概要
てんとう虫コミックス43巻及び、藤子・F・不二雄大全集15巻に収録。
このスプレーを吹きかけたものはどんなに下手なものでも上手に思えて感動してしまう。
ストーリー
のび太は宿題の絵がうまく描けず悩み、しまいには破こうとしだした。これにドラえもんは「もったいない」と絵を取り上げるが、その絵を見るや「幼稚園みたい」と大笑いし出した。これよりのび太は怒って出て行ってしまい、宿題を持って行かないと叱られる、持って行っても笑われると、板挟みになってしまい気分転換に遊ぶことにした。
しかしこんな時に限って誰もおらず、しかたなく空の土管で昼寝をしようと思いついたが、そこには「ジャイアン音楽院」なる紙が貼られていた。見なかったことにして慌てて帰るのび太だったが、家に着いた時には既にジャイアンが玄関の所に来てしまっていた。これにのび太はまたも慌てて引き返し、しずかの家で時間を潰そうと思ったが、その時しずかはバイオリンを演奏していて、のび太はたまらず引き返すことにした。
しかしその時ジャイアンと会ってしまい、空地の張り紙を見たか聞かれ、見なかったし知らなかったと頑張って説明するも、音楽院を開いた経緯を聞かされた上半ば強制的に入学させられてしまった。そしてさっそく裏山で歌の練習をすることになり、じゃいは自分が歌った後に続くよう言い、のび太も頑張って歌ったが、音痴や下手くそと木の棒で鞭打たれてしまった。
これをモニターで見ていたドラえもんは可哀そうに思ってのび太のもとに向かい、のび太が精神を鍛えなおせと、ジャイアンからウサギ跳び100回を命じられその場を離れた隙をみて、のび太にへたうまスプレーをかけてあげた。これによりのび太は驚くほど上手く歌えるようになり、ジャイアンも「俺の次くらいに上手くなった」と感動してのび太に卒業を許可した。
その後ドラえもんとのび太はしずかと出会い、母親から近所迷惑になるからバイオリンはよそで弾くよう言われたと聞くと、このスプレーをかけてあげた。するとしずかの演奏に2人は感激して、しずかも「こんなに褒められたのは初めて!!」と嬉し泣きをして喜んでくれた。
それから帰宅した2人は先ほどの絵にもスプレーをかけると、両親から「ピカソよりすごい」と褒められ上機嫌だったが、翌日にはスプレーの効果が切れていたため、学校にこの絵を持って行ったのび太は案の定クラスメイトに大笑いされてしまった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1989年7月28日に、水田版は2007年6月22日2024年3月9日にそれぞれ放送している。
2007年版
- サブタイトルが「のび太がピカソに!? へたうまスプレー」に変更
- のび太が宿題で描いた絵には色も塗られていた。
- ジャイアンがのび太に大きな声でもう一回言うよう迫るシーンでは、電線にとまっていたいたスズメやゴミを漁っていた犬が逃げ出す演出がなされた。
- 歌の練習の際ジャイアンはのび太を鞭打っておらず、うさぎ跳び100貝は裏山10週に変更されている。また、のび太の歌に感動した際はハグをしている。
- しずかと出会ったのは裏山の中で、演奏したのもここだった。そしてこの演奏を聞いていたジャイアンはぜひコラボさせて欲しいと申し出ていて、この後スプレーをかけた上でドラえもんとのび太はこの2人の共演コンサートを開いている。
- 更にこの演奏を聞いて感動したスネ夫はプロデューサーを申し出、ビラも作って町中に配り大々的に宣伝している。これにより2人はテレビ出演するまでになったが、翌日にはスプレーの効果が切れていて、そのことは知らない先生が教室で2人が出演している番組をつけたため、教室は大パニックとなった。
- 因みにこの時ドラえもんも様子を見に来ていて、ラストには気まずい顔をしたドラえもんが横で謝りながら「お聞き苦しい箇所がありました事をお詫びもし上げます」というテロップが表示された。
2024年版
- 2008年版と同じくのび太が宿題で描いた絵は色も塗られていた。
- のび太は外出してすぐ、道路に落書きをして遊んでいる幼児たちを見ていて、この後遊び相手を探して、グラウンドや公園を回っている。
- ジャイアン音楽院の張り紙は横書きで書かれていて、剛田武の部分には赤ペンで囲まれ強調されていた。
- のび太はしずかの家に遊びに来た際、彼女に呼ばれてバイオリンの演奏も聞かされたが、我慢できずに「用事を思い出した」と言って抜け出した。
- 「オンチ」のセリフは「やる気あんのか!」に変更
- スプレーをかけられた後、しずかがまた叱られないか心配する描写はカットされ、褒められた際うれし涙は流していなかった。
- ラストでのドラえもんとのび太のやり取りはのび太の部屋で行われていた。