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編集内容:当代「スパイダーウーマン」
センシティブな作品

スパイダーウーマン

すぱいだーうーまん

"Spider-Woman"、直訳で「蜘蛛女」。ここではMARVELコミックのスーパーヒロイン、および彼女を主人公とした作品について述べる。

概要

MARVELコミックのキャラクター。

1977年に初登場した「スパイダーマン」の女性版で、クモの能力を持つスーパーヒロイン。

主人公としては、デビュー翌年から全50巻が刊行されたシリーズや、それまで襲名した4人とマダム・ウェブが競演した1999年刊行のシリーズなどが知られている。

キャラクター

別宇宙も含めるとかなりの人数がいるが、ここでは正史世界【アース616】の4人を挙げる。

ちなみにその大半は、ピーター・パーカーのような「特殊なクモに噛まれた」以外の理由で能力を得ている。

初代

本名:ジェシカ・ドリュー(Jessica Miriam Drew)。『Marvel Spotlight #32』で初登場。

コスチュームは、クモの巣を模したムササビのような翼が特徴的。

オリジンは2005年のストーリーで再設定された。

当初新バージョン
イギリス人の遺伝学者である父・ジョナサンと母・ミリアム(Merriam)に連れられ、幼少期を東欧のワンダゴア山で過ごす。しかし現地で採れるウランの影響で病気になってしまったため、父が開発したクモ由来の血清を投与され、共同研究者であるハーバード・エドガー・ウィンダムが作ったカプセルで治療を受けた。両親はヒドラの資金提供を受けており、母・ミリアム(Miriam)の胎内でクモの遺伝情報を含む光線を浴びてしまった。

両親の失踪後はワンダゴア山で育てられ、後にタスクマスターの指導の許、ヒドラのエージェント「アラクネ」として活動を開始。初登場作品ではS.H.I.E.L.D.と戦っている。

その後ヒドラの洗脳が解け、クライムファイターに転向。バウンティハンターや私立探偵としても活動する傍ら、アベンジャーズX-MEN、S.H.I.E.L.D.を始め、他にもA-フォース、ヒーローズ・フォー・ハイアー、S.W.O.R.D.、ハント・スクァッド、レディ・リベレイターズにも参加している。

また『マーベル・アルティメット』の舞台である【アース1610】では、ドクター・オクトパスがピーター・パーカーの遺伝子から作成した5人のクローンの1体。

ピーターの助けを得てオクトパスの下を脱出し、「ブラック・ウィドウ」としてアルティメッツに参加。後にマイルス・モラレスのスパイダーマン継承を助けている。

二代目

1984年デビュー。本名:ジュリア・カーペンター(Julia Eugenia Carpenter)。

旧姓は「コーンウォール(Cornwall)」。ロサンゼルス出身のアメリカ人。

シングルマザーとして生活に困っていた時に、大学時代の友人でミュータント関連の専門家に勧誘され、とある実験に被験者として参加。クモの遺伝子を含む注射によって能力を得た。

だが実際は、政府主導の超人チームを作る計画の一環であった。娘レイチェルを育てるために一時は工作員としての活動を受け入れたものの、ジェシカやX-MENと出会ったことで翻意。逃亡し、賞金首にもなったものの、トニー・スタークが政府に交渉し、許されている。

その後、裁判で娘の親権が移っていた元夫ラリーがとある事件で死亡したため、故郷の西海岸を拠点とする「ウエストコースト・アベンジャーズ」の本拠地で娘とともに暮らし始める。

引退しようとした矢先に後述する四代目のシャーロットに能力を奪われ衰弱する事件があったが、マックス・クィンシー / シュラウドという男性ヴィジランテの協力で復活、「アラクネ」と名義を変えた。

しかしそのタイミングは『シビルウォー』の最中。彼女は登録賛成派に回ったが、裏ではシュラウドの説得で反対派に寝返っており、それが発覚したため逮捕。娘と引き離されることを不憫に思ったキャロル・ダンバース / Ms.マーベルの嘆願もあり、2人でカナダに移住、チーム「オメガフライト」のメンバーとなった。

その解散後、超人登録法も廃案になったことで帰国したが、しばらくしてクレイヴン・ザ・ハンターの復活を目論む集団に生贄目的で拉致されてしまう。その場にいた、同じく監禁されて瀕死のカサンドラ・ウェッブ / マダム・ウェブから命と引き換えに能力を譲り受け、二代目を襲名。

コスチュームは少し前から自身のサイドキックだったアーニャ・コラソンという少女に譲られ、「スパイダーガール」として活動している。

三代目

1998年デビュー。本名:マティ・フランクリン(Martha "Mattie" Franklin)。

ピーター・パーカーと因縁のあるJ・ジョナ・ジェイムソンの姪。父子家庭で育ったが、その父親が魔術に関わっていることを知り、代わりに儀式を受けたことで超人的なパワーや飛行能力を会得。元から憧れていたスパイダーマンの不在時に「スパイダーマン」を勝手に名乗っており、彼の帰還後から「スパイダーウーマン」を名乗った。

二代目のジュリアと同じく四代目のシャーロットに能力を奪われるが、これを撃退。さらに打倒し、奪われた能力を取り戻した際に、同時にクモの能力を得た。

最期はJJJの後妻マーラとともに死亡している。

四代目

1999年デビュー。本名:シャーロット・ウィッター(Charlotte Witter)。

カサンドラ・ウェッブの孫娘だが、これまでの3人とは違いヴィラン。ドクター・オクトパスに見いだされて改造を受け、当時「スパイダーウーマン」を名乗っていたジェシカ、ジュリア、マティーの能力を奪ってスパイダーマンを打倒する計画だったが、カサンドラの助力で結集した3人に敗北した。

当代「スパイダーウーマン」

ジュリアが二代目スパイダーウーマンとして登場する直前(1984年)、ジェシカは超人としての能力の大半を喪失しアベンジャーズを脱退、私立探偵としての活動を中心とし、以降は「元・スパイダーウーマン」として登場することが多かったが、2008年(以下略)

2010年クラヴィノフ一族によって三代目スパイダーウーマンのマティーと初代マダム・ウェブのカサンドラが殺害され、同じイベントでジュリアが二代目マダム・ウェブを襲名。

スパイダーウーマンとしての名義と能力を奪い合うライバルの立場だったシャーロットも、マティーの死後はその動向がほとんど描かれておらず生死不明となっており、結果的に初代であるジェシカ・ドリューが再びスパイダーウーマンの名義を用いている(2024年現在進行中の『GANG WAR』というイベントで活動している)。

その他

名義は異なるが「女性版スパイダーマン」として名高いキャラは

  • アーニャ・コラソン / スパイダーガール
  • シンディ・ムーン / シルク

のほかに、別アースでは

などなど。また、シンビオートの宿主としても数名いる。

余談

数々のMARVELキャラクターを世に送り出したスタン・リーによると、かつてライバルのDCコミックから「ワンダーマン」が「ワンダーウーマン」に似ているとして訴えられそうになったため彼をデビューエピソードで死亡させ、さらに「パワーマン」を出した数年後に「パワーガール」を出された、という苦い経験を踏まえて、他社から「女性版スパイダーマン」が出る前に自分たちで出してしまおう、という裏事情があったとのこと。

そして案の定、昆虫と会話する能力を持った女性を主人公にした『Web Woman』というアニメをまた別の会社が企画していることを知り、急いでジェシカ・ドリューを登場させたらしい。

他メディア

単独アニメ

全16話。1979~80年にABCで放送。

日本では2005年にCSチャンネルで放映されたことがあるが、担当声優は不明。アメリカのディズニープラスでは日本語音声および字幕が対応されておらず、日本では配信されていない。

主人公はジェシカ・ドリュー。ただしオリジンや能力は変更されており、脇を固めるキャラクターも基本的にはオリジナル。

第1,7話でピーター・パーカーがゲスト出演しており、その声優は1967年版と同じだったりする。

エピソードリスト

No.原題
1Pyramids of Terror9Shuttle to Disaster
2Realm of Darkness10Dracula's Revenge
3The Amazon Adventure11The Spider-Woman and the Fly
4The Ghost Vikings12Invasion of the Black Hole
5The Kingpin Strikes Again13The Great Magini
6The Lost Continent14A Crime in Time
7The Kongo Spider15Return of the Spider-Queen
8Games of Doom16The Deadly Dream

オープニングシークエンス

Iron Man: The Animated Series

CV:Casey DeFranco(シーズン1)、Jennifer Hale(シーズン2)

1994~96年に放映されたテレビシリーズに、ジュリア・カーペンターがレギュラー登場。

ペッパー・ポッツのポジションで、トニー・スタークの助手兼親友、ビジネスパートナーかつ恋愛対象。ライバル枠にスカーレットウィッチが配されている。

スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズ

原語版:イッサ・レイ / 日本語版:田村睦心

2023年6月公開の第2作『アクロス・ザ・スパイダーバース』から登場。

こちらもジェシカ・ドリューで、2000年代のコミックと同じく妊娠中だが、主な移動手段がバイクになっている。

スパイダーマン・ユニバース

2024年2月公開の映画第4作『マダム・ウェブ』にて、コミックでウーマン / ガールを名乗った3人が実写デビュー。

2000年代が舞台で、年齢は10代に統一された。主人公キャシー・ウェブは老婆から30歳に変更。

  • ジュリア・コーンウォール(演:シドニー・スウィーニー / 吹替:潘めぐみ

上記の通り旧姓。両親が離婚し父親に引き取られたが、義理の母や弟と折り合いが悪く、孤立している。

急病になった義母をキャシーに救助されている

  • マティ・フランクリン(セレステ・オコナー / 伊瀬茉莉也

海外で働く両親とは疎遠で、JJJは「ジョナ叔父」として言及された。

スケボーに乗って道路を走っていた際、キャシーの運転する救急車に危うく引かれ掛け、顔は見えてない運転席のキャシーに向けて中指を立てた事がある。

キャシーと同じアパートの一階に住んでおり、不法移民の父が強制送還されてしまったため、家賃について大家から注意を受けながら孤独に暮らしている。

謎の男エゼキエル・シムズに命を狙われているところを、三者三様で繋がりのあったキャシーが予知能力で助けることになる。

編集内容:当代「スパイダーウーマン」