概要
てんとう虫コミックス5巻及び、藤子・F・不二雄大全集1巻に収録。
前者の場合だと順番が違っているため気付きにくいが、本エピソードは「ドラえもんだらけ」の後日談にあたり、冒頭でのび太が持ってきたどら焼きから、ドラえもんが宿題を連想したのはそのためである。
ストーリー
のび太はドラえもんを君付けし、彼の好物のどら焼きを持ってきたが、本人はそうそうに「宿題なら、ダメ」と言い放った。「よくわかったな」と言うのび太だったが、ドラえもんに毎日毎日同じことを繰り返していることを指摘。これにのび太は「手伝ってもらわないと間に合わないもん」と言うが、ドラえもんはどうしてそうなるのか疑問で、このへんで徹底的に反省してみる必要があるのではと言い、のび太も持ってきたどら焼きを食べながら納得しかけるも、答えは「今夜ゆっくり考えてみる」だった。
これにドラえもんは「それがいけないんだ」と怒り、のび太はのんびりし過ぎていて、「はっきり言えばのろま!くずだ!」とまで言い出した。この言葉に腹を立てるのび太だったが、当のドラえもんはやるべきことはぱっぱっとやることを主張し、「クイック」と「スロー」を取り出した。そしてのび太にクイックを飲むことを勧めたが、後で飲むと返されると今すぐ飲むよう迫り、のび太にまず自分が飲むよう言われたので、まずは自分が試飲。
するとのび太のことを「のび」呼ばわりし、「のび太くんなんて、まどろっこしくて!」と言って彼を机に向かわせ宿題を刺せたが、その最中も落ち着きがなく部屋中を動き回り、大声を上げながら準備体操までし出した。そしてのび太が宿題の分からない箇所を相談しに行こうとすると、「ぱっぱと行って来い」と言って見送り、のび太は人生はのんびり行こうと、やっと一息付けた。
だがその時ドラえもんが出迎えにやって来て、のび太からこれから行くところだと聞かされると、「じれったいな、もう」と先を急がせ、しずかの家の呼び鈴を素早く鳴らして疾風の如く家の中に入り、しずかのも早くするようせかしだした。そしてのび太に、こんにちはと言いながら靴を脱がせ、彼女の母親が持って行こうとしたお茶のポットを持って直接のび太の口に注ぎ、焼き芋は食べる前におならをするようせかし、食べ終わるとおじぎをさせてとっとと撤退。
だがのび太からまだ用が終わっていないことを聞かされると、呆れたと怒り出し彼を引きずりながらuターンし出した。これにのび太は止めるよう頼み、スローの方を飲んで元に戻ってくれと懇願したところ、自分がクイックを飲むのか聞かれたのでそれを承知。だがドラえもんは間違えて自分がクイックを飲んでしまい、更に動きが早くなったことでのび太がスローを渡す暇もなく遠くへ走り出してしまった。
これにはさすがに追いつけなかったため、のび太もクイックを飲むことにしたが、間違えてスローを飲んでしまったので動きが非常に緩やかになってしまった。その間にドラえもんは疾風の如く帰宅し、その風でママが描いていた書類も吹き飛んでしまい、何とかふすまに捕まったドラえもんだったが、ガラス窓を割ってまた外に跳び出していってしまった。
体はくたびれているのに気ばかり焦ってしまい、早く薬を飲まないと壊れてしまうと焦るドラえもんだったが、一方のび太は足元を這っていたカタツムリと競争をしていて、通りかかった男子はこのことを聞いて驚いていた。そんな中ドラえもんがやって来て、この男子はのび太がどこにいるのか早く教えるとと噛みかかられたので、教えようとしたがドラえもんは答えを聞く前にじれったいと言って走り去ってしまった。
その頃一方のび太は玄関まで帰宅していたが、誰かがドアを開けてくれるのを待っていたので、結局家に入れたのは、パパが帰ってきた夜のことだった。そしてパパはこのクイックとスローをドロップと勘違いし、のび太が本当のことを言い終える前に飲んでしまい、どこかに走り出して行ってしまった。その後、効き目が切れたドラえもんは青森からやっと帰宅でき、のび太も同じく効き目が切れて宿題を始めようとしたが、その時パパとママが部屋に入って来て走り出したため、のび太は「だから、薬は嫌だと言うんだ」と言って行った。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年10月13日に、水田版は2005年4月22日及び、2015年7月10日にそれぞれ放送している。
1979年版
- サブタイトルから「、」が消されている。
- のび太はどら焼きをいくつも持ってきていた。
- のび太が「のろまは生まれつきだ」と言った後、ドラえもんも「そうだ生まれつきだ」と肯定していて、のび太は歯をむき出しにして嫌そうな顔をしている。
- ドラえもんが「焼き芋は食べる前におならをする」と言う描写はカットされている。
- のび太の「効き目が消えるでしょう」のセリフは「なんとかなるでしょう」に変更されている。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんが高速回転を始め、しまいには倒れるというものだった。
2005年版
- 冒頭ドラえもんは、部屋でのび太がちらかしたおもちゃなどを片付けて、のび太はドラえもんのことをくん付けする以外にも様付けしていた。
- ドラえもんはのび太のことをぐず呼ばわりした以外にも、めんどくさがり屋で、勉強嫌いで、すぐに人に頼ろうとすると言っていた。そしてのび太も、ドラえもんにはっきり言われて目が覚めたようだったが、思っていたのは早く手伝ってもらって終わらせようだったので、ドラえもんはずっこけてしまった。
- ドラえもんはのび太をへ連れ戻した際、マジックハンドを使用している。
- のび太の「せっかちは嫌だな」のセリフは「効き目強すぎだよ」に変更されている。
- ドラえもんはポットでのび太にお茶を飲ませてはいない。
- のび太にクイックを飲むよう言うシーンは、自分で宿題をする気になったか聞くシーンに変更され、なったと言われると靴を渡している。
- 野比家の居間の窓はもともと開いていたため割れていない、
- カタツムリとの競争中に通りかかったのはジャイアンとスネ夫で、競争のゴールラインは横断歩道の白線だった。またこの後スネ夫はドラえもんに振り回され目を回して言いる。
- パパはコロンを化粧品の試供品だと思っていた。
- ラストののび太のセリフは「これじゃあ、宿題が手に付かないよう!」に変更されている。
2015年版
- のび太はドラえもんをくん付けしていなかった。
- のび太の「のろまは生まれつき」というセリフのうち、「のろま」は「のんびり」に変更されている。
- のび太はドラえもんから逃げた際、階段を踏み外して尻もちをついている。
- のび太は走り出したドラえもんを追いかけてはおらず、クイックとスローを間違えることに関しては、ありえないと言っている。
- 2005年版と同じく、野比家の居間の窓は開いていた。
- のび太とカタツムリの競争の場にやって来たのは、2005と同じくジャイアンとスネ夫で、カタツムリはフェンスの飢えを這っていて、ジャイアンとスネ夫はのび太に呆れていた。
- 道具のせいで宿題が全然進まなかったことを聞かされると、ドラえもんは道具のことを謝り、一緒に宿題をやろう言っていた。
今回登場した、ひみつ道具
クイック&スロー
錠剤がたの道具で、クイックは飲むと言動が非常に早くなり、スローは飲むと逆に遅くなる。ちなみに2005年版では、「気分コロン」という香水型の道具となっていた。