概要
てんとう虫コミックス13巻及び、藤子・F・不二雄大全集9巻に収録「「弓やで学校へ」に登場(雑誌掲載時のサブタイトルは「ゆみやといっしょにとんでいけ」)。
弓と糸付きの矢と的の3つで構成されており、その的と同じ色の矢を使用することで、的を設置した場所へ移動することが出来る。
ちなみに作中における名称は不明で、上記の名称はTC11巻収録「ドラえもん大事典」にて設定されたもの。しかし『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』及び『ドラえもんのひみつ道具使い方事典1』、下記の2020年版では「どこでも行ける矢」という名称になっている。
ストーリー
ジャイアンとスネ夫が遅刻しそうになり走っている中、のび太は家の庭で呑気にうがいをしていて、2人が遅刻するぞと忠告しても「しないもん」と返し、ママに呼ばれ朝食を食べに行ってしまった。これを聞いてジャイアンとスネ夫はまだ早いんだと思い、のんびり行くことにしたが、一方野比家ではママがのび太に急いで学校に行くようのび太を急がせていた。
だがのび太は今日から絶対に遅れないと余裕な態度をとっていて、ドラえもんもランドセルを渡しのび太と共に2階へと上がって行った。ママが玄関はこっちだと言っても2人はこっちでいいと返し、のび太は屋根の上で「はこび矢」を使いドラえもんに見送られながら学校へと飛んで行った。のんびり歩くジャイアンとスネ夫の上空を高速で飛んで行ったのび太は、予め置いておいた的の場所に着地し間に合い教室に入ることができたが、ジャイアンとスネ夫は遅刻をしてしまい先生に叱られ廊下に立たされてしまった。
これに腹を立てた2人は下校時にのび太に仕返しをすると決め、校門の前で待ち伏せし、のび太がしずかと下校している隙を狙って矢を奪おうとしたが、のび太は彼女と共に青い矢を使い飛んで行ったしまった。無事彼女の家に着地した二人は菓子やジュースを味わった後、バトミントンをしに緑の矢を使って空地に移動。
再び2人が飛んでいく様子を見たジャイアンとスネ夫は、既にヘトヘトにだったため追いつけなかったが、野比家の庭で赤い的を発見。一方のび太としずかはバトミントンを楽しんでいて、遊び終えた後のび太は赤い矢で帰って行ったが、先ほどジャイアンとスネ夫が赤い的を移動させていたため着地した際に捕まってしまい、矢を奪われてしまった。
2人は試しに緑の矢を使ってみることにしたが、先ほどしずかが帰った後、犬が緑の的を咥えて移動させていたため、2人はどぶ川へと落ちてしまう羽目にはなった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年7月10日に、水田版は2020年10月10日にそれぞれ放送している。
1979年版
- 冒頭のシーンではジャイアンの方が前を走っていた。また朝食のシーンは皆ちゃんと台所で食べていて、ドラえもんはどら焼きを食べていた。
- のび太はドラえもんに捕まって学校まで飛んでいた。だが、着地が上手くいかず少し怪我をしてしまい「のび太くんの手助けは大変だ」と言っていた。そしてのび太が下校してくるまで門のそばで待っていたため、下校時はのび太にしずかの家に青い的を置いてくるよう頼まれてしまい、渋々タケコプターで向かった。更にこの後、空地に緑の的も置きに行かされている。
- しずかはバトミントンが終わった際、緑の的をどうするのかのび太に聞いているが、茂みの中に置いてあるからとのび太はそのままでいいと言っていた。
- ドラえもんものび太と一緒に緑の的へ向かって飛んでいたため、この後のび太と共ににジャイアンとスネ夫に捕まっている。そしてラストでは、溺れる2人に「人の物を盗んだ罰ですよ」と言っていた。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんが緑の的を持っていたところ、飛んできた屋が鼻に当たってしまうというものだった。
2020年版
- 冒頭には、ドラえもんが紫の矢と的を使って、パパがいる会社まで忘れてしまった書類を届けに行く下りが追加されており、のび太はこれを見て、翌朝に使用することを思いついた。
- ジャイアンとスネ夫が通り掛かった時、のび太は部屋の窓からあくびをしていて、1979年版と同じく皆は台所で朝食を取っていた。
- のんびり歩いてきたジャイアンとスネ夫は、目の前で校門が閉められるのを見て驚いていて、先生にはガミガミ叱られるだけで廊下に立たされる描写はなかった。
- ジャイアンとスネ夫は矢と的を盗むのではなく、大量のどら焼きでドラえもんを買収し手に入れた。そして帰り道でスネ夫は母親と出会ったため、家に黒い的を置いてきて欲しいと頼んでいる。だが、庭で料理をしていた彼女がこの的を鍋敷き代わりに使っていたため、川から脱出したジャイアンとスネ夫はこれに衝突し、そばに置かれていた具材を頭からかぶることになってしまった。
- この後2人は再び矢を使用したが、的は京都へ出張へ出たパパが持っていたため、彼が乗った新幹線と衝突しそうになり、同じく矢を使い再び書類を届けに行ったドラえもんとぶつかったことで軌道がずれ川に落ちそうになったが「空飛ぶうす手じゅうたん」で何とか回避した。だが、飛んでいる最中に何とかしようとジャイアンが服を脱いだため、パパの元には書類と共に服も届きポカンとした顔になっていた。