Blu-ray
ぶるーれい
正しい表記はブルーレイ・ディスク(Blu-ray Disc)の綴りとなっています。
『Blu-ray』を推進する法人団体についてはブルーレイディスク・アソシエーションを参照。
本記事では、従来規格の『Blu-ray』を記事として解説しています。
※Ultra_HD_Blu-rayについては別途、前者の記事にて解説する
概要
一般のCD・DVDと同じ直径12cm(ハイビジョンカメラ用は8cm)厚さ1.2mmの円盤ディスクで、原料はメーカーにもよるが、最安値のものにはポリ系の素材ポリカーボネート、チタン等の金属(専用のもの)などを採用している。
名前の由来
↓色はこんな感じに発光する↓
名前の由来は(高い記録密度を実現するため)青紫色(ダイオード)のレーザー光線でディスクの記録面に反射させてデータを読み取っていることから(CDやDVDは赤色レーザーを使っている)。表記が「Blue-ray」ではなく「Blu-ray」なのは、英語圏では「青色の光」という一般的な言葉として扱われ、商標として登録できない可能性があるため、あえてスペルの『e』を抜いて、辞書にない綴りの単語にしたようである。略名はBDと言う。(光ディスク共通点については、親記事も参照)
規格・仕様
記憶容量はごく一般的な片面1層タイプで25GB、片面2層タイプで50GBにも達する。1層のディスクでも日本の地デジなら3時間強の動画を収録可能。ついには100GBとなった3層ディスクが一部のメーカーが開発し、発売されたものの、コストが予想以上に高くなり、それに伴って価格が高価化してしまった為、100GB以上のみ市場にはあまり流通はせず、全く各店舗では出回らなかった時期が過去に一時あったとのこと。その後、ソニーが低価格での販売が可能となる程にまでBlu-rayの開発に伴う技術力と品質がこの時点でも充分に向上していることが分かる。2020年段階では4層128GBまでの製品が、前回と同様、ソニーの技術力によって商品化に至っており、研究段階(調べ)ではハードディスクの大容量にあたる1TBのものもある。ただし、128GB以降は未開発及び未発売留まりである。その他にDVD規格と似ている両面ディスクタイプ、ビデオカメラ向けのミニサイズの規格もある。一方、『Ultra HD Blu-ray』では128GB超えとなる次世代のBlu-rayの超大容量規格があるが本記事では割愛しておくが、こちらは子記事にて解説している。
Blu-rayの専門用語についても解説。
ダイソーなどの100円ショップでも身近に安値で手軽な価格として記録用のBlu-rayディスク(容量25GB)が110円(税込み)という最低価格で発売されている様である。その後、2020年6月には二層の50GBディスクが価格220円(税込み)で新たに発売された。同じくして6倍速のBD-R(25、50GB)が発売された。100GBのBD-Rはソニー以外のメーカーの三菱(旧:三菱ケミカルメディア 現:株式会社Verbatim)、「ラディウス」やビクターなどから発売されている。
4層ディスクの128GB(書き込み4倍速の-Rのみ)はソニーの一社のみ確認されている。
記録に使われるフォーマット
ファイルフォーマットはUDF 2.50以降を採用。
誕生初期のフォーマットは『BDF』を採用していた。
ビデオコンテンツ(BDMV)の解像度は最大1080i/60、720p/60 でいわゆる「HD解像度」である。Blu-rayディスクに4K及び8K以上の解像度の映像・音声データを収録することも可能だが、そうしたものは「Ultra HD Blu-ray」としてBDMVとは別規格とされている。動画収録方式はDVDと同様のMPEG-2のほか、MPEG-4 AVC(H.264)、VC-1の各規格を採用する。MPEG-2を使っていたのは初期のソフトのみで、現在は多くがMPEG-4 AVCを採用している。
音声収録方式はPCMステレオ、ドルビーデジタル(或いはドルビーアトモス)・DTSの5.1chサラウンド他、その拡張規格を採用する。
記録速度・リージョンコード(再生地域の制限)について
等速は36Mbps=4.5MB/秒。これはDVDの転送速度を1倍速 (1.4MB/秒) として、約3倍速に相当する。
繰り返し記録用のBD-REは4倍速。一回記録用のBD-Rは最大6倍速。
DVDと同様、再生できる地域を制限するリージョンコードが設定されているが、ドキュメンタリー作品等ではリージョンフリーのものも多い。
ハードコート
ディスクがあまりにも精密(いわゆるデリケート)であるため、当初はわずかな傷や汚れがつくととたんに読み取りができなくなり、ディスクの読み取り不良に陥る事態例があった。さらに保護層が0.1mmと非常に薄い(DVD、HD DVDは0.6mm)ので耐久性が極めて低く、それを保護するために従来のMO(MD)やDVD-RAMディスクTYPE2と似た性質のためカートリッジ入りのタイプしかなかった。しかし、当時本事業に参入していた頃のTDKが記録面の耐久性を格段に向上させる技術を開発したことによって、CD、DVDと同じようにベアディスク(裸のディスク)で使用できるようになった以降にこの技術が現役である他の製造メーカーへと提供され、これらの構造を元にハードコート技術を採用したBlu-rayディスクが各国、各地域の販売店へと普及したのである。
厳密にはハードコートと呼ばれるディスクの記録面に保護するための層を造る、加工技術のことを指す。
ちなみに、従来のDVD及びCD等の光ディスクとは違い、硬質な保護層を意味する名前とは反して研磨(データが記録されている盤面を削る)をするという事は保護層が簡単に削れて、更に肝心な記録層にまで直接削ってしまって物理的にダメージによりデータがぶっ飛ぶ(消滅する或いは消失する)といった禁忌な行為であるため、取り扱いには十分な注意が必要である。
これは光ディスクでは珍しく『Blu-ray』においてはそれが弱点であるがゆえ、従来規格の光ディスクでは行えたはずのディスクの研磨(削る事)をすることができる専門店(光ディスク研磨サービス業者)では一切研磨サービスは受けられないのでご注意を。
また、ハードコートだからと言っても専用設計にはなっていないCD、DVDで保管していた従来の不織布ケースに保管することは禁忌かつ、記録面が簡単に傷つくのでBlu-ray Discを保管する際は凸凹が少ないタイプの不織布ケース(Blu-ray対応の専用アルバムケース及びバインダーを含む)に保管することを厳しく推奨する。
メーカー独自開発のハードコート
ハードコートの種類は主に商標の登録があるものを挙げる。
ちなみにハードコートのロゴ及び商標については団体設立メンバーの一員である三菱(子会社の三菱ケミカルメディアが作成し、※現は株式会社バーベイタムジャパン)が継続的に商標を保有している。(単語の頭文字のHCを象ったアイコン)
いずれも高度な技術で、ミリ単位でしっかり設計されている。
- ソニーの場合は『クロスバリア』。こちらのメーカーの録画用ディスクのセット販売によっては専用の透明ケースの中にフィルムケースにディスクが入れられる形で販売されることがある。一応、対応フィルムケースは市販されている。
- パナソニックの場合は『タフコート』と改良型の『トリプルタフコート』。
- JVC(ビクター・アドバンストメディア) 『安心・長持ち保護コート』。ダイソーではなぜかこのハードコートが採用されている。法的な問題がないことから前者から正式に使用許諾がされている模様。(TMI社も同じ名称)
- 一回記録用と繰り返し記録用にはMABL(BD-R)とSERL(BD-RE)という仕様により高耐久なディスクで、特定元素となる無機質系の金属が含まれている。Metal ABlative Layerは金属窒化物記録膜と呼び、Super-Eutectic-Recording-Layerは共晶系相変化膜の事である。(ビクター表記のバーベイタムのみ)三菱ケミカルメディア(旧:化学メディア)が販売している。
- TDKは超硬(ちょうご)と言う名前のハードコート。(超凄い硬質なディスクという意味)
- アールアイテックは『プロテクトコート』。
- その他 『ハードコート仕様』等という表記のみの場合がある。
著作権を保護するコピーガードの強化
※細かいことは別途記事コピープロテクトも参照。
あっさりとコピープロテクト(電子暗号)が破られてしまったVCDとDVDにおける問題の反省を活かし、コピープロテクトが非常に厳重になっている。コンテンツを保護するAACSに加え、ディスクの偽造を困難にするROM Markが組み合わされ、さらに新たなコンテンツ保護プログラムをBDプレイヤーに導入できる「BD+」という機能も規格に盛り込まれた。AACSの仕様によりデジタル出力にはHDMIまたはHDCPに対応したDVI-Dが必須となり、通常のDVI-D接続では表示できない。さらに2011年以降はアナログ出力をSD解像度に制限されている。
ハードウェアに組み込まれる著作権保護技術にはレコーダー、プレーヤー及び一部のメーカー発売のテレビ側にはCNAVIA(詳細はコピープロテクトを参照)という保護プログラムが付加している再生・録画機器(テレビのハードウェア)コピープロテクト情報のデータをヒトの不可聴周波数に音声としてコンテンツの音声と同時に出力される様に設計しており、ほぼ無音同然の電子音を利用したものが存在する。これによるケーブル出力以外ではデジカメ系の記録メディア機器から等によるいわゆる直撮り対策にも備えてあるようだ。これらを行うとそれに関するエラーメッセージが出て映像コンテンツの再生が停止される仕組みである。
普及の経緯
東芝・NECが開発したHD-DVDと第3世代光ディスクの覇権を賭け、次世代ビデオ戦争が勃発するもその記憶容量の多さ、米映画会社の相次ぐ支持&相手陣営からの寝返り、PS3への規格採用も手伝って大きくシェアを拡大。
2004年にケンウッド・ビクターはDVDとBDを2つの層に別けて1枚のディスクにそれぞれの記録層へHDとSD画質の映像を2層で記録できる特殊規格な光ディスクを開発している。(業務用のため、録画用やデータ用には採用されていない)
2008年に東芝のHD-DVD事業の終了に伴い規格戦争への勝利が確定した。此の年にBDの普及が始まり此れを応用した、Sonyの子会社であるSonyMusicが開発した音楽CD向けの高音質なBlu-spec(ブルースペック)CDの登場で一躍を担った。こちらは、通常のCDよりも高品質な光ディスクのAudio-CD規格として開発された。SonyMusicによるお知らせ
近年は低価格帯での発売も進んでいるが、光ディスク受難の時代ゆえ旧規格のDVDを完全に置き換えるには至っていない。それどころか、DVDドライブすら標準搭載しないパソコンも多くなり、ノートパソコンはもちろんタワー型デスクトップでも搭載しないものが増えた。ほとんどはデスクトップモデルが比較的に種類は多い。
販売メーカー(日本国内発売のみ)
- アイ・オー・データ機器/三菱ケミカルメディア→株式会社Verbatim Japan
- 日立マクセル→maxell
- メルコホールディングス/バッファロー
- ソニー
- RITEK(アールアイテック)/アールアイ・ジャパン
- 株式会社ラディウス
- 株式会社山善/キュリオム(Qriom)
- 株式会社磁気研究所/HI-DISC(ドンキ.ホーテの情熱価格を含む)
- ビクター/ケンウッド(Verbatim/アイ・オー・データ機器)
- 大創産業(ダイソー)
- 株式会社ヴァーテックス
- シリコンパワー/シリコンパワージャパン
- TDK(※生産終了)
- Panasonic(※生産終了)
- TIM JAPAN
- 太陽誘電(生産終了)
余談
- クリーニングしているのに、Blu-rayが読み込んでくれない。それは→原因は機器のドライブ内の読み取りレーザー関連の部分的な経年劣化か、新世代機種(新品)などが理由の理論的な互換性がほとんどなのです。
- 録画記録用のパッケージデザインのイメージカラーはいずれメーカーも分かりやすく、『オレンジ』や『レッド』はBD-RE規格で、『ブルー』や『コバルトブルー』はBD-R規格という感じで区別できる。
- ダイソーのBlu-rayのパッケージはTDK(シャチ)→オウム→キュリオム(山善のQriom)の様なデザインに変更された。
- ダイソーのスピンドルケースは6枚セット(-Rは7枚)で価格は5枚分で500円で販売していたりもするので、-RE1枚(-Rは2枚)あたりは実質0円である。
- 販売メーカーによってはスピンドルパッケージで購入すると当たり付きがあり、サービスカウンターなどで従業員に当たり券を見せると実質的にもう1セットがタダに貰えることもある。(主にドンキ.ホーテなどで取り扱い)
- maxellやVerbatimなどは旧機器でも使用できるが、バッファローなどは新機器向けなので注意。
エロ関連について
以前からDVDを採用している制作会社でもBlu-ray(通称エロビデオ)映像作品は一応、存在するらしいがここでは詳しいことは割愛しておく。
ゲーム作品ではパソコン版(PC版)ではなくプレイステーション4で発売される事になっている。後にUHD BDを採用するプレイステーション5版もある。