テレビ朝日で放送されたバラエティ番組『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!』に登場したアトラクション。
概要
金属棒を曲げて製作されたコースの中に、金属製の棒を差し込んだ状態で接触しないようにゴールを目指すという趣旨のゲーム。コースには電流が流れており、金属棒が接触すると通電、爆発(派手に火花を散らす)してゲームオーバーとなる。
コース上には大掛かりな仕掛けが様々設けられており、それらをどう攻略するかが見どころとなる。
参加者は安全面の配慮から、ゴーグルと耳栓、場合によっては革手袋などを着用してゲームに挑戦する。
一般視聴者の他多くの有名人も挑戦したが、中でも柳沢慎吾は割と終盤まで進むなど好成績を見せている。
番組上の演出として、人間vsマシンというテーマが設定されており、チャレンジ失敗=爆死=マシンの勝利、チャレンジ成功=陥落=人間の勝利という事が強調されていた。
後発のバージョンではコース自体が擬人化ならぬ擬ロボット化され、地球征服を狙う「イライラロボ一族」と呼ばれるロボット型の仕掛けが登場、それに対して立ち向かうチャレンジャーというストーリー性が付与された。
レギュラー扱いで放送されていたのは1995年~1997年までの間だが、後期になると
前コースが攻略されてしまったために難易度を上げる=難しくなりすぎて達成者が
なかなか出なくなったり、単純に飽きられて視聴率が低迷した為か放送されなくなっていった。
その後、1998年から1999年にかけて不定期・コラボ枠で何度か放送された事はあるが、
2000年以降はTV番組としては放送されていない。
考案者は後に映画監督に転向した三木康一郎氏。
番組で登場したコース
爆裂電流イライラ棒
ウッチャンゾーン・ナンチャンゾーンの区別はなく制限時間は全部で30秒。全長が長いためスピードが必要。
- ウッチャンヘアピン
U字形(ウッチャンのU)のカーブ。
- ナンチャンカーブ
N字形(ナンチャンのN)の中央にクランクカーブが設けられている。
- 澤プロデューサーのつながり眉毛
以降の共通ルール
- 前半のウッチャンゾーン、後半のナンチャンゾーンからなる2ステージ制。
- 制限時間は各エリア30秒。
- ウッチャンゾーンの残り時間をナンチャンゾーンに持ち越せる。それ以外のゾーンは持ち越せない。
- 各ゾーンの間に休憩ゾーンがある。
スーパー電流イライラ棒
立体エリアが登場。
- スーパーウッチャンヘアピン
初代よりも細くなり、突出部が低くなった。これにより棒の位置を目線で合わせるのが困難になった。
- ウッチャン渦巻き
右回りで内側に進んだ後、左回りで外側に進む。
- ウッチャン奥の細道
足元にある細い一本道。歩くのが難しい。
- ナンチャンいろは坂
左右に行ったり来たりするつづら折り
- ナンチャンカーブひねり
立体カーブ
- ナンチャンフラッシュ
稲妻形のエリア
- 澤プロデューサーのつながり眉毛
初代と比べ小さく曲線的になっている。
ウルトラ電流イライラ棒
可動トラップと分岐が登場。
- ウルトラウッチャンヘアピン
- ウッチャン風車
3つの風車が回転している。奥の細道か中山道のいずれかに進む。
- ウッチャン奥の細道
目線近くにある細い一本道。歩きやすいので難しくない。
- ウッチャン中山道
グニャグニャのカーブ
- ナンチャンエレベーター
上下に行ったり来たりするつづら折り。早い話がナンチャンいろは坂の縦版。
- ナンチャンプレス
4つのプレスが上下に往復している。
- ナンチャンカーブ2回ひねり
複雑化した立体カーブ。
- 澤プロデューサーのつながり眉毛
「剃って細くなった」の名の通り更に幅が細くなり、つながり部分が立体化。
ファイナル電流イライラ棒
デンジャーボックスが登場。ナンチャンゾーンをクリアするまでその中身は明かされなかった。
- ファイナルウッチャンヘアピン
立体カーブ。
- ウッチャンスリーセブン
回転する3つのドラムにスリットが入っている。ギロチンと動く歩道に分岐する。
- ウッチャンギロチン
ギロチンが前後に往復移動している。
- ウッチャン動く歩道
下側のコースフレームが上下移動している。入り口の幅が狭く、スリーセブンの構造上入りにくかったので選んだ挑戦者は三浦理恵子、紅夜叉含め4名しかいない。
- ナンチャン迷路
単純な迷路なので迷うことはないが、初代イライラ棒の攻略者はここで脱落した。
- ナンチャンローラー
円形の障害物が向かってくるので退避所に入らなければならない。
- ナンチャンムーンサルト
極限まで複雑化した立体カーブ。その複雑ぶりは最早口では言い表せない…(ナレーター談)
- イライラロボ(デンジャーボックス)
テレビ朝日プロデューサー・澤將晃氏がモデルの「イライラ一族の長」。コース全体も澤のイニシャル「S」を象っている。
右手・左手・眉毛が動く。
電流イライラ棒リターンズ
太陽でトルネードと下エリアに分岐し、さらに下エリアは無鉄砲と意気地なしに分岐する。ナンチャンゾーンは10秒ごとに昇降を繰り返すエレベーターに乗ってプレイする。
- ウッチャンヘアピンリターンズ
上側のコースフレームがプレス化し、上下移動している。
- ウッチャン太陽
反時計回りに回転する円盤にプレスが付いている。
- ウッチャントルネード
横向きのバネが回転しているので少しずつ進める。
- ウッチャン無鉄砲
長くて速いプレス。無鉄砲を通ってゴールするとナンチャンゾーンで15秒間無敵になる。
- ウッチャン意気地なし
無鉄砲の退避所。ここに入ると無鉄砲には戻れない。
しかし、通っても何のデメリットもない上、上述の15秒間無敵の恩恵は少ないため多くのチャレンジャーはこちらを選択した。
- ナンチャン細道縦式
ここからエレベーターに乗って上昇し、細い縦の一本道を抜ける。
無鉄砲通過時の15秒間無敵はここで適用され、エレベーターの速度も一定なのでその恩恵は少ない。
- ナンチャンコンベアー
エレベーター下降と共に、下からバーが迫ってくる。
- ナンチャンカーブ縦式
複雑な立体カーブ。代替わりごとにカーブが増えて行った結果、この代に至ってはN字形が完全に崩れてなくなった。
- イライラロボ夫人(デンジャーボックス)
ファイナルで陥落した夫の敵を討つべく襲来した「イライラ一族の母」。
こちらも全体的に「S」を象ったコースをしているが、澤プロデューサーの妻がモデルかは不明。
夫同様右手・左手・胸・眉毛が動く。
- メカウンナンエース(デンジャーボックス)
回転する頭に内村光良と南原清隆の顔が描かれた、イライラ一族を陰で操っていた黒幕。
実況を担当した大熊英司アナは「ウッチャンナンチャンの化身」と呼称。
ウンナン歯車とウンナンプレスがある。ウンナン歯車はウッチャン風車と似ているが歯が噛み合っている。ウンナンプレスは回転ドラムの両隣にプレスがある。ドラムに気を取られてプレスに潰されるか、プレスに気を取られてドラムの回転に巻き込まれるかというチャレンジャーの心理が試される。
電流イライラ棒USA
マンハッタントルネードはファーストステージとセカンドステージの間にあり、マンハッタントルネードとセカンドステージの間は休憩ゾーンがない。
- ワシントンコーナー
- ラスベガススロット
- ロッキーマウンテン
- マンハッタントルネード
縦向きのバネが回転している。このエリアのみ制限時間が減らない。
- グランドキャニオン
- ハリウッドスター
- ナイアガラフォール
これらのほかに特番バージョンなどがある。
電撃イライラ棒
市販されたイライラ棒。当然番組とは違い爆発しない。小型のものから大型のものまで様々なタイプがあった。
アーケード版
ウルトラ電流イライラ棒をモデルにしたコースの大型筐体(横幅2.4m、高さ1.9m、奥行き0.7m)がゲームセンターに設置されていた。当然爆発しない。棒は番組のものと比べてかなり大きい。
上記とは別に、ビデオゲームとしてトラックボールで操作するアップライト筐体ものもあった。共に開発はSNK。
また、景品排出型のエレメカゲームも存在した。こちらはNMKの開発。
家庭用ゲーム機版
NINTENDO64とプレイステーションで発売された。
64版はハドソンから発売された。番組のコースを忠実に再現。
PS版はザウルスから発売された。コースエディット機能がある。番組のコースは一部しか収録されていないが、トラックボール版のコースも収録されていた。
64版はこっちを参照⇒ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー電流イライラ棒
その他のイライラ棒
TVチャンピオンの手先が器用選手権では「プルプルラビリンス」「プルプルモンスターマシン」が登場。棒の先端が平たくなっていて、そこにサイコロを積み重ねる。もちろんサイコロが落ちても失格となる。これを誰かがクリアするまで続けるというのだからひどい。そしてTVチャンピオン極のチェーンソーアート王選手権では丸太にチューブを2本取り付けたイライラ棒が登場。2本のチューブの間をチェーンソーで切り進んでいく。手先が器用選手権のものよりははるかに難易度が低いが、それでもチェーンソーを使い慣れた人でないと難しい。
摂津市鉄工会もイライラ棒を制作している。複数のコースが存在する。
突然の秋葉原降臨
2020年1月、アニメ「とある科学の超電磁砲T」放送を記念して秋葉原の秋葉原UDX前でミニ大覇星祭が開催。そのアトラクションの一環にあったのが…「ビリビリ棒」と名前と外装を変えたイライラ棒の筐体の姿だった。このため、当時を知る世代からまだ筐体が現存してあった事実も含め反響を呼んでいる。
アニメを知らない方のために補足しておくと、主人公の御坂美琴が電撃使いの超能力者で上条当麻からビリビリ中学生と呼ばれていることにかけている。
俗語的用法
障害物を避けながら長いコースを延々進んでいくゲーム性を(主に否定的なニュアンスで)揶揄する際に
この「イライラ棒」が比喩として使われる事がある。
前述の通り、本家は放送されなくなって久しいはずだが、類似するゲームに他にわかりやすい他名称がない事、
簡単な電子工作で作れるために子供向けの科学館や科学教室で頻繁に製作されている事、
類似ルールの玩具・アプリなどが「イライラ棒」という名称を使っている事などから
現在でも何故か通りが良く、しばしばインターネットスラングとして使われている。
一方で、「イライラ棒」と形容されつつも人気の以下のようなゲームもある。
任天堂公式のコースではありえないような高難易度・操作精度が求められるコースジャンルとして
「イライラ棒系」という通称が使われる事がある。
- くるくるくるりんシリーズ
回転する棒状のヘリがコース外周に触れないようにコントロールしながら進むゲーム。
回転方向を逆転させる仕掛けなど、パズル的な要素もある。
少女を「ホタル」「カゲホタル」を使って誘導し、ゴールを目指すゲーム。
後半のギミック難易度がかなり高く、イライラ棒を連想させるようなステージもある。
フリゲー。鬼畜ゲーとして流行したが、中でもトゲだらけのステージを
慎重に進まなければいけないエリアはイライラ棒と比喩される事が多い。
主にSteamで死にゲーとして人気の横スクロールアクションゲーム。
一部ステージは非常に狭い隙間を通り抜けないといけない局面があるが、
リトライがやたらと早いため安心して(?)死ねる。