概要
てんとう虫コミックス40巻及び、藤子・F・不二雄大全集14巻に収録「恐怖のたたりチンキ」に登場。
この容器に入った薬を被害にあった人や動物、物にかけると、それがその夜オバケのような姿となって現れ、恨みを抱いた人物の枕元に現れる。ただし頑張れば昼間でも行動できる。
ストーリー
夜中に目を覚ましたジャイアンは障子に映った化け猫にびっくりし、襲われた際の悲鳴を聞いてやって来た母ちゃんに訳を説明するも、ばかばかしいと信用してもらえず今度寝ぼけたらはったおすと言われてしまった。しかしその後再び化け猫が現れ悲鳴をあげたことで外に蹴り出され、一晩中まんじりともできなかった。
この話を聞いたドラえもんは「いつも猫をいじめているからだ」と言い、スネ夫に関しては「たたりなんてあるもんか。ジャイアン寝ぼけてたんだよ」と言ったために殴られてしまった。そしてジャイアンはドラえもんに相談し、言われた通りいじめたネコに魚も備えて二度といじめないことを誓いなが謝罪した。
帰り道でのび太はたたりが本当に起こることに驚くが、ドラえもんから実は「たたりチンキ」を使っていたことをタネ明かしされる。するとその時空地の木に子犬が綱手繋がれていたのを発見し、子犬にたたりチンキをかけてタイムテレビでその後を確認してみると、子犬を捨てた男性が化けて出た子犬に怖がり、誤りながら迎えに来るという映像が映っていた。
これに安心した2人は家に帰って来ると、ママが庭で何かを燃やしていて、それはのび太の部屋に会った漫画だった。抗議をしても、先生からもっと勉強させるようにとの電話があったからだと言われてしまい、のび太は悲しみに暮れるが、灰になった漫画にたたりチンキをかけることを思いつく。
そして夜まで待つこともできなかったので、頑張って今脅かしてもらうことにし、居間で新聞を読んでいたママは出現した巨大な漫画のお化けに挟まれるなどして襲われ、外に跳び出してその場にいた主婦たちに、たたりが本当にあることや、もう二度と本を焼いたりしないことを誓った。
だがのび太はもっと恨めしいのは先生だと、ドラえもんが止めるのも聞かず、たたりチンキを自分に振りかけた。だが夜、先生の枕元に現れたのび太の祟りは脅かす暇もなく、こんな時間にフラフラと夜遊びしているから勉強ができないんだと叱られ、庭にも立たされてしまったので、のび太の祟りは本物ののび太に「うらめしい」と掴みかかるのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1987年6月5日に、水田版は2019年8月30日にそれぞれ放送している
1987年版
- サブタイトルが「たたりチンキ」に変更
- 就寝時ジャイアンは下着姿だった。そしてジャイアンは母ちゃんと一緒にもう一度部屋にあ入った際、バットを持っていて、母ちゃんは「今度騒いだらしょうちしないよ!!」と言って、軽く殴るまねを見せて帰って行った。このため再度ジャイアンが悲鳴を上げた際も殴っているだけのようであった。
- 翌日ジャイアンが皆に化け猫の話をしていたのは空地で、自分の目を指で吊り上げて化け猫の特徴も説明している。またジャイアンは「何でもするから」と言ってドラえもんに頼み込んでいて、猫にお供えした魚は魚2尾だった。そして猫も最初は警戒していたが、安全だと分かると安心して食べ出した。
- ドラえもんがジャイアンにたたりチンキを使ったのは、いつも被害にあっている猫たちを同じ猫仲間として見過ごせなかったからだった。
- 子犬は綱手繋がれておらず、ミカンの空き箱の中に捨てられていた。また捨てた男性の前に化けて出た際には、具体的な容姿は映らなかった。
- ママが漫画を燃やしたのは、漫画の中に0点のテストが隠してあったからで、先生から電話はかかってきていなかった様子だった。また、漫画のオバケが出てきた時、ママは台所で雑巾がけをして、漫画には挟まれそうになったが何とか回避した。
- この光景を見ていたドラえもんはママのことを少し可哀そうと言ったが、のび太から「ひどいことをしたんだからたたられるのは当たり前さ!」と返してきたので、「元をただせばのび太くんが悪いんでしょ」と言って、のび太も少し反省しているようだった。
- のび太が先生への恨みを晴らそうとした際、ドラえもんは実際に止めに入っている。
^のび太のたたりが先生に叱られている一方で、のび太の方も先生に叱られ廊下に立たされる夢を見てうなされている。
2019年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面にて、ママを追いかけていたのはお化けになった漫画一冊だけだった。
- 母ちゃんが出て行った後、ジャイアンの目には天井木目がお化けに見えて怖がっていた。そして再び化け猫が現れると、ジャイアンは部屋にあった物をかたっぱしから投げた後、枕でもはたいて撃退しようとしたが、その正体が母ちゃんだったためはったおされることとなった。これゆえに外には放り出されていない。
- ジャイアンは猫を無理に追いかけていじめていた。ちなみに謝った際に供えたのは魚の開きだった。
- ドラえもんはその場を去る前に、自動で餌が出て来る皿型のひみつ道具を犬の前に置いている。
- スネ夫がまだ使えるおもちゃを捨てようとしたので、これにたたりチンキをかけ、夜になって復讐され怖がる様子をタイムテレビで見る下りが追加されている。
- のび太が文句を言いに来た時、ママは台所でエンドウ豆の皮をむいていて、漫画は燃やしたのではなく、単に捨てたと言っていた。そしてまだ間に合うかもと、古紙回収工場にどこでもドアで行き、作業員に尋ねて今日回収してきた分を教えてもらったが、その時にはもうちぎられた状態だった。ちなみにその漫画のタイトルは『ヤンピース』だった。
- ママがもう子供の漫画やおもちゃを捨てたりしないと誓ったのは、しずかの母親だけだった。
- 先生が着ていた寝間着はひよこ柄だった。