を守るべく決起。名声を捨ててでも異端児達を守り抜く信念を変えようとしなかったベルの姿から、団長のフィン・ディムナが最終的に「異端児を利用していく」という形で異端児の殲滅から手を引く決断をした為、【ロキ・ファミリア】との関係は何とか元の鞘に収まっている。
騒動の終息後はある程度の名誉は回復。また、最後まで異端児達を守る為に戦った姿勢から『ギルド』の主神であるウラノスからは大きく信頼を得る事になり、フェルズからも異端児達の未来を変えてくれる可能性として期待される事となる。
【ロキ・ファミリア】と連合による第一次クノッソス攻略が展開される中、ベルがLv.4にランクアップしたのを機に、強制任務(ミッション)により初の遠征を敢行。【タケミカヅチ・ファミリア】、【ミアハ・ファミリア】といった懇意のあるファミリアと連合を結ぶ形で遠征任務を着々と進めていくものの、強化種である苔の巨人(モス・ヒュージ)と遭遇する事になるも、ベルの活躍によって何とか撃破に成功する。
しかし、今度は18階層のリヴィラの街で【疾風】ことリューが犯人とされる殺人事件が発生。真相を突き止めるべく、あえて討伐部隊に参加するが、事件の真犯人であった『闇派閥(イヴィルス)』の残党ジュラ・ハルマーによって最恐のモンスター『厄災』「ジャガーノート」が召喚されてしまう事態となり、ボールス・エルダーを除いた討伐隊のメンバーは全滅。ベルとリューは死んだジュラの操っていた大蛇の井戸(ワーム・ウェール)に飲み込まれ『深層』37階層にまで連れて行かれる事態となり、更に迷宮(ダンジョン)破壊の影響によって次産間隔(インターバル)を無視する形で『下層』の階層主「アンフィス・バエナ」が召喚され、最大の戦力であったベルを失った派閥連合に襲い掛かる二重の危機に見舞われる。最終的に派閥連合は必死の抵抗の末にアンフィス・バエナの撃破に成功。『深層』に連行されたベルもリューと二人で危機を乗り越えていき、最終的にはジャガーノートも撃破。異端児達と仲間たちの救助が間に合い、無事に初遠征を生き残る事になる。
強制任務の帰還から数日後、オラリオ崩壊を目論む黒幕のエニュオとの決戦では、ヘルメスの要請より第二次クノッソス攻略戦の後続部隊の援軍として参戦。エニュオにとっても半年前に結成された【ヘスティア・ファミリア】の存在は完全な計画外の存在であり、メンバーそれぞれの能力が最大限に生かされる形で、精霊の分身(デミ・スピリット)や、エニュオの最後の切り札「ニーズホッグ」の撃破に貢献する(ちなみに【ヘスティア・ファミリア】は『異端児』が最終決戦に参加できる橋渡しになったので、【ヘスティア・ファミリア】が存在しなければ戦力不足で間違いなくエニュオに負けていた)。
『女神祭』の時にフレイヤが本気でベルを奪いに動き出し、ヘスティアとの交渉(という名の一方的な要求)が決裂すると、すぐに【フレイヤ・ファミリア】の第一級冒険者達がベル達を襲撃し、なすすべなく一蹴される。
その後、フレイヤがオラリオ中に『魅了』を施すと、ベルとヘスティア以外のみんなの記憶が改竄され、ベルを「【フレイヤ・ファミリア】のベル・クラネル」と認識してしまい本拠に訪れた彼を拒絶して彼を絶望に陥れてしまう。
ヘスティアの権能によって『魅了』が解除されると、一同は強い罪悪感と自己嫌悪に苛まれるが、家族(ベル)を迎えに行くために【フレイヤ・ファミリア】の本拠へ駆けて行った。
フレイヤの開戦要求により、戦争遊戯が開幕。戦争遊戯は、ヘスティア・ファミリアを旗手とする47ものファミリで構成された派閥連合とフレイヤ・ファミリアとの対決となる。ギルドの調整により勝負は「神探し」(隠れんぼ)に決まり戦場はオラリオから見て北西にある『ベオル山地』の西部に存在する窪地(カルデラ)湖内の巨大な島に築かれた『オルザの都市遺跡』に決定する。
リリを司令官に各部隊が敵本陣の方面を各ルートで接敵に警戒しながら進攻する。だが、【フレイヤ・ファミリア】の『強靭な勇士(エインヘリヤル)』は戦いのセオリーを無視してほぼ全員を本陣で待機して敵を迎え撃つ『背水の陣』を敷く。攻勢に出た『強靭な勇士』によって瞬く間に蹂躙され、派閥連合の眷族たちは次々と戦線から脱落。派閥連合の敗戦が濃厚になる中、Lv.6にランクアップしたリュー、ミアを初めとする「豊饒の女主人」の店員達が参戦。さらにこれを期と捉えたヘディンがフレイヤの真の望みを実現するためにファミリアを裏切ったため、戦局が傾く。
ベルはオッタルとの一騎打ちでは全く歯が立たず圧倒される。この場にミアとLv.6にランクアップしたリューが現れて三人で協力して改めてオッタルと対峙する。さらにヘディンも駆け付け、春姫の魔法で能力が押し上げられた四人の共闘により、漸くオッタルを倒すことに成功。追手のアレンを振り切り、戦争遊戯は派閥連合の勝利に終わる。
他派閥との関係
【ロキ・ファミリア】とは主神のヘスティアとロキの仲が悪く顔を合わせるたびに喧嘩しているが、団員同士には特に隔意はなく、それどころか一部の団員は【ヘスティア・ファミリア】に協力する事もある。
【タケミカヅチ・ファミリア】や【ミアハ・ファミリア】とは、同じ貧乏ファミリアかつ主神同士の関係が良好の為か、交流が深い。
その他は【ヘルメス・ファミリア】とはヘスティアが同郷でなおかつ何かと縁があるため交流があり、【ヘファイストス・ファミリア】はヘファイストスがヘスティアと神友ということもあり(また借金があるため)、交流がある。リリの古巣である【ソーマ・ファミリア】とは上記のファミリアほどではないが、交流することもある。
【フレイヤ・ファミリア】に対して命令や共闘などはできないが、シルの頼みもあって【フレイヤ・ファミリア】の団員たちは【ヘスティア・ファミリア】の護衛として配備されており、『派閥大戦』終了後に稀少魔法『階位昇華(レベルブースト)』を持つ春姫と多くの悪党どもに恨みを買っているリューを狙う勢力などが出てきたが、全て【フレイヤ・ファミリア】に叩き潰されている。ベル曰く「現在の『竈火の館』は世界で最も安全な場所と言っても過言じゃない」との事。
【フレイヤ・ファミリア】の団員に対して特に確執もなく、結構良好な関係を築いている。
余談
作者の大森氏によるとヘスティア>春姫>命>リリ>ウィーネという順番らしい。
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリア(ダンまち)
ヘスティア(ダンまち) ベル・クラネル リリルカ・アーデ ヴェルフ・クロッゾ ヤマト・命 サンジョウノ・春姫 リュー・リオン
麦わらの一味:「主人公がリーダーを務める組織」「常に事件の中心にいる」「異常な成長速度」「超少数精鋭」「メンバー全員が家族や境遇に恵まれなかった過去を持つ」など、共通点が多い