ステラヴェローチェ
すてらゔぇろーちぇ
プロフィール
生年月日 | 2018年2月19日 |
---|---|
欧字表記 | Stella Veloce |
性別 | 牡 |
毛色 | 黒鹿毛 |
父 | バゴ |
母 | オーマイベイビー |
母の父 | ディープインパクト |
生産 | ノーザンファーム(北海道安平町) |
管理調教師 | 須貝尚介(栗東) |
主戦騎手 | 横山典弘、吉田隼人など |
馬名はイタリア語で星(Stella)・速い(Veloce)の意味。
伯父(母オーマイベイビーの半兄)に2005年の朝日杯フューチュリティステークスを制したゴスホークケン(父バーンスタイン)がいる。
戦歴
2歳(2020年)
2020年7月、栗東トレーニングセンター須貝尚介厩舎からデビュー。新馬戦(阪神芝1600m)を川田将雅の騎乗で逃げ切り勝ちを収める。
2戦目として10月10日のGⅢ・サウジアラビアロイヤルカップを選択。
……ところが、当日の東京競馬場は台風14号の接近による大雨の不良馬場。横山典弘の駆るステラヴェローチェは最後方集団で脚をため、馬場に脚をとられて先行集団が伸び悩む中上り最速の末脚で3馬身差の差し切り快勝。重賞初制覇を挙げた。
3戦目の朝日杯フューチュリティステークスでは2番人気に推されるが、7番人気の伏兵グレナディアガーズに3/4馬身差の2着。
3歳(2021年)
2021年は始動戦の共同通信杯から皐月賞へ直行。吉田隼人に乗り替わり、後方集団から追い込みをかけるも、エフフォーリアの3着。
続く日本ダービーも同じく追い込み届かず、シャフリヤールの3着。
夏の休養を経て、秋の始動戦は神戸新聞杯。
しかし、9月26日の東海地方は局所的な豪雨にみまわれ、中京競馬場は不良馬場。最終直線から追い込みをかけたステラヴェローチェは、同じく道悪得意のレッドジェネシスをかわし重賞2勝目。3着モンテディオには3馬身半差、4着になったシャフリヤールにもリベンジを果たし、道悪巧者ぶりを見せつけた。
残る牡馬クラシック三冠最後のひとつ菊花賞。皐月賞馬エフフォーリアは天皇賞(秋)、ダービー馬シャフリヤールはジャパンカップをそれぞれ目指し不在。「本命不在の混戦」が予想される中、皐月賞・ダービーとも3着のステラヴェローチェは2番人気に推された。
しかし、タイトルホルダーが絶巧の大逃げを打つレース展開では、追い込みタイプのステラはあまりに相性が悪かった。このレースも上がり最速を記録したものの、追い込み切れず4着に留まった。
年末の有馬記念ではファン投票17位(登録馬中7番手)で選出。エフフォーリア・クロノジェネシスに次ぐ3番人気に推された。最終直線ではエフフォーリアと並ぶ最速タイの上がりで追い込み、5位となったタイトルホルダーには先着したものの、4着。
2021年は6戦1勝ながら、一度も掲示板を外すことなく約2億円を稼いだ。桜花賞・札幌記念に勝利した同い年のソダシの獲得賞金額を年間トータルでは上回っており、2021年の須貝厩舎の稼ぎ頭である。
4歳(2022年)
古馬となっての年明けは日経新春杯から始動。有馬記念4着の実績馬として単勝1.8倍の1番人気に推されたが、道中でステラの背後をピタリをマークした同世代のヨーホーレイクに直線差し切られ2着。
ドバイ遠征
次走は初の海外遠征としてドバイシーマクラシックを選択。しかし、出国を控えた3月2日、大野剛嗣オーナーが50歳の若さで急逝。同氏は馬主としての活動のほか、モータースポーツのスポンサーとしても知られた人物で、各界から悲しみの声が寄せられた。ステラヴェローチェ・ヴェローチェオロら大野氏の有力馬を預けられていた須貝調教師は、なんとか弔い星をと燃えていたが、ドバイシーマクラシック本番ではシャフリヤールの勝利の中9着に敗れた。
その後、宙に浮いたステラやオロらの馬主権は、亡くなった大野オーナーの父君が承継することで決着した。
宝塚記念ファン投票~その後
5月19日、第63回宝塚記念に向けたファン投票が始まったこの日、競馬ファンの間ではある話題が駆け巡っていた。「ステラヴェローチェがファン投票の対象外になっているんだが……?」
宝塚記念はステラと同じバゴ産駒のクロノジェネシスが二連覇を果たしたレース。しかも梅雨時の開催であり、もし雨天・重馬場となれば道悪得意のステラは大きな有利を得られる。昨年の有馬記念4着からの上積みで初GⅠ制覇へ色気は十分と、ファン投票でも人気馬の一角となることが予想されていた。
ところが、最大10頭を選べるネット投票において、そもそもステラヴェローチェと、同馬主のヴェローチェオロ2頭への投票が受け付けられていなかったのだ。前オーナーの死去に伴って馬主権の引き継ぎが行われた他の馬たちには投票可能で、オーナー交代は関係ないのは明らかだった。
JRA所属の現役馬でありながらそもそも投票ができないのは、例えば前年末の香港スプリントで大事故に巻き込まれ骨折し長期療養中のピクシーナイトのように、どうあっても宝塚記念の出走は不可能な馬に限られる。何も情報がない中、競馬ファンはステラが何か故障したのでは…?と疑念と不安を抱くこととなった。
その後、ヴェローチェオロは生まれ故郷の千代田牧場にて夏休みを過ごしていることが同牧場公式twitterにて発信されたが、ステラについては秋のGⅠ戦線が始まっても次走予定や調教などの情報が何もなかった。結局2022年はこれ以上走ることはなく、競馬ファンの不安と困惑は深まるばかりだった。
5歳(2023年)
2023年に入ってもステラヴェローチェの予定は全くの不明。何しろ、次走が決まらないどころか、今どこにいるのかもわからないのである。
あまりの情報のなさに、競馬ファンコミュニティ最大手「netkeiba.com」におけるステラの競走馬掲示板は、ステラの現在を予想する大喜利にSS投稿、怪文書の投下に至るまで、想い溢れたファン達によりカオスな様相を呈する有様だった。
その間に、ステラの僚友・ヴェローチェオロはダイヤモンドステークスで復帰を果たすものの大敗し、完全復活を果たせないまま引退してしまった。
動きがあったのは5月12日。netkeiba.comにて週刊で発表される有力馬次走情報の中に「ステラヴェローチェ 放牧」の文字があったのである。さらに、1年前にステラヴェローチェ消息不明の端緒となった宝塚記念のファン投票が5月18日に始まったが、この年はステラに投票できる状態であった。相変わらず次走は不明ながら、ステラは無事である、それが分かっただけでもファンは歓喜した。
帰厩・復帰戦へ
ステラヴェローチェが放牧に出ているとわかってから三ヶ月後の8月24日、ステラファンたちの間に再び激震が走った。
JRAのHP上にある「競走馬情報」のステラヴェローチェのページから「放牧」の表示が消えたのである。
これを受け、ファンたちは「ステラヴェローチェがとうとう須貝厩舎に帰ってくるのでは?」という話題で持ち切りとなり、放牧解除だけで「ステラヴェローチェ」がTwitterでトレンド入りを果たした。
「まだ栗東にいるところを見るまでは信じられない」などの声もあったが、二日後の26日には東スポ競馬の公式アカウントが栗東トレセンにいるステラの動画をツイート。
無事に帰厩していたことが判明し、ファンたちは今後のローテーションなどの話題で持ち切りとなった。(そして再びトレンド入りした)。
そして9月20日。ステラヴェローチェの復帰戦は東京競馬場のGⅡ・富士ステークスに決定した。
最後に走ったドバイSCから実に573日。待ちに待った復帰戦は7着に終わったが、無事に帰ってきた姿にファンたちは歓喜したことだろう。
年末には初ダートの武蔵野ステークスも試したがこれは舞台が合わず16着最下位。
余談
33-4
ステラヴェローチェ自身は特に野球に繋がるネタもなく、馬主が野球関係者という訳でもないのだが、一部のファンからは33-4の馬として知られている。
ステラは皐月賞から菊花賞に至るまで、クラシック三冠に皆勤しているのだが、先述したように皐月賞とダービーが3着、菊花賞が4着と三冠競走の順位を並べると「334」になってしまうのだ。
しかも、ステラの出走した菊花賞は例年京都開催のところ、京都競馬場が改装工事中のため阪神競馬場で開催。
なんでや!阪神関係ないやろ!とも言えず、ますます33-4として有名になってしまったのだった。
そして月日が流れ、2024年3月3日の阪神競馬第11Rにて馬番4番で久々の勝利。ここにもまた33-4が関係していると話題になった。
関連動画
ファンが作った応援ソング