書籍情報
概要
ポプラ社から出版されたシリーズ。
同社の人気シリーズ『かいけつゾロリ』は本作の絵を担当した原ゆたか氏が執筆する続編である。
基本的にはゾロリが悪事を企み、ポイポイ達にちょっかいを出しては、ほうれんそうマンに逆襲され退治される、『アンパンマン』などと同じく典型的な勧善懲悪物の絵本である。
しかし絵本の世界な為か、ゾロリの企む悪事は時折どこか滑稽な物が有り、やられては泣き喚く悪役ながらどこか憎めないキャラクター像であるゾロリは、良い子であるポイポイより次第に子供たちに人気を獲得していったらしく、その後本シリーズ終了に伴い原氏がみづしま氏の許可を得てお気に入りだったゾロリを主役にした単独シリーズを獲得するに至った。
テレビアニメ版の『ゾロリ』ではこれらについては一切触れられておらず、最初から無かった設定にされている。
その後のゾロリシリーズの大ヒットのおかげで、現在ではすっかり影が薄くなってしまっており、両作に出るのはゾロリ、妖怪学校の先生、ゾロリーヌ(ゾロリの母)くらいで、主人公のポイポイはそれ以降音沙汰がない。一応、ゾロリの第一作の「ドラゴンたいじ」に付属している「ゾロリしんぶん」にほうれんそうマンシリーズが宣伝されている程度(この時にポイポイのイラストもあるのだが、この時のセリフは「僕のことも忘れないでね」、これが現時点でのポイポイの最後の登場シーンとなっている)。また、原作に付属している「ゾロリしんぶん」の連載漫画「ゾロリちゃん」にヒロインのすみれをモチーフにしたと思われる「うさぎちゃん」が登場している。
一方、『ゾロリ』の原作(絵本)全エピソードの巻末に「このお話の主人公かいけつゾロリは原ゆたかがみづしま志穂の了解を得て新たに執筆したものです」という旨の表記が必ず記されている。本作に興味を持ったのであれば是非読んでみるのをオススメする。
なお、同じかいけつゾロリの関連作品であるイシシとノシシが主人公の『スッポコヘッポコへんてこ話』はもっと!でアニメ化されているのだが、本シリーズは無印にアニメ化された『きょうふのやかた』で本シリーズでの出来事をなかったかのような描き方をされたためか、アニメ化の兆しは未だにない。
登場キャラクター
ポイポイ
豚の男の子。ほうれんそうを食べると、ピンクのお顔・緑のマントのほうれんそうマンに変身し、数倍のパワーが出せる。
年齢は初登場時6歳、最終的に小学2年生。
ゾロリ
本作では悪役としての登場。ゾロリ城に1人で住んでいる。『ゾロリ』シリーズで見られる股旅姿は、「ゆうれいじょう」の最終ページのみの登場である。年齢は初登場の時点で99~100歳(!)、最終巻『ゆうれいじょう』で102歳の誕生日を迎える。
最終回でいたずらの王者になるべくゾロリ城を飛び出し、『かいけつゾロリ』第1作に繋がっていく。だが、最近はゾロリ本人もその目的を忘れがちである。
なお、その後のゾロリ城についてだが、ぼくしさんロボットの「世界で一番好きな人の名前を言って指輪を交換すれば、あなたはこのお城のお姫様です」と発言とゾロリの「すみれちゃんと結婚できなきゃ城を追い出される」と言う発言からポイポイカップルに明け渡したと思われるが、真相は不明。
ポンチ
狸の男の子。泳げない。
シマオ
大柄な虎の男の子。
イヌジ
スミレちゃん
うさぎの女の子で本作のヒロイン。ロリコンなゾロリに狙われる。
さゆり先生
ポイポイ達の担任で、ゾロリの憧れの的。
ようかい学校の先生
「ようかいじま」で初登場し、『ゾロリ』シリーズにも準レギュラーとして登場している。
ゾロリママ(ゾロリーヌ)
『ゾロリ』シリーズにも登場するゾロリのママ。ただし、設定は若干異なっている。
シリーズ一覧
番号 | タイトル | 初版 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | へんし~ん ほうれんそうマン | 1984年11月 | ゾロリのデビュー作 |
2 | ほうれんそうマン よいこの1年生 | 1985年3月 | |
3 | ほうれんそうマンのおばけやしき | 1985年7月 | |
4 | ほうれんそうマンのじどうしゃレース | 1985年12月 | |
5 | ほうれんそうマンのようかいじま | 1986年7月 | 妖怪達の初登場 |
6 | ほうれんそうマンのようかいがっこう | 1987年2月 | 前作の続き |
7 | ほうれんそうマンのゆうれいじょう | 1987年6月 | シリーズ最終巻 |
かいけつゾロリと異なる設定
- ゾロリが変身・変装するとき
『ほうれんそうマン』では「ゾロリゾロゾロナムゾロリトワッチ」もしくは「ナムナムゾロリナムゾロリトイッ!」と言って変身した。『かいけつゾロリ』ではそう言った台詞は無く、変装となっている。
- ゾロリママの死亡時期
『ほうれんそうマン』では、ゾロリが3歳の時に死亡したが『かいけつゾロリ』ではゾロリが小学一年生の時点でまだ生きている。
- ゾロリ一家が住んでいた家
『ほうれんそうマン』では大きな城、『かいけつゾロリ』では小さな一軒家となっている。
- ゾロリママの性格
『ほうれんそうマン』では幽霊となってゾロリの悪事を応援しているが、『かいけつゾロリ』では良き母親としてゾロリの旅を応援している。しかし、悪事を働いていることは知らないが、度が過ぎたイタズラをしでかした場合は読者に謝罪している。ただし、アニメ版の『かいけつゾロリ』では息子のイタズラ修行を応援している。
その様な設定や矛盾があるのかほうれんそうマンはゾロリのパラレルワールドなのでは?と、考察する人もいる模様。
余談
- 言及はされていないが、ポイポイの名前や「ほうれん草を食べると超人的なパワーを引き出す」能力はポパイの影響を受けていると思われる。しかしポパイは一度きりのモブキャラの筈が、何をやっても死なない不死身な個性が人気を博して主人公になった経緯があった。
関連タグ
…後述は本作と同じく外伝・スピンオフが有名になった一方で、その影に隠れてしまった本編作品(カッコ内は外伝・スピンオフ作品)。
ゾロリと本作の関係のように、世代や趣味趣向によっては本編のほうを知らないというケースも少なくない。