概要
人類を除けば(というか野生の生き物としては)もっとも高い位置を飛ぶ事で有名な鳥。ツルの仲間(ツル科)としてはもっとも小柄で、全長95cm。ちなみにタンチョウは1.6メートルある。
たべもの
雑食性で、虫や魚はもちろん、草の葉、芽、種子等を食す。ちなみにツル科はいずれも雑食性。
分布
アジアとアフリカに分布するが、日本にはいない。モンゴルの高原、中東、インド、アフリカの湿原、水田、草原等に生息し、モンゴルの草原地帯で繁殖。夏の終わりになるとチベット高原に集まり、ヒマラヤ山脈を越えてネパールやインドに渡って冬を越す習性を持つ渡り鳥である。
渡り
ヒマラヤ山脈と言えばかのエベレストを擁する超高山地帯であり、さすがにエベレスト越えは難しいようだがそれでも5000~8000mの高さを飛ぶのだから凄まじい。そこは気温が-30℃と(日本の)真冬どころか並みの冷凍庫より寒く、気圧や酸素の量も地上の半分以下、超高山故に紫外線もバリバリ降り注ぐ魔境だと聞けば、これがどれほどの偉業か伝わるだろうか……。
当たり前だが最初からこんな超鳥だったわけではなく、長い進化を経て順応することができたのだ。それこそ「渡りのルートに障害物があるって?じゃあ飛び越えればイイじゃない!」と言わんばかりに。
なお鳥には気嚢(きのう)と呼ばれる「酸素を取った後の空気を貯めておく袋」が肺についており、それがこの薄い空気でも特に問題なく行ける理由。ちなみに恐竜の時代から気嚢を備えた連中はいたらしく、いわゆるカミナリ竜(竜脚類)も巨体に効率よく酸素を運ぶためにこれを備えていたという。単純に軽量化にも繋がり、自重で体にかかる負担を多少減らせるメリットもあるので、形は変われどこいつらにはうってつけの機能というわけ。
そんなアネハヅルもツル類なのですぐには飛び立てず、「気流が乱れてうまく飛べないのー」という状態から風を待って飛ぶことになる。
だが同じようなコースで渡りを行う鳥、インドガンは根性で飛翔する。
やせいの ちからって すげー!