概要
10月6日(日)放送の第76話よりスタートした、本作の最後となる長期エピソード。
ゲゲゲの鬼太郎ファンにとって無くてはならない名悪役で、“日本妖怪の総大将”として名高い鬼太郎最大の宿敵・ぬらりひょん。
いつ登場するのかと視聴者達を期待させ、『ゲゲゲの鬼太郎・第6期』の放送開始から約1年半が過ぎた結果、本作最大の悪役として満を持して遂に登場する。
ストーリー
大逆の四将の封印を解いて脱獄させた真の黒幕は、過激な手段で妖怪達の復権を狙っている、あの日本妖怪の総大将・ぬらりひょんである事が発覚した。
地獄の閻魔大王にも全く臆そうともせず、大胆不敵にも鬼太郎ハウスに乗り込んで来たぬらりひょんは、鬼太郎親子に宣戦布告も同然の宣言を行いまた姿を消した。
妖怪だけでなく人間の中でも巧みに取り入る形でぬらりひょんは妖怪と人間の対立を煽り続ける行動を取り、妖怪達の中にはぬらりひょんに賛同する者が次々と現れ、更には鬼太郎の仲間達の中にも、自分達の利益や都合しか考えようとしない身勝手な人間達を見ていく内に人間を守る事に疑問を抱く者が出始めようとしていた…。
更に人間側でも、自らの妖怪への個人的な嫌悪感と恐怖心から内閣総理大臣が妖怪を排除する為の法案として『妖対法』を執行させようと目論んでおり、おどろおどろの一件で「鬼太郎個人への逆恨み」を「妖怪全体への憎しみ」に膨れ上がらせていた小野崎美琴は後先考えないも同然で妖対法を支持し、反妖怪運動の訴えを行っていた。
そして、カミーラを始めとする吸血妖怪が集めた人間の生き血と落雷、そしてぬらりひょんが持ってきた富士の能力によってバックベアードが復活を果たし、遂に第二次妖怪大戦争の引き金が引かれようとしていた。
果たして鬼太郎は、ぬらりひょん率いる妖怪軍団と人間の対立を止め、バックベアードを倒す事が出来るのか?
作風
キービジュアルに描かれている通り鬼太郎とぬらりひょんの激突を描くが、今回は6期全体のコンセプトを発展させた「争いの醜さ」を顕著に示す内容となっているのが大きな特徴。
ビジュアル全体に描かれるメッセージも、赤い文字は妖怪を拒絶する人間達の声、黒い文字は人間を憎む妖怪達の声という事が読み取れる。
互いに敵意や身勝手さを膨らませた人間と妖怪との深刻な対立が巻き起こり、鬼太郎とぬらりひょんという主役2人ですら、最終的には悪化し過ぎた状況を制御出来ない無力な存在として描かれた程。
また、これまでの章は主に夜や地獄といった「人知れぬ暗い場所」で進行していたが、この章では朝や昼といった様な「白昼堂々の街中」がメインとなっており、それまで何度も提唱されていた「棲み分けによる秩序」が無惨に崩壊していく様を表している。
同時に今までの話で残した怨恨の再来など、過去作より“人間と向き合ってこなかった”6期鬼太郎自身への精算も訪れる、変化球ながら集大成に相応しいストーリーとなった。
余談
第6期のぬらりひょんは大塚明夫が演じており、忍たま乱太郎で父の大塚周夫が演じていた山田伝蔵を引き継いでいた事もあり、ゲゲゲの鬼太郎でも父親がやったキャラを演じたと勘違いした視聴者もいるかもしれないが、大塚周夫はゲゲゲの鬼太郎の方でぬらりひょんを演じた事は無く違う妖怪アニメである。