概要
二人とも同じGUND-ARM(ガンダム)使い。名字が惑星由来など共通点がある。
第1話でガンダムを操るスレッタに興味を抱いたエランが第2話において、独房で孤独な彼女に係に代わって食事を差し入れたのが2人の出会いである。
泣きながらそれを食べるスレッタを見守るエランと、彼の「君に興味があった」「君のことをもっと知りたい」発言等、まるで乙女ゲーのようなシチュエーションに視聴者は「百合かと思ったら乙女ゲーだった」、「百合に挟まる男はイヤだけどエランならアリ」等おおむね好評の声があがっていた(また一連の流れから千と千尋の1シーンのようだ、とも)。
なお、エランは第3話でスレッタと(決闘委員会としての仕事でもあったが)連絡先を交換。その後グエルに決闘で勝利したスレッタへ真っ先に祝福と思われるメールを送っている。
後に、エランは強化人士4号という立場が判明。スレッタに対しエランは決闘を申し込む。一方、エランのことをほとんど知らないスレッタは、自分が勝ったらエランについて教えて欲しいという報酬を彼に提示。そして…。
解説
※1話〜5話は公式ノベライズの表現をそのまま引用しているため、詳しくは小説を参照。(2023.5.25時点)
第1話
「GUND-ARM…ガンダム」
入学早々グエルと決闘を行うことになったスレッタだったが、エアリアルに乗り戦術試験区域に現れたのはミオリネだった。
この時、決闘委員会であるエランもラウンジにあるモニターにて観戦が可能な状態であったが、シャディクに「エランは見ないのか?」と聞かれるも、本を開いたまま一切視線をあげることなく「興味ない」と答えている。
その後、ミオリネからエアリアルを取り戻したスレッタがガンビットでグエルを追い詰めると、エランは読みかけの本を閉じモニターを凝視した。その際に発したのが冒頭のセリフである。
第2話
「スレッタ・マーキュリー。……きみのことをもっと知りたい」
禁忌である『ガンダム』のパイロットとして尋問を受け軟禁されていたスレッタの元に、エランが食事を届けにやってくる。空腹もあり初めは彼の存在を意識からとばしていたスレッタだったが、自身をじっと見るエランの姿に慌てて涙を拭い、恥ずかしそうに彼を見た。
感謝の後、彼が親切にしてくれる理由を問うたスレッタに対し、エランは「きみに興味があったから」と間髪入れず返す。目を丸くする彼女にエランは真剣な眼差しで、
「スレッタ・マーキュリー。……きみのことをもっと知りたい」
そんなことを言われたのが初めてのスレッタは、自分でも頬が熱くなるのを感じていた。
その後、再決闘の約束を取り付けたミオリネが部屋に入ってくるまで、スレッタはエランのことを考えていた。小説ではその時の心情について、無重力なこともあり心までふわふわとしているみたいだったと綴られている。
第3話
──Congratulations!
グエルとの再決闘のため、ミオリネの温室までスレッタを迎えにきたエラン。それを見たスレッタはさっと彼に歩み寄り、彼が決闘委員会のメンバーだと知ったことではにかむような表情を見せた。
「連絡先わからなかったから」「交換、いいかな?」とスレッタの意志を問いながら生徒手帳を出すエラン。スレッタはそのためだけにここに来たのだろうか?と疑問に思いつつも心を浮き立たせ、二人は無事に連絡先を交換した。
「リストの12番、叶いました」と、嬉しそうにやりたいことリストについて語るスレッタに、そんなものを考えたことすらなかったエランは「……他にはどんなことが?」と尋ねる。『氷の君』という学園での通り名や『人形の王子といったコンセプト(アニメディア2023年2月号 キャラクター原案:モグモ氏インタビューより)』と言われているエランだが、小説においてスレッタは彼のことを「同世代の男の子」と思っており、生まれて初めてのこうした他愛ない会話に目を輝かせていた。
指折り数えてリストの項目を語るスレッタだったが、ミオリネにその1つが「デートする」であるとばらされ、大慌てで声をうわずらせてしまう。そんな彼女に構わず、エランは無表情のまま「リスト──たくさん叶うといいね」とささやいた。
その後の決闘において、グエルの父親から指示を受けたジェターク寮の妨害により、スレッタはピンチに陥る。直ちに決闘を中止するよう求めたミオリネに対し、エランは「決闘は平等じゃないよ」と表情一つ変えず返した。状況を打破すべく動き出すミオリネに対し、エランは懸命に持ちこたえているスレッタを静かに見つめながらつぶやく。「君が魔女なら切り抜けられるはずだ」
激戦の末、無事に勝利を収めたスレッタの生徒手帳に、誰よりも早くエランからメッセージが届く。
──Congratulations!
その文字を見ただけで赤くなってしまうスレッタだったが、間もなく他の生徒たちからもメッセージが届きはじめ、エランからのメッセージの余韻に浸ることはできなかった。
第4話
「また困ってる?」
実習の再試験に必要なメカニックとスポッターが見つからず、途方に暮れているスレッタの元に現れたエラン。その際、彼が発したのが先のセリフである。顔をあげずともその声の主がエランであると分かっていたスレッタは、予想だにしない彼の登場に「まさかこんなところで会えるなんて」と不意打ちされた気分だった。
どうして分かるのかと尋ねるスレッタだったが「……きみはわかりやす過ぎると思うけど」と返され、さっと顔をふせてしまう。しかし彼女にとってエランからの視線は決して不快なものではなく、そのまま、誰も手伝ってくれないのだと心の裡を明かすこととなった。
「じゃあうちの寮に来る?」「イヤ?」
「ぜっ!ぜんぜんっ。うれしいですっ。い、いいんですか……?」
悩みを聞いてもらえただけで心底嬉しかったスレッタだったが、彼女の悩みを全て吹き飛ばしてしまうそんな提案に興奮ぎみに立ち上がる。そのまま見つめあう2人だったが、ミオリネの乱入により雰囲気はぶち壊されてしまう。
御三家であるエランは敵、自分目当てで親切なふりをしているだけだと主張するミオリネだったが、当のエランからは「僕はキミに興味ないよ」と一刀両断され、その彼をマネキン王子と呼んだことでスレッタからも「なんてこと言うんですか!」と不満をぶつけられてしまう。
「エランさんは、寮に誘ってくれて、や、やさしくて、親切で、すごく……」
何の話だと問いかけるミオリネに対し、エランはスレッタが実習のメンバー集めをしていたことを告げ2人と別れるのだった。
その後ミオリネの部屋に赴いたスレッタは「ミオリネには悪いけれど、エランの誘いをうけておけばよかった」と思っており、花嫁の乱入がなければペイル寮に赴く気でいたことが小説で明らかになっている。
第5話
「スレッタ・マーキュリー……きみは、ぼくとは違う……!」
夕食に使うゆで卵のカラを剥いていたスレッタだったが、ダイゴウ寮の生徒と3対1の決闘に挑むエランについつい気を取られてしまう。決闘の結末はエラン属するペイル社の会議室でも見られていた。
エアリアルが『ガンダム』ならば、最大の懸念である非人道的な問題をクリアしていることになる。それを探るべく、4人のCEO達はその後の方針を固めた。
「強化人士4号に動いてもらいましょう。彼なら、あれがガンダムかどうか、確かめられるはず。そのために用意したのですから」
一方、地球寮ではアリヤがスレッタを占っていた。一通り自身の占い結果を聞いたスレッタが「ここにいない人も占えますか」と尋ねると、占いたい人の誕生日が必要だと返される。脳裡に浮かべたエランについて何も知らないとうつむく彼女だったが、その直後、当のエランから電話をもらう。
「そ、その……つきあってくれ、って」
それは、今度の休日におでかけしないかという、まるでデートのようなお誘いだった。
地球寮のみんなが抱く『氷の君』の印象と自身の思い描くエランとの違いに困惑していたスレッタは、そのままエアリアルのコクピットで母親のプロスペラに電話をかける。皆には聞かれたくない秘密の話として今度のおでかけについて話した彼女は、プロスペラの「友達と行くんでしょ?」という問いに「その……よく知らない人」と返していた。
同時刻、ペイル社のラボでエランはエアリアルとダリルバルデの戦闘を見ていた。
「スレッタ・マーキュリーはおそらく強化人士だ」
「ガンダムに乗るためだけにつくられた人間。ぼくと同じようにね」
「彼女の顔も、別人のものだったりして」
エランの言葉は辛辣だったが、ベルメリアはそんな彼の様子に違和感を覚える。「あなた、ひょっとしてうれしいの?」
スレッタは自分と同じなのかもしれないと思っていたエランだったが、素直にベルメリアの言葉を受け入れるはずもなく、バカバカしいとばかりにつめたい顔つきで学園へ戻ってしまった。
おでかけ当日、チュチュにファッションチェックをしてほしいように姿勢を正していたスレッタは、エアリアルを整備してくれた地球寮の皆への感謝と、鬼の形相で乗り込んできたミオリネに対する動揺でごちゃまぜの感情のまま、MSコンテナに乗り込みエランとの待ち合わせへ向かう。
「スレッタ!ロミジュリったら許さないからね!」
エアリアルを狙うペイル社のエラン、エアリアルを開発したシン・セー開発公社のスレッタ。敵対するもの同士の2人が惹かれ合うことになったら、まるっきりロミオとジュリエットではないかと危惧するミオリネだったが、残念ながらその声はスレッタに届いていなかった。
ペイル寮にて、スレッタ到着を知らせるブザーを聞いたエランは読んでいた本をぱたんと閉じ、うわずった声の彼女とともに出かけていった。その光景を見ていた生徒たちは、ホルダーであるスレッタが来たこと、エランがずっと待っていたことに唖然とする。この件は一大事として、休日にもかかわらず他寮にまで広まることとなった。
戦術試験区域11番にMSコンテナが到着すると、エランは今回のおでかけの趣旨が決闘委員会の仕事であったこと、自身のザウォートが整備中なためにエアリアルを借りることを伝え「悪いね」と謝罪を口にしている。しかしスレッタは「いえ!お手伝いできて、その……、うれしいです」と元気に答え、2人はエアリアルに相乗りすることとなった。ガンダムであるはずのエアリアルを難なく操縦する彼女に「いつからこの機体に?」「君のこと、もっと聞かせてほしい」「つらかったり、苦しかったりは?これに乗ることが」と、彼女に問いかけるエラン。しかし彼女の愛情に充ち満ちた表情に目を見開き、バイザーが触れるほど近くでその表情を見つめてしまう。
一方スレッタは、せまいコクピット内で体を寄せ合うような状況、さらに彼から注がれる視線にもじもじしたり赤面したりと調子を狂わされていた。その中で思い切って「たたた、誕生日、教えてくださいっ!」と伝えるも、「お願いがあるんだけど」と流されてしまう。
「エアリアルに、一人で乗ってみたいんだ」
「きみの家族に乱暴はしないよ。だから」
唐突な申し出に困惑するスレッタだったが、最後には彼の願いを聞き入れた。もしかしたら、彼は誕生日を聞かれたくなかったのかもしれない。失敗したとしょんぼりするスレッタだったが、同時にここから何とか巻き返さないとという気持ちも抱いていた。
一方、エアリアルを借りたエランは「ぼくなら暴ける。おまえがガンダムかどうか」とリンクを開始。しかしガンダムである証明とは裏腹にデータストームがなかったことで絶望する。
「スレッタ・マーキュリー……きみは、ぼくとは違う……!」
うなるようにつぶやくエランの両目には狂気が滲んでいた。
その後エアリアルから降りてきたエランに対し、スレッタは謝罪ののち「誕生日、聞かれたくなかった、ですか?」と尋ねるも、彼は視線を合わせることもなく横を通り抜けてしまう。
「……誕生日?そんなもの、ぼくにはない」
「鬱陶しいよ、きみは」
「モビルスーツが家族?あんなもの、ぼくには呪いでしかない」
「同じだと思ってたのに……。きみは、ぼくと」
冷淡に言い放ったエランは、目に涙をうかべるスレッタを見ていなかった。
その時、2人のデートを聞きつけやってきたグエルはスレッタの涙を見て「こいつに何をした。返答次第では……」と怒りをあらわにする。しかしエランは淡々と「決闘でもする?」と持ちかけ、氷の君らしからぬ感情を滲ませた声で彼に告げた。
「ちょうどいい。グエル・ジェターク、きみに決闘を申し込む」
立会人のシャディクを前に、グエルとエランの2人は宣誓を行う。その場にはスレッタもいた。決闘に賭けるものを問われたグエルは「エランがスレッタマーキュリーに近づかないこと」と答え、彼女から「そっ!そんなの、余計なお世話、……です」と言われてしまう。一方エランは賭けるものを問われた時に彼女の名前を呼び「ぼくが勝ったら、きみと決闘する」と告げる。名前を呼ばれたことに一瞬ドキッとしたスレッタだったが、この時は不思議と落ち着いて「わかりました」と答えるのだった。
グエルが弟ラウダのディランザに乗り現れたのに対し、エランはペイル社の新型モビルスーツファラクトで決闘の場に現れる。自身の専用機でない機体で健闘するグエルだったがエランの罠にかかり、四肢を撃ち飛ばされてしまった。
グエルの静止の叫びをあげるが、エランは冷たく獲物を見下ろし言い放つ。
「ガンダムを倒せるのは──ガンダムだけだ」
ファラクトはねじ切ったアンテナを高々と掲げた。
──勝ったよ、スレッタ・マーキュリー。約束どおり、次はぼくと戦ってもらう。
エランは顔にパーメットの残光を発したまま、スレッタへ電話をかける。スレッタはエランの声から耳をはなせない。
──きみがぼくのと決闘で懸けるのは……エアリアルだ。
──ぼくが勝ったら、きみのガンダムをいただくよ。
関連イラスト
関連タグ
機動戦士ガンダム水星の魔女 エラン・ケレス スレッタ・マーキュリー
表記ゆれ
キャラクターの性質上エラスレ+どのエランか特定できるタグを使用するケースが多い。(『エラスレ 4号スレ』等)
補足しておくと4号相手以外のエラスレ表記としては様スレ(オリジナルのエラン相手)、5号スレ、5スレ(5号相手)、2人以上のエランが登場するエラスレ(広義)などがある。(まだ表記が変化する可能性がある為リンクではなく文章で補足しておきます)
一応他のエラン相手でもエラスレ表記で間違いではないがわざわざエラスレ作品を見に行くようなファン相手には何かしら相手が分かる状態の方がいいかもしれない。(ただし外見で見分けがつかない設定を活かした作品も存在する)
特に表記がなくても服装などで一応見分けは可能。
ALERT
※以降から第18話のネタバレが記されます! ネタバレが嫌なユーザーはブラウザバックを強く推奨します!
ALERT
実はスレッタの正体はエリクト・サマヤから作られたリプリチャイルド、言わばエリクトのクローンである事が判明。
片やオリジナルのエラン・ケレスの影武者となった強化人士、片やエリクト・サマヤのクローンという、両者ともオリジナルの複製として、ガンダムに乗るためだけに用意された存在。エラン=4号はスレッタに「君は僕とは違う」と一方的な拒絶を示したが、実際のところは同じような境遇だったのである。
惑星が由来の名前、正反対の性格と肌の色、白と黒のガンダムのパイロット、赤の他人を模して作られた偽物とご本人の生体データから作られた偽物、両者は対照的な共通点が多かったが、ある意味ではエラン=4号の正体を読み解けばスレッタの正体に繋がる伏線だったと言える。
もし4号がこの真実を知れば、一体どの様な反応を示すのか……。
彼は、大切なものを多く失い、自分の正体を知ったスレッタの力になってくれるだろうか……そして。