「素直になろうよ。命の安い者同士さ。」
「キミには分からないよ。絶対」
概要
5ノレとは、ノレア・デュノクとエラン・ケレスこと強化人士5号のカップリングである。
両者共にガンダムのパイロットであり、巨大な組織の捨て駒であること、そして何より『死にたくない」という本心が共通しており、作中での絡みも2期の開始からかなり多いことからこの関係性が生まれた。
お互いの事情もある程度把握しており、ガンダムに乗り命を擦り減らす者同士通ずる部分がある。
更には、Season2のキービジュアルでは、お互いに視線を送り合っており、同じ手帳を持っているように見えることも追い風である。
基本的には5号がおちょくり、ノレアがそれにキレて襲い掛かるというケンカップルである。
作中での描写
第12話
両者が直接邂逅した訳ではないが、ノレアを含む『フォルドの夜明け』が プラント・クエタを襲撃したこと、彼女らがガンダムを使用していた事について、学園にいた5号にペイル社から連絡が届く。
この時点での5号の反応は「関わりたくないな。」と厄物扱いしていた。
第13話
二人の初邂逅であり、学園に潜入したノレアはぶつかるフリをして5号から生徒手帳端末を強奪。その際、アスティカシア学園の清潔で満ち足りた環境に 『反吐が出る』 と吐き捨てたノレアに5号は「気が合いそうだな」と呟いていた。
もちろん、この時点ではノレアがあの「関わりたくない」アーシアンのガンダム搭乗者であることには気がついていない。
第14話
ランブルリングの開始前、スレッタを口説き落とそうとしていた5号をソフィと共に妨害。
ノレア「ペイル社に飼われて、箱庭で命を浪費するなんて滑稽。」
5号「自分で生きるも死ぬも決められなくて、孤独に最期を迎えた可哀想なやつと同じ目をしてる。」
と壮絶な煽り合いを繰り広げた。
そしてランブルリングに乱入したノレアはパーメットスコア3を解放し、 5号と交戦する 。しかし5号は結局「むざむざ死ぬのは御免だよ。」と低パーメット状態を貫き、まともに戦うことはせず作戦終了まで逃げ切られてしまった。
第17話
グエルの妨害でエアリアルの強奪に失敗し、後がなくなった5号が、 グラスレーに駆け込んだことで二人は再会 。会って早々鉛筆で5号の目玉を潰そうとするなど、相変わらずの仲の悪さを見せつけた。
ノレア「ガンダムに乗ってさっさと死んだらどうですか?」
5号「ボクは長生きがしたいのさ。キミに殺されるのもガンダムで死ぬのも御免だね。」
第18話
軟禁部屋にて、以前のエランと明らかに様子が異なる5号を訝しんだニカの問いに対して自分の身の上話をしているのを聞いて、ノレアは「よくもペラペラと」と辟易していた。
そしてノレアは5号に「なぜガンダムに乗るのか」と問いかけられ、「ない」と即答するが、「空っぽだからアーシアンのためなんて嘘ついちゃってるんだ。」と図星を突かれ、彼に鉛筆で襲い掛かるが、呆気なく取り押さえられてしまっている。そしてその際彼女の本心の一端が仄めかされた。
5号「本当はガンダムになんて乗りたくないんじゃないの?」
ノレア「黙れ!!」
第19話
18話の一件もあり、ノレアはかなり荒れており、いつも持っていたスケッチ帳と鉛筆を投げ捨ててしまうほど精神的に追い詰められていた。そんな中、彼女のスケッチを5号が盗み見たことで再び彼に襲い掛かるが、全話同様簡単に抑えられてしまった。
今は亡きソフィへの想いやスペーシアンへの呪詛、そして何よりも、死にたくないという自分と同じ彼女の本心を聞き、5号は彼女の掌を優しく握りしめていた。
(この後から5号は彼女への態度が軟化しており、 呼び方も「キミ」から「ノレア」に変わっている。)
命の軽い二人の結末
第20話
前話ラストにおける地球での惨劇で、ノレアはスペーシアンへの憎悪をさらに募らせていた。そんな折、シャディクの指示もあり軟禁部屋が解放され、ノレアは真っ先にルブリス・ソーンの保管されている格納庫に向かってしまう。
普段から持っていたスケッチブックを置き去りにしてしまうほどの剣幕を見て、5号は彼女の意図を即座に察知。
5号 「やめろノレア!何でまたガンダムに乗るんだ?死ぬのが怖いなら逃げろよ!」
ノレア 「逃げて…その次はどうするの?あなたたちスペーシアンの暴力でみんな死んだ!きっとナジもオルコットも…あなたにもきっと分からない。スペーシアンよりも命の軽い私たちの怒りが!」
前話での「死にたくない」という本心を聞いていた5号はノレアを引き留めるが、彼女は聞く耳を持たずガンヴォルヴァと共に学園を襲撃し、ペトラを筆頭に多数の死傷者を出す被害を生み出してしまう。
そしてノレアは学園に捜査に来ていたケナンジと交戦することになり、一進一退の攻防を繰り広げ、彼の搭乗するベギルペンデを損傷させるほど手傷を負わせる。
一方、5号は搭乗機であるファラクトがないため、ノレアの暴走を止められないと思われていたが、ソーンと共に格納庫に保管されていたルブリス・ウルを発見。かつてノレアの相棒であったソフィが搭乗していた機体に乗り込み、彼女の説得を試みる。 暴走したノレアからの射撃を軽々と躱わし、ソーンの機体に組み付くと、5号は想いの丈をノレアにぶつける。
5号「僕と来い!!
生き方が分からないのなら一緒に探してやる!怖いなら隣にいてやる!
逃げるのが怖いなら、僕をあの絵の場所に連れて行け!!その先のことは後でいい!!
生きていいんだって!証明させろよ!!」
その言葉にノレアは揺らぎ、戦意を喪失。パーメットスコアを解除し、ガンヴォルヴァを停止させる。
ノレア「一緒に来い、だの…連れて行けだの……バカなの、貴方」
先の5号の言葉に対して悪態をつき、ウルを突き放すものの、彼女は涙と共に笑顔を浮かべ、言葉を続けようとする。
「後で教えて。あなたの、本当のなま…」
しかし直後、カテドラルのベギルペンデが放ったライフルが、ノレアのコクピットを撃ち抜いた。
彼女の付けていたミサンガが燃え尽き、墜落していくソーンを目にした5号は絶叫。
死を誰よりも恐れていた男は、大切だった彼女の死を受けて初めて自分の意思でパーメットスコアを上昇させ、停止していたガンヴォルヴァを再起動させ、カテドラルの部隊に襲い掛かり、学園から離脱した。
しかし事態が収束した後、学園の宙域で機能停止したルブリス・ウルが回収されており、生身でコクピットに搭乗していた5号の生死は不明となってしまった。
続く21話、ノレアの死で失意のドン底にいると思われた5号だったが、何事もなかったかのように学園に潜伏しており、地球寮の仮設設備の裏で携帯食糧を頬張っていた。
チュチュやマルタンを始めとする地球寮の面々がグストンやベルメリアとの対話の中で決意を固めていく中、
「いいねぇ。僕も連れて行ってくれよ。」
5号もこのパーティーに合流。
一見、全話でのノレアとの死別や慟哭を感じさせない印象だったが、「行くところが出来た」と彼女との数少ない繋がりであるスケッチブックの風景を匂わせる発言をしているが……。
そして続く22話では、全話ラストにおけるスレッタとの約束で強化人士4号の顛末を彼らの待ち合わせ場所であったベンチで語る。
その際スレッタに死ぬのが怖くないのかと問い掛けるが、母と姉を止めるために進む意思を聞くと、自分にはないものを持つスレッタに「羨ましいよ」と溢すと彼女の手帳のスケッチを見つめていた。
そして23話。クワイエット・ゼロでの攻防戦において、兵器ハロの足止めを担当するケナンジに対して
「今度は殺させないよ。」
とあの日ノレアと交戦し、彼女の死の一因にもなった彼に対して嫌味を吐き捨てていた。
最終話『目一杯の祝福を君に』では、スレッタとキャリバーンたちが起こしたデータストームの中で、5号はノレアと再会する。会話はなかったものの、お互いに微笑みあって5号はノレアとソフィを見送るのであった。
そして本編3年後の世界。5号はノレアの手帳の絵の場所を求めて地球を旅しているシーンが描写された。しかし中々難航しているようで、ノレアに対して悪態をついていた。
「場所くらい書いとけよな。」
余談
- ちなみに20話放送日の6月4日は 「プロポーズの日」 であり、この回で二人はようやく心を通わせた矢先の死別となってしまった。
- キャラクターデザイン原案のモグモ氏は20話放送直後にこの二人のイラストをtwitterに投稿している。
- ルブリスコンビをデザインした柳瀬は末路に「二人で逃げてほしかった…」とコメントしている。
- 20話のエンドカードでは本編中の5号のセリフ「僕を絵の場所に連れていけ」に応えるかのように 学園の草原で仲睦まじくしている5号とノレアが映っており視聴者の心により一層悲壮感と切なさを与えたのは言うまでもない。
- 水星の魔女の公式ラジオ『魔女ラジ』2023年6月4日配信の第34回でも、「望まない形で閉じ込められるも、エランが寄り添って」命の危険に晒されるGUND-ARMパイロットとして関係を深めた二人の末路に対して「かわいそう」「最期に(ノレアが)救われていることを願う(要約)」「5号の本名を知ることができれば…(要約)」「ベストカップリング」「いいコンビになってそう」とコメント。第20話エンドカードを見せられとどめを刺されたかのような声を上げていた。