地球温暖化
大気に熱を蓄える温室効果の原因となる気体(温室効果ガス)の排出などにより、地球規模で気温が上昇する事。その結果、海面上昇や異常気象の発生などの重大問題が引き起こされる。
温室効果ガスとしては石油や石炭の燃焼などによって発生する二酸化炭素のほか、メタン、フロン、亜酸化窒素などがある。水蒸気も温室効果への寄与は大きいが二酸化炭素やメタンに比べ非常に短いタイムスケールで循環しているため放出された水蒸気が二酸化炭素やメタンのように長期的に蓄積されることはなく長期変動である地球温暖化には直接寄与はしないことから温室効果ガスには含められないことが多い。ただし他の要因で生じた温暖化を水蒸気が増幅するような間接的な効果は起こりうる。
現在の大気中の二酸化炭素の比率は約400ppm強(0.04%)だが、産業革命が始まる頃は約300ppm(0.03%)であった。増加分は人間活動の影響によるものである。主にこれに伴って世界の平均気温は2012年までに0.85℃上昇してしまった。2015年のパリ協定(温室効果ガス削減に関する国際的取り決め)の根拠となった「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書によると、温室効果ガスの排出抑制策をとらなければ21世紀中に地球の平均温度が最大で4.5℃上昇し、海水面は約0.7m上がる。パリ協定に基づく対策が実施されたとしても、世界の平均気温は最大で2℃上昇し、海水面は約0.4m上がることになる。
メカニズム
温室効果ガスは赤外線を吸収し大気中に熱を保持する性質がある。温室効果が無い場合の地球の表面の温度は氷点下19℃と見積もられているが、温室効果のために現在の世界の平均気温はおよそ14℃となっている。
地質時代の中では、地球上の温度の高い時期には大気中の二酸化炭素濃度も高く、逆に温度の低い時期には二酸化炭素濃度も低かったことが知られる。現在の二酸化炭素の大気中の比率は400ppm(0.04%)だが、氷期は200ppm(0.02%)未満にまで下がったこともあり、地上に氷河がなかった中生代ジュラ紀の二酸化炭素の濃度は2000ppm(0.2%)もあった。大気中の炭素は、植物の光合成によって植物体として固定され湿地帯で泥炭→化石燃料になったり、海洋生物の貝殻や骨格(炭酸カルシウム)として固定され深海に沈殿することによって大気から隔離される。産業革命以降の二酸化炭素濃度の上昇は、化石燃料という形で大気から地中に隔離されていた炭素を燃焼させて大気中に放出し続けた結果である。
地球温暖化による気温上昇は世界で一様ではなく、概ね低緯度より高緯度、海上より陸上の方が大きい。都市部が周辺部より気温が高くなる現象はヒートアイランド現象といい、地球温暖化とは別のメカニズムである。
高緯度の気温上昇により北アジアや北アメリカの永久凍土が溶け出すと、氷中に閉じ込められた有機物が分解されることによりメタンが放出され、さらに温暖化に拍車がかかる。
そして温暖化による水温上昇が深海におよび、メタンハイドレートが溶け出すと、そこから放出されたメタンによって温暖化が暴走、メタンは海洋中に溶け込んだ酸素と反応するため海洋に溶け込んだ酸素が極端に減少する海洋無酸素化が発生、海洋生物は無酸素化でほぼ全滅、陸上生態系も極度の高温と乾燥化によって破滅的な被害を受ける。これは古生代末のペルム紀の大量絶滅で現実に起こったことである。
また温暖化を引き金に海洋の温度変化や、極地からの淡水の流入による塩分濃度変化により海流のパターン(深度方向の流れを含む)が急変し、急激な気候変動が生じることも懸念されている。
これらのような温暖化に関連した種々の効果は「温暖化の程度に比例して効果が出る」というようなものではなく、「ある条件に達した時に突然スイッチが入る。」というような挙動を示すものが多く、将棋倒し的に『スイッチ』が入ることも起こりうる。これは温暖化の予測を難しくする原因となっている。
地球温暖化による生態系・人間生活への影響
これらの影響は既に現実に発生しており、今後ますます深刻化すると考えられる。
関連タグ
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シロクマ/ペンギン/アザラシ・・・地球温暖化で大きな影響を受ける動物。
バーナーマン・・・好きなものが地球温暖化という設定
甲虫王者ムシキング アダーの計画編・・・地球温暖化をテーマとしたストーリーがある。