概要
てんとう虫コミックス33巻及び、藤子・F・不二雄大全集13巻に収録。
ビンに入っている粒状の薬で、使用すると個体、液体、気体になることができる。一粒飲むとその者の体が液体になり、さらにもう一粒飲むと気体になる。効果は1時間持続する。また気体の状態で風に吹き散らされると元に戻れなくなってしまう。
ストーリー
炎天下の中のび太は息を切らしながら帰宅し、涼しい部屋で昼寝をしようと思ったが、部屋に帰るとドラえもんが液体のようになっていたのでびっくりし、この中に持っていた棒アイスを落としてしまった。そしてドラえもんはこれを拾いあげて、「変な物を投げ込むな」と言いつつ液体になって昼寝をしていたことを言い出した。
ドラえもんは居間自分が水のような状態になっていて、それ故に寝そべると水たまりのように広がることを説明し、のび太が持っていた棒アイスも今は個体だが溶ければ液体になることも説明。そしてこうなったのは「サンタイン」を使ったからだと明かされたのび太は、自分もこれを飲み液体に変化し、ママを驚かそうとしたが、階段から転げ落ち床に散乱してしまった。
これを見て怒ったママはドラえもんにすぐキレイにするよう言い、ドラえもんはこれを拭きとりバケツの中に集めたことでのび太は何とか復活。そしてのび太は少し床に吸い込まれたことで体が軽くなっていて、ドラえもんに危なくてしょうがないから、もう何も貸さないと言われたことで次は気体になることにし、ドラえもんの忠告も聞かないで外へ飛んで行ってしまった。
だが上空でのんびり昼寝をしているといきなり、ボールが体を貫通したので下を見てみると、それはジャイアンとスネ夫が野球の際中に投げたものだった。すぐに返すよう言われたが、腹が立ったので神成さんちにこれを投げ込み、2人の怒りを買うも気体になっていたためジャイアンは全くバットで殴ることができなかった。
とうとうジャイアンは諦めて帰ってしまったが、それでものび太は後を付け出し、殴られそうになってもやはりそれはできずジャイアンは壁に衝突したまらず逃げ出し家の中に入ってしまった。だがのび太は気体の体を利用してドアの隙間から侵入し、ジャイアンの部屋を物色して0点の答案を見つけ、ジャイアンは青ざめた後「母ちゃんに言わないで。お願い。許して」と泣きながら頭を下げることとなった。
これで上機嫌になったのび太だったが、その時強風が吹いたことで急いで家の中に避難するも、そこがしずかがいる風呂場だった。もうすぐ一時間経つことを説明しても聞いてもらえず、のび太はズタボロになって帰宅することとなった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1984年7月13日に、水田版は2006年8月25日及び、2019年8月23日にそれぞれ放送している。
1984年版
- 冒頭ののび太は野球帰りだったようで、バットとグローブを持っていて、アイスは帰宅後に冷蔵庫から持ち出した。
- のび太はドラえもんの説明を聞きながら、窓からアイスを出しその説明を実感していて、説明が終わると「もったいない」と言って舐めて、これをドラえもんにあげる代わりにサンタインを貸してもらった。
- ドラえもんはのび太を拭きとった後、土の上だったら大変なところだったとも言っている。そしてのび太は白いシーツを被ってお化けのようになり、ママを脅かしている。
- ジャイアンとスネ夫は完全に私服だった。
- ジャイアンの部屋が散らかっていたので、のび太は普通に0点の答案を見つけていて、親友ならばこの事実を伝えるべきと言って母ちゃんに見せに行った。
- のび太はすぐに風呂場から出て行ったので、そこまでズタボロにはなっておらず、この後元に戻った状態でジャイアンに出くわしたことで追われるはめになってしまい、これを見てドラえもんは「風に吹きちらされなかっただけでも良かった」と言っている。
2006年版
- サブタイトルには「風の強い日はご用心?」と、煽り文句が追加されている。
- ドラえもんは物体の3体についても説明している。
- 床にちび散った液体を見てママはドラえもんが水遊びをしたと思っていた。またのび太はママに風呂掃除を頼まれたことで、風呂の中に潜みママを驚かしたが、栓を抜かれたことで吸い込まれてしまい、ドラえもんが慌てて下水からくみ上げた。
- のび太は外出後、危うく煙突から出ている黒い煙の中に入りかけそうになった。またのび太が降りて来たのは2人が神成さんから逃げた後だった。
- ジャイアンの部屋に入った際のび太は漫画も呼んでいて、スネ夫の部屋に入った際はおやつを勝手に食べ、掃除機にすいこまれたが、排気口から楽々脱出した。
- のび太は空地の木の枝にしがみついて抵抗したが、風邪に流されしずかの風呂場に入ってしまった。また彼女の裸は湯気で覆われて見えないようになっていて、すぐに浴槽に入っているので全く映ってはいない。
- のび太がズタボロになって帰ってきた際、ドラえもんは荷が合ったのか聞いていたが、本人はとても応答できる状態ではなかった。
2019年版
- 冒頭のび太は犬小屋の中にいる犬に睨まれたが、同じく暑さにまいっていたので、すぐにのび太は通り過ぎている。
- 2006年版と同じくドラえもんは物質の三体につても説明していて、金属も気体になることも言っていた。
- ママは床がびしょ濡れになったのはのび太のせいだと思い、自分でふき取ろうとしたがすぐにドラえもんが代わった。
- ドラえもんは期待になったのび太をタケコプターで追いかけようとしたが、出したのがちくわだったためダメだった。
- ジャイアンとスネ夫は1984年版と同じく完全に私服で、スネ夫は巻き添えを食らってズタボロになってしまった。またジャイアンはのび太の言葉通り気にするのを止め、かき氷を食べることにし、のび太のちょっかいを我慢してこれを食べきった。ちなみにのび太に頭を下げた際は「のび太様」とも言っている。
- のび太はジャイアンちを出た後、ドラえもんを見かけそちらに行こうとしたが、煙突から出た黒い煙に紛れてしまい気付かれなかった。また風に流された際は空地に木の葉の中に隠れていて、しずかは終始浴槽の中に入っていた。
関連タグ
トロリン...同じく液体になれる道具
柔軟仕上げフープ...こちらはスライム状になれる道具。