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この名を持つ女性は珍しくもないが、pixivにおいては

  1. 木下順二の戯曲『夕鶴』における鶴の化けた女性
  2. 吉川英治の小説『宮本武蔵』のヒロイン

のどちらかであることが多いので、ここでは両方記載する。


鶴女房の「おつう」編集

昔ばなし「鶴の恩返し」を題材とした戯曲におけるヒロイン。以降も、絵本や小説などで「鶴の恩返し」を題材とする場合、主人公とヒロインを与ひょう、おつう呼称にすることが多い。


元々は雪の降る中、罠にかかり身動きが取れなくなっていた雌のタンチョウヅルである。しかし与ひょうに助けられたことで、恩を返すために人間の美女の姿となり与ひょうのもとを訪れた。つうは羽根を抜いて機を織り、その鶴の千羽織は高級ブランドとして名をはせたが、与ひょうに対し「織る時は決して障子を開けてくださるな」と命じていた。

与ひょうとつうは誰もが羨む夫婦となった。しかし夫婦の中で隠し事は難しいもので、与ひょうは見るなと言われた障子を好奇心に任せて開けてしまう。そこで目にしたのは、鶴の姿に戻ったつうであった。

お前だったのか、と泣き崩れる与ひょうの下を、抜け落ちたみすぼらしい翼を振るいつうは飛び立っていく。キラキラと輝く涙を降らせながら…。


このように異種婚姻譚見るなのタブーを混ぜ込んだストーリーから人気が高く、日本昔話の中でも特に悲劇性が高い話として知られている。


宮本武蔵の「おつう」編集

吉川英治の小説『宮本武蔵』のヒロイン。

モデルである小野お通は本来は武蔵より一回り近く上であり、小倉碑文どころか沼田家記や二天記といった武蔵関連の資料にも一切登場しない。勿論小野お通の史料にも武蔵の名は登場しない。

したがって、ほぼ名前と人物像のみ流用したオリジナルのキャラと言ってもよい。


生まれは天正13年(1585年)、初登場時16歳で武蔵の1歳下。

武蔵や本位田又八(この人はパーフェクトに架空である)らの幼馴染であり、美貌と才気に恵まれていた。

元は又八の母・お杉婆に勝手に又八の許嫁にされていたのだが、本心はいつも武蔵のことを想っていた。

二人が関ヶ原の戦いで敗走し、徳川方から追われる身となると、又八が浮気してお甲に入れ込んでいることを知り愕然とする。そして野獣と化した武蔵が徳川兵を殺して宮本村に逃げ込むと、沢庵(武蔵と知り合ったという史実は無い)と共に武蔵の保護を行おうとし、反省のために木につるされて野ざらしにされた武蔵に食事を与えるなど献身的に仕えていた。


武蔵が沢庵に諭されて勉学に励み「天」を掴まんと新たな人生を歩んだのちには、何度も武蔵を追いかけ西へ東へと旅を続けるなど半端ないバイタリティを有する。武蔵の最初の弟子である青木城太郎と一緒に武蔵を追いかけたり、柳生石舟斎に師事したり、お杉婆に殺されそうになったり、又八に攫われたりと波乱万丈な人生を送り、そのような状況下でも武蔵への思慕だけは一切揺らがなかった

武蔵にしてもおつうのことは好きであったが、剣の道を征くうえでは何度も自らの心に去来する「壁」となった。



そのようなものすごく濃いキャラクター性から実在の人物、もしくは小野お通がマジで武蔵と恋仲だったと勘違いする読者が後を絶たず、創作で武蔵が登場する際にはかなりの確率でおつう(あるいはそれに類する人物)が登場する。

大河ドラマ『武蔵-MUSASHI-』では米倉涼子が演じたことで知られる。


二次創作における武蔵の恋人・おつう編集

バガボンド編集

おつう

吉川版のコミカライズであるが、原作よりさらに行動的であり、又八にフられた時には「阿呆ーーー!! 又八の阿呆ーーーーっ!! お甲って誰よー!!」泣きながら鐘を突きまくるという壮絶なリアクションを見せた。

原作に比べて純朴な所があり、武蔵のことは「武しゃん」と呼んでいる。

石舟斎の下で暮らしていた時期が原作より長くなっていたため、彼からは本当の孫娘のようにかわいがられていた。おつうも深く石舟斎を敬愛しており、石舟斎が自分を置いて天に召された時には涙している。


YAIBA編集

ムサシ公認の恋人であり、登場当初はムサシとはぐれてしまったため、未来から来た鉄刃を「自称武蔵」(当時、勝手に武蔵を名乗っていた奴がわんさかいたのは史実通りである)に仕立て上げ、本物と再会するのを待っていた。その強引な手法から刃からは「顔だけじゃなくて性格までさやかそっくり」と評される。


仮面ライダーゴースト編集

演:齋藤めぐみ

『劇場版仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間』で登場。

本作では遂に武蔵と結婚しており、武蔵が現世にいた際には眼魂島に取り残されていたらしい。

ちなみにゴースト世界においてはどうも小野お通なる人物は存在せず代わりにこちらがいるという扱いのようで、ゴーストアイコンも彼女のものになっている。紋章は笛を吹く姿。


創作でも本当に武蔵と結婚できたのはこの作品くらいではなかろうか?(史実では武蔵は生涯独身のまま死亡、養子の宮本伊織が家督を継いでいる)


からくり剣豪伝ムサシロード編集

CV:水谷優子

著作権の都合か、先述の戯曲をもじったのか「オツル」名義で登場。

ムサシの故郷ミヤモト村の少女で、初登場時10歳。茶髪のおかっぱ。孤児でガキ大将だったムサシの唯一の理解者であり、ムサシがタクアンに捕らえられて改悛した際には「日本一強い武芸者になって迎えに来て」と告げ、ムサシと別れた。以降は原作(?)通りタクアンと共にムサシの旅を追っているが、バトルがどんどんインフレしていくにつれて出番が少なくなっていき、しまいにゃ新ヒロインのセンヒメから「覚えてる人少ないでしょうけど」呼ばわりされていた。

話の半分以上センヒメ&コジロウとムサシの3人旅が続いていたので、再会した際にはセンヒメにメチャクチャ嫉妬していたが、誤解が晴れてからは仲良しになっている。

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