概要
『機動戦士ガンダム水星の魔女』に登場するグエル・ジェタークとミオリネ・レンブランのNLカップリングタグ。17話「大切なもの」にて、ミオリネの父、デリング・レンブランが定めたルールにより正式な花嫁と花婿となった。
17話以前の二人の関係性
Season1 第1話開始時点では、ミオリネの父であるデリング・レンブランが定めた学園内のルール(決闘の勝者(=ホルダー)がミオリネの婚約者となる)によりミオリネとグエルは形式上の婚約関係だった。
しかし、ミオリネは父の勝手な決定に反抗して何度も地球への脱走を試みており、グエルに対し「あんたはパパの言いなりだもんね」と吐き捨てた。グエルも父・ヴィム・ジェタークの意向に従っているだけでミオリネに恋愛感情があるわけではなく、ミオリネに「俺はお前も会社も全部手に入れて見せるぞ」と豪語するなど、二人の関係は険悪そのものであった。
ところが、そこへ編入生スレッタ・マーキュリーが現れたことで状況は一変。グエルのミオリネに対する横暴な態度に怒ったスレッタがグエルとの決闘で勝利したことにより、スレッタが新たなホルダー兼ミオリネの婚約者となり、ミオリネもスレッタを「よろしくね、花婿さん」と婚約者として受け入れた。
さらに第3話でスレッタとグエルが再度決闘を行い、スレッタが敗北したグエルの健闘を称えると、それに心を動かされたグエルはスレッタに対し衝動的にプロポーズ。直後に撤回し、「俺はお前のことなんて全然好きじゃないんだからな!」と駄目押しまでしたものの、その後の言動から本心でないことは明らかである。
(詳しい経緯はミオリネ・レンブラン、グエル・ジェタークの項目を参照)
つまり、『元は婚約者同士だった男女二人が同じ女性(スレッタ)に惹かれる』という何とも皮肉な三角関係が生じてしまったことになる。Pixiv内でもそれを踏まえたイラストが複数投稿されている。
真意は不明ながら、ミオリネの父・デリングはスレッタがグエルからホルダーの座を奪った後に「こちらで新しい花婿を用意する」と発言しており、裏を返せばグエルのことはミオリネの結婚相手として認めていたと思われる。
またSeason1 第8話にて、ミオリネに密かに思いを寄せていたシャディク・ゼネリがグエルのことを「お前になら(ミオリネを)任せられると思った」と発言している。
どちらも当人たち(特にミオリネ)にとっては余計なお世話であるが…
ミオリネとグエルには「権力者の令嬢と御曹司」「父からの抑圧を受けている」「ツンデレ気質」という共通点があり、「いがみ合っていたのは同族嫌悪だったのでは?」という声も。
ミオリネもグエルもスレッタとの出会いによって人生や心境に変化が生まれており、スレッタも含めた今後の関係性が注目されるところであったが…
17話以後の二人の関係性
その後、グエルが10話で学園を飛び出したこともあり、関係性の発展を期待されながらも4話以降会話の機会が無かったグエルとミオリネであったが、17話にて彼が潰れかけの会社を再建するため学園に戻ってきたことから再び顔を合わせる事となる。
再会早々、ミオリネはグエルを私室に連れ込みある提案を持ちかけるのだが、それは「会社、立て直したいんでしょ。私があんたの婚約者になってジェタークを全面的にバックアップする」「スレッタから花嫁を取り戻して」という、逆プロポーズとも取れる内容であった。
この発言の裏には「大切なもの」であるスレッタを、例え絶縁関係になったとしてもガンダムの呪いから解放したいというミオリネの想いが込められているのだが、同じくスレッタを大切に思っているグエルとならスレッタを陥れ、彼女の「大切なもの」である自分とエアリアルを引き離す共犯関係になってもいいという覚悟の現れでもあり、お互い不本意なまま一緒にさせられ、嫌味を言い合っていた1話の関係からは考えられない成長である。
その後、ミオリネの誕生日にスレッタとの決闘に勝利したグエルが彼女の正式な花婿となった18話以降では、計画遂行のために口喧嘩をしながらも非常に息の合った二人三脚の二人を拝むことが出来る。
シャディクがこの二人の相性の良さを見抜いてグエルにミオリネのことを任せられると考えていたのはまさしく慧眼であったといえる(シャディク本人にとっては非常に複雑な心境であるのだが)。
お互いに恋愛感情無きまま、そして共通の目的による強固な信頼関係で政略上の婚約をしているこの二人の関係はどこに着地するのだろう?
まかり間違ってゴールインしてもこんな感じになりそうであるが…。
グエル「何だこの想像は!!」
第19話以降
第19話にてグエルがミオリネのアドバイスを受けシャディクの捕縛とサリウスの救出に向かうためにケナンジとともに宇宙へ帰還。ミオリネが単独でアーシアンの代表たちとの交渉に臨むも、エアリアルに搭乗していたプロスペラがエアリアルのオーバーライドを用いて武力衝突を誘発。これにより交渉が破談の憂き目にあってしまう。この事態を見ていたシャディクはミオリネを守れなかったグエルに対し「グエル、汚したな。ミオリネを……」と苛立ちを露わにした。
第20話にてラウダ・ニールはシャディクの口から亡き父ヴィム・ジェタークを殺した人物の正体を聞かされ、茫然自失となった。更には学園でペトラ・イッタがテロに巻き込まれて意識不明の重体に陥った旨を知らされる。
第21話では数々の不幸にラウダは遂に精神の均衡を失ってしまったのか、
「あいつのせいだ……ペトラも学園も、兄さんが変わったのも……ミオリネ……!!」
と憎悪に滾る眼差しを隠されていたGUND-ARMに向けていた…。
ラウダの怒りの矛先は、グエルの現婚約者にしてペトラが巻き込まれたテロの元凶(プロスペラの暗躍や宇宙議会連合の不正を知らないラウダからはそのように見えても仕方がない)であるミオリネに向けられてしまったのだ。
頼むから話し合ってくれ…。
第22話ではクワイエット・ゼロによって議会連合の艦隊が壊滅し、ミオリネは自身の責任に押しつぶされ部屋に閉じ籠ってしまう。
プロスペラの暗躍を止めるべく行動するスレッタ一行が到着し、グエルはそれを出迎えたものの、彼女をミオリネに会わせないと言い、対してスレッタは真っ直ぐ話をしたいと求める。
二人はその場でミオリネを懸けて、フェンシングによる決闘を開始する。
最終的に決闘はスレッタが勝利。グエルはホルダーの地位、そしてミオリネの花婿の座を明け渡した。
…しかしそんなことは露知らぬラウダは、『クワイエット・ゼロ』へ向かうミオリネ達を乗せた艦をガンダム・シュバルゼッテで強襲、グエルが駆るディランザと交戦する事態に…。
『魔女』ミオリネに取り込まれた最愛の兄グエルに襲いかかるラウダという最悪の兄弟喧嘩の顛末はグエル・ジェターク、ラウダ・ニールの項目を参照。
余談
- 本作のスタッフである形部一平氏は2人のイラストを2種投稿している。
- 第2話放映後のスレッタを挟んでの2人の言い争いのイラスト
- 第19話放映後のビジネス雑誌表紙風イラスト
- 初期の険悪な関係が後期の気の置けない関係に変遷していった様はなかなか感慨深いものがある。
関連項目
機動戦士ガンダム水星の魔女 ベネリットグループ グエル・ジェターク ミオリネ・レンブラン