概要
テレビアニメ『ポケットモンスター』(第8シリーズ)に登場する謎の組織。
前シリーズまでのムコニャに代わる悪役ポジションであり、ポケモンハンターの集団を除けば、アニメ完全オリジナルの悪の組織は何気にシリーズ初。
そのエンブレムは、中央に描かれた大きな菱形から飛び出すように、左側にΣっぽいマークがあると共に右側には小さな菱形が入っている。見方によっては弓矢を右向きにしたようなデザインであり、それを組織のシンボルマークとしている。
過去に登場したロケット団を始めとする数々の悪の組織と比べると組織の規模はあまり大きく見えない。潜入や調査といった雑事さえも幹部クラスのメンバーが行う所からもそうした点がうかがえる。
あくまで公式では「悪」ではなく「謎」の組織として説明されているが…?
何らかの目的のためリコの持つペンダント(もとい、その正体)を、その力を引き出す彼女の身柄ごと付け狙っている。
ライジングボルテッカーズに存在を認識されていた事から一定の知名度はある模様。
フリード博士曰く悪名高いとの事。
実際に例を挙げてみれば、
- 拉致監禁未遂
- ブレイブアサギ号への妨害工作
- リコを洗脳した上でペンダントを強奪する
と言った具合に悪事が中々ハード。
幹部は普段はそれぞれの場所でリコの持つペンダントを奪取するために活動しており、会議が行われる時はリモートを使って面を合わせることが多い。
ただ幹部間の仲は基本的に険悪で失態をすれば責め立てられ、他を出し抜こうと潰し合いをする等ギスギスした関係が目立つ。遂にはスピネルを中心に幹部ぐるみで「ライジングボルテッカーズと協力した」と言う濡れ衣をアメジオに着せ、ボスのギベオンからの信頼を失墜させる等、かなり陰険なやり口も使う。
またポケモン同士も主人達同様不仲で、顔を合わせるとお互い牽制し合うような様子を見せる。
中盤においては、アメジオ隊どころかハンベル率いる部隊が大敗して以降はラクアを目指す関係上、ライジングボルテッカーズの事はあくまで監視対象にして必要以上に関わらない方針を固めた模様。
テラスタルデビューからは大きく目立つ行動を控えてより監視に徹している。
実力
異常な質の高さ
特筆すべきなのが、組織の規模としての大きさ(※)よりも総合的な質が異常なまでに高く、幹部はおろか下級構成員に及ぶ作中に登場したメンバー全員の手持ちポケモン全てが、最終進化系または進化しないがそれらに匹敵するポケモン達で構成されている点。(ただし特別な条件等で進化するポケモンを除く)
加えて空を移動する手段として飛行出来るポケモンまで完備されていて、構成員の速やかな移動と任務の遂行、何かあった場合の退却までもスムーズに行うことが出きる。単なる移動用ではなく、上記に基づいた最終進化と同等のポケモンであり、妥協が一切無い。
これでもかと言わんばかりに隠れ特性持ちのポケモンやテラスタルオーブまで所持している者も。
ヘリコプターや潜水艦といった軍事力も所持しているだけでなく、スパイ活動用に腕時計型の組織の制服へと一瞬でチェンジ出来る変身アイテム、発信機とそれを受信して位置情報を特定する手段も揃えているため、一度組織に狙われたら空の果てだろうと追跡される。
物語の途中からではなく、最初から極めて質の高い悪の組織に狙われ、本腰を入れて戦ってくると言うのは他に類を見ない。
※ただし後に、ボスの家系が親子三代で所属していたり、エクシード社の研究対象である永遠のめぐみの存在を把握していたりする(何ならエクシード社の筆頭株主がエクスプローラーズの可能性さえある)など、規模の大きさも示唆されている。
非常識かつ非情な強さ
総合的な手持ちポケモンの質の高さだけでなく、幹部以上は桁違いで一人一人が純粋に強く、加えて舐めプもほとんどしてこない。
駆け出しルーキーのリコロイでは戦術を組むどころか、圧倒的なレベルの差だけで容赦なく叩きのめされ、しかもフリード博士以外のメンバーでは全く太刀打ち出来ない程。その彼でさえも本気を出し尽くし、切り札まで投入しなければ勝てなかった場面もあった。
幹部同士仲が悪いと言っても、バトルにおいてはある程度連携してくるため、実質弱点にはなっていない。
簡単に説明すれば、区切りとなる大ボスを倒して勢力または組織を壊滅させ、大きな戦いに勝利した経験を持つ主人公チームが、勢いそのままに次のエピソードで戦う様な新たな敵勢力であり、まるでクリア後を想定した様な相手と言える。
頭脳においても常に有利に立ち回り、特にハッキングや電脳戦といった分野では非常に強いメンバーが所属しているため、あわや完全敗北の一歩手前まで追い詰めたことも。
虚報の成功率も高く、困ったらとりあえず謀略を仕掛ければライジングボルテッカーズは十中八九引っかかってしまう。わずかでも時間を稼ぐことによって、その間に組織が受けた損失を回復させて体勢を立て直している。
また、幹部が一人動き出しただけで船内が大混乱に陥ったり、登場だけでメンバーに緊張が走ったことも。良いように振り回されてしまい、対応が後手後手に回ることも多い。
こうした組織の質の高さと強さから、バトルでは必然的にチームのエースであるフリード博士に頼らざるを得ないため、ライジングボルテッカーズは総力を尽くして戦うことになる。
強すぎた影響と減る出番
余りにも強すぎるため、リコロイが頑張って挑んでも黒星を重ねる展開が続いたことで、結果として若い芽が摘み取られてしまい、さらに組織に狙われていた当時の作中の空気もあってか、ポケモン達の出番や共に成長する機会が満足に行えず、作劇的に新たな問題が起きてしまっていた。
アメジオが任を外されてしまった影響が物語に最初に表れ、ルーキー時代のリコロイが勝利することが出来た数少ない相手かつ僅かながら組織のコメディリリーフも担っていたジルとコニアの出番が減らされる。
新たに幹部3人の登場から本腰を入れてくると思いきやこれを機に、エクスプローラーズ全体の出番が段階を踏んで少しずつ減り始めていく。
特に古城での戦い以降、リコが祖母ダイアナと別れてからは顕著となって裏側で暗躍するといった描写も一切見せなくなり、極端なまでに減っている。その頃にはジルとコニアの出番はほぼ無くなっていた。
テラスタルデビューではジムリーダー達に加えて、原作における頂点に近い強さの四天王まで登場が決定。
幹部も何名か監視として学園に潜入したが、流石に彼らの前では、これまでのような大暴れとまではいかなくなった。
そして幹部であるサンゴの素行の悪さ、オニキスの天然さや苦労人気質が目立ち始めるなど、この強大な組織にも愛すべき弱点が生まれ始めている。
これまでジルとコニアが担っていたコメディリリーフはこの2人に取って代わられ、正体に一瞬で気づいたリコたちにすらあまり警戒されなくなっているようだ。
構成員
上層部
幹部
スピネル(声:古川慎) |
---|
エクスプローラーズの幹部を務める青年。失態続きのアメジオに代わって登場。 |
使用ポケモン |
オニキス(声:小野寺悠貴) |
エクスプローラーズの幹部を務める巨漢。失態続きのスピネルに代わって登場。 |
使用ポケモン |
サンゴ(声:大谷育江) |
エクスプローラーズの幹部を務める少女。オニキスと組むことが多い。 |
使用ポケモン |
アゲート(声:舞羽美海) |
エクスプローラーズの幹部を務める女性。スピネルと共に下剋上を目論む。 |
使用ポケモン |
アメジオ一派
アメジオ(声:堀江瞬) |
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エクスプローラーズに所属する青年で、ギベオンの孫。ジルとコニアの上司。 |
使用ポケモン |
ジル(声:田邊幸輔) |
アメジオの部下として行動する男。 |
使用ポケモン |
コニア(声:志田有彩) |
アメジオの部下として行動する女。 |
使用ポケモン
|
余談
名前関係
恐らくメンバーの名前の由来は宝石から付けられた物と思われる。
なお、テラスタルデビュー編において幹部達は偽名を使用しているが、「サンドウィッチ」「オニギリ」「アゲパン」…と食べ物だったりする(前者二つは咄嗟だとして、それでいいのか?)。
ポケモンに対して
また悪役サイドのポケモントレーナーだが、過去作の例に漏れずそれぞれがポケモンにしっかり愛着を持って育てている。例を挙げるなら
- 任務外では基本的にボールから出している
- 会議にも一緒に参加する
- 待機中にポケモンを愛でている
- トレーナーに自爆特攻を命じられても躊躇なく実行
- なつき進化するポケモンを相棒にしている
このことから、少なくとも自分のポケモンに対する思いは一般的なトレーナーと同じであると思われる。
関連タグ
明かされた実態
⚠️25話のネタバレが含まれます⚠️
- 25話、ハンベルと対峙したダイアナの口から「(エクスプローラーズという団体は)かつていにしえの冒険者と呼ばれたルシアスの仲間だったのではないのか」という疑問が放たれ、ハンベルがこれに「そこまで判っておいででしたか」と返答したためほぼ事実であることが確実視されている。
- ここから、エクスプローラーズは最低でも100年前まで遡れる歴史ある組織であったと推察できる。在りし日にルシアスと当時の組織の間に何があったのか、今日に至るまでに何をしていたのか、非合法活動も辞さずにテラパゴスを求める目的とは何なのか、多くの真実は未だ謎に包まれている。
- そもそも、組織名にもなっている「Explorers(エクスプローラーズ)」は「探検家たち」「調査する人たち」という意味合いであるため、「かつて冒険者と関わっていた」という展開には納得という声も少なくない。
- 27話ではオニキスがサンゴに対し「お前のせいでエクスプローラーズの評判が悪くなる」と毒づいており、元々悪の組織として結成されたわけではない可能性もうかがえる。ちなみに当のサンゴとスピネルは「何でもありがエクスプローラーズ」「悪名が広まれば我々に逆らう者も減る」と、彼の非難を意に介していない。
- 54話ではエクシード社の研究施設にスピネルが研究員として潜入しフリード博士の動向を探っていた。研究施設が社員証による認証システムを用いていたことを踏まえると、スピネルが社員証を偽造したりクラッキングにより入れるようにしたりした可能性も否定できないが、同話では永遠のめぐみについてはエクシード社の社長すら事情を知らない一方で、ギベオンやアメジオなどのエクスプローラーズの面々には周知であったこと、社長いわく「(永遠のめぐみの研究は)上から持ち込まれ、外部の研究チームが取り仕切っていた」ことから、スピネルはエクシード社の研究施設に立ち入る権限を持った外部の研究チームの一員だったと考えることもできる。この関係性が正しいとすれば、エクスプローラーズはエクシード社より上の立場(少なくとも主要株主、株の保有割合によっては筆頭株主にもなる)であり、大企業を後援する経済基盤を確保するほどの大規模な組織であると推察できる。