うつむくその背中に
痛い雨がつき刺さる
祈る想いで見ていた
概要
テレビアニメ作品『名探偵コナン』のBGM『名探偵コナン メイン・テーマ』をベースとして歌詞をつけたものである。
その劇場版でのクライマックスシーンで使用されることが多く、ファンの間では名曲として非常に親しまれている。
歌詞は「雨」を強く意識しており、幼児化した後に雨の中を走っていた新一の事を歌っている物と思われる。
また、この楽曲が作られた当時には登場していなかった灰原哀の状況や心情とも非常に合致しており、それを意識してか黒鉄の魚影ヴァージョンでは2番の歌詞から入るアレンジとなっている。
各アレンジ
- 原曲
編曲は大野克夫、歌唱は伊織。
伊織の1枚目のシングル曲として、1997年(平成9年)4月3日にポリドールよりリリースされた。
劇場版第1作『時計じかけの摩天楼』で採用。
犯人によって東都環状線の電車に仕掛けられ、特定速度以下になった途端爆発するとされる爆弾のため電車を止めるわけにいかずにいた中、犯人の出したヒント「××の×」が「線路の間」で、速度検知方式が爆弾の採光センサーによる光の遮断時間(タイムリミットが日没というのもヒントになっていた)であり電車自体ではないため、東都環状線内の線路でなければ電車を止めても問題ないと判明し、線路に仕掛けられた爆弾の解除のために、営業運行中の21本の通勤電車を貨物線に退避させるシーンで使用された。
劇場版第2作『14番目の標的』では、終盤で江戸川コナンが蘭の足を掠めるように撃ち、過去の事件の意味が明らかになると同時に毛利小五郎が犯人を取り押さえるシーンで使用。
この他、テレビアニメ版第62話『幽霊船殺人事件(後編)』と第65話『カニとクジラ誘拐事件』でも挿入歌として使用されている。
- 世紀末ヴァージョン
劇場版第3作『世紀末の魔術師』で使用されたバージョン。
原曲と同じく編曲は大野克夫、歌手は伊織であるが、アレンジが異なる。
各サビのラスト(「お願いその悩みを」の「お願い」、「ひとりで背負わないで」の「ひとりで」、「もうすぐその心に」の「もうすぐ」の部分)で伊織氏に続けてコーラスが入るのが特徴
終盤でのコナンと犯人の対決シーンで使用。
劇場版第10作『探偵たちの鎮魂歌』でも中盤に使用された。
- 暗殺者ヴァージョン
劇場版第4作『瞳の中の暗殺者』で使用されたバージョン。
編曲者と歌唱は同じであるが、こちらもアレンジが異なる。
最終盤での蘭と犯人の対決シーンで使用。
記憶を失い、しおらしかった蘭の記憶が戻り、得意の空手で犯人の持ったナイフをへし折り、そのまま何発もパンチを叩き込んでぶっ飛ばすシーンは必見である。
- 十字路ヴァージョン
劇場版第7作『迷宮の十字路』で使用されたバージョン。
マイナーチェンジに近かった上記のニバージョンとは明確にメロディラインが異なる。
- ハロウィンの花嫁ヴァージョン
劇場版第25作『ハロウィンの花嫁』で使用されたバージョン。
『探偵たちの鎮魂歌』から16年振り、新規アレンジとしては『迷宮の十字路』から19年振りの復活を果たした。
本作から劇場版の音楽担当が大野克夫から菅野祐悟に交代したため、本楽曲の編曲も同氏が担当した。
歌手は青木カレン。
イントロなど、本編とサントラでは微妙にアレンジが異なる。
- 黒鉄の魚影ヴァージョン
劇場版第26作『黒鉄の魚影』で使用されたバージョン。
編曲は菅野祐悟、歌唱は青木カレンが引き続き担当するが、前回とアレンジが異なる。
2024年現在で最も大きくアレンジされたバージョンであり、曲の入りがバラード調、さらに歌い出しが2番の歌詞(『必ず朝は来るさ〜』)となっており、同作のメインキャラである灰原哀、彼女と江戸川コナンの関係性を意識したアレンジになっている。
こちらは劇中のみの使用でその他媒体で聞くことはできない。
- 黒鉄の魚影サントラヴァージョン
劇場版第26作『黒鉄の魚影』のサウンドトラックに収録されたバージョン。
基本的なアレンジは本編と同じだが、曲の入りのバラード調パートが1番の歌詞、その後にイントロが入りもう一度1番から歌い出すという違いがある。
1番を2回歌うため、現状で最長のバージョンとなっている。
- 100万ドルの五稜星サントラヴァージョン
劇場版第27作『100万ドルの五稜星』のサウンドトラックに収録されたバージョン。
こちらは劇場版本編未使用であり、「Special Bonus Track」として収録された。劇場版本編では同作のメインテーマが使用されている。
アレンジは同作のメインテーマを踏襲している基本的なパターンであるが、ボーカルが男性という史上初のパターンとなった。
歌唱者は発表されていないが、おそらくハセガワダイスケ氏と思われる。(ハセガワ氏はこの作品で菅野氏、青木女史と共に活動しており、そこのつながりかと思われる)
使用された場面はいずれも最終局面の重要シーンであるが、第1作『時計じかけの摩天楼』と第10作『探偵たちの鎮魂歌』では中盤に使用されている。前者に関しては「逢いたいよ」という伊織女史が歌う別の楽曲がクライマックスに使用されている。