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概要編集

毎日新聞社から刊行されていた週刊誌「サンデー毎日」にて1966年から1971年まで掲載された。なおサンデー毎日は、2015年4月から、スポーツニッポン新聞社(・毎日新聞社)の関連出版社である毎日新聞出版に移管されている。


人様に意地悪をしてばかりいる「いじわるばあさん」と、それに振り回されている(が、ごくたまに逆襲する事もある)人々の姿を描いた4コマ漫画。


実は、「サンデー毎日」1965年新年号に掲載された読み切り漫画がそもそもの始まり。自身の代表作でもある「サザエさん」のようなほのぼのとした日常劇漫画になんとなく飽きと嫌気を感じていた長谷川町子が、「たまにはそれらとは全く違う作品を描いちゃえ」とばかりにブラック・ユーモア増々で描いてしまったのがこの作品だったという。元ネタはボブ・バトルという人が描いたアメリカの漫画作品「意地悪じいさん」で、「ババアの方が迫力あるでしょ」という長谷川の意向で老婆になった。なお、「意地悪じいさん」そのものは、文藝春秋が出していた漫画雑誌「漫画読本」に掲載されていた。さらにその「漫画読本」には長谷川も作品を発表していた。


漫画版キャラクター編集

  • 伊知割 石

家族から通行人に至るまであらゆる人にいじわるを仕掛ける主人公。そのいじわるはただの子供地味たイタズラから大事件にまで発展しかねない洒落にならないレベルのしでかしまで様々。当然家族や周囲の悩みのタネで腫れ物扱いされており、そのことに対し寂しさをかいま見せたりツンデレ的な一面を見せることもある。たまにいじわるを止め て良き老婆になろうとした時は数時間でいじわるをやめた欲求不満のあまり卒倒してしまった

結構裕福な家のお嬢様出身だが少女期から意地悪だったため嫁の貰い手がなく両親が依頼した仲人の口車に乗った夫と結婚している。一度死んだことがあったが、地獄でも持て余されたため生き返った

通り魔にあった際、警察が怨恨の線で捜査しようとしたら容疑者が多すぎて(ばあさんに恨みのある人間が多すぎて)警察が整理券を配るほどだった。

意外であるが自身のいじわるには一定の線引きがあるらしく、他人が行ったシャレにもならない悪質ないじわるを目撃した時は、自身のいじわるさを自覚している上で激怒した事がある。


  • 伊知割 順一

石の長男でサラリーマン。母親の石、妻ミチコ、子供と同居しているが石に浮気をバラされる被害にあったことも。時折石の世話を弟達に押し付ける。

  • 伊知割 シゲル

石の次男で開業医。開業資金を妻の実家から出してもらっている。腕は悪くないようで病院自体はそれなりに流行っているようだが脱税で摘発されたりと人格面は今ひとつで看護師からもナメられている。一時期兄から石の世話を押し付けられていたこともある。

  • 伊知割 トシアキ

四コマなどを書いている漫画家で、石の三男。作品自体は面白いらしい。

  • 石の四男

名前不明で新婚。

  • 石の妹

名前不明で、とある学校の事務長をしており生涯独身。姉よりまともそうなフリをしているが勤務先の学校の入試で不合格者の番号を張り出すなど本質的には姉に近い意地悪。

  • 石の夫

回想のみに登場、本編では故人。仲人に騙され石と結婚して4児を儲けたが、新婚当初から散々な目にあってきて、死に際には順一に「仲人口を信用するな」と言い残した。


映像化編集

意地悪ばあさん

1967年から1969年にかけてC.A.L(テレビドラマ版「水戸黄門」を手掛けたテレビ番組制作会社)の手によってテレビドラマが制作され、日本テレビ系列局ほかで放送された。読売テレビがホスト局を務めている。もともとは青島幸男が主人公を演じていたが、諸事情により8代目古今亭志ん馬に交代、さらに最後の約3ヶ月は高松しげおに交代した。


1970年10月から1971年8月まで、ナック(現・ICHI )によってテレビアニメ版が制作され、やはり読売テレビホスト・日本テレビ系列局で放送された。ここでも高松しげおが主人公役を務めている。


1971年10月から12月にかけ、フジテレビ系列局で舞台中継版が放送された。藤村有弘が主人公を演じている。


1981年10月から1982年12月にかけて、フジテレビ系列局(ただし一部系列局除く)で、2度目のテレビドラマ版が放送された。再び青島幸男が主人公役を務めたほか、第1作で青島の代わりに主人公役を務めた8代目古今亭志ん馬と高松しげおが、それも同じ回に遊びに来た事がある。

実は設定などは第1作のリメイクだったりする。

その後1983年から1989年にかけておよび1999年()に、スペシャルドラマとして放送された事がある。ちなみに1983年から1987年の間は月曜ドラマランドのプログラムのひとつとして放送された。

制作はテレパック。

意地悪ばあさんと聞いたらこちらの方が有名。

ドラマ版では主人公の名前が「波多野タツ/たつ」に変更されている(同音だが、表記はytv版がカタカナ、フジはひらがなとなっている)。


  • :なしてこの間空いているのかというと、この時期は青島幸男が政治家をやっていた時期だからである。「青島幸男が都知事やめたら新作作るんだぜ」という下馬評通り、青島氏が都知事を任期満了で再出馬せず退任した年に作られた。

1996年4月から1997年6月まで、フジテレビ他で2度目のテレビアニメ版が放送された。ただし、放送途中で打ち切ってしまったテレビ局も少なくない。アニメ制作はエイケン野沢那智が主人公の声を当てている。

映像版の人気と知名度が高いからかこのアニメ版は知らんと言う人が大多数。


2009年から2011年にかけて3度、フジテレビ系列局(ただしテレビ宮崎除く)で2時間ドラマ版が放送された。制作はオセロット。市原悦子が主人公役を務めたが、女性タレント・女優が主人公を演じたのは、なんとこの作品が初めてであった。


エピソード編集

  • 元ネタになった「意地悪じいさん」も、原作漫画で、主人公がイギリスに行った回にゲスト出演し、主人公をギャフンと言わせている。
  • 実は長谷川町子は、最初のテレビドラマ版を快く思っておらず、原作漫画で、テレビドラマ版を批判したかのようなものを描き殴った事があった。また、長谷川はアニメ版「サザエさん」も快く思っていなかった(ただしこれについては一説では初期のドタバタすぎる内容に対してだったとされている)。
  • 主人公の毒牙にかかったのは周りの人物だけでなく、サザエさんや、映画監督の市川崑、小説家の松本清張もその被害に遭っている。
  • 作者の長谷川も登場した事があるが、主人公をひどい目に遭わせるわ毎日新聞の担当記者をイビるわと主人公以上にやりたい放題やらかしている。だが休載が続いた時は主人公にリベンジされてしまう(けどこれってある意味自虐ネタだよな)。
  • 生前の長谷川および死後の遺族などの意向により、映像化作品はソフト化されていない。
  • 1981年版ドラマの主題歌で、後の作品でもアレンジされて使われた「意地悪ばあさんのテーマ」、演奏しているのは声優5人組のバンド・スラップスティックで、ヴォーカルは古谷徹が務めた(他に古川登志夫三ツ矢雄二曽我部和恭野島昭生が参加)。

関連タグ編集

こにくらじいさん:かまちよしろう原作のギャグ漫画で、こちらは逆に傍若無人な爺さんの騒動記。これまた月曜ドラマランドでドラマ化されている。

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