概要
開発・販売元はイマジニア(ロケットカンパニー)。
ゲームボーイ専用ソフトとして1998年11月27日に発売された。
「過去編」と「未来編」の2つのバージョンがある。
タイトルに「サンリオ」とあるように、本作オリジナルのキャラクターに加え、1998年当時人気だったサンリオキャラクターが多数登場する。
ジャンルはRPG。ゲーム内容をざっくり言えば「ときのかけら」と呼ばれるモンスターを集めて「ときのはしら」を修復し、過去世界と未来世界に分かれてしまった2つの世界を一つに戻すのが最終目的である。
特徴
サンリオキャラクターを題材としていることに加え、モンスターデザインの中毒性の高さ、入手が非常に難しいレアモンスターの入手のためにやり込むプレイヤーが後を絶たなかったという。
「モンスターと戦って仲間を集める」というシステムが、同時期に発売された『ポケットモンスター』シリーズとよく似ており、「劣化版ポケモン」と呼ばれることも。
「劣化○○」というのはアンチの常套句であり、実際は言うほど劣化でないことも多いのだが、本作に関してはそのように反論しがたいところも多い。
例えば
- モンスターを捕獲して冒険するゲームを2バージョンで発売
- 冒頭で案内役の老人を通じて主人公とライバルの名前を決める
- 特定の3匹の中から最初の相棒を選ぶ
- ゲットカードというカードを投げてモンスターを捕獲(後で別の方法も登場するが)
- モンスターは全部で161種類
- ゲームセンターのコイン交換でしか手に入らないレアモンスターがいる
- 通信で進化するモンスターがいる(が、あるレアアイテムで進化出来る者も)
と、清々しいぐらい露骨にポケモンの後追いをし、わざわざ同じ土俵で勝負しようとしている。
では、ポケモンと同じベクトルで勝負して勝てるのかというと、
- 衝撃的な見た目(悪い意味も含む)のモンスター。画像のモンスターはまさかの最初にもらえる一匹である
- その他のモンスターのデザインも少々悪趣味、安直と評さざるを得ないものが目立つ(子供向けであることを考えるとそこまで異質ではないが)
- マップが非常に広いため移動が大変で、俗に言う「そらをとぶ」に当たるアイテムも終盤にならないと手に入らない
- モンスター(ときのかけら)のエンカウント率が非常に高い
- この手のゲームでは安全地帯とされる街でもモンスターが襲ってくる
- 謎解きがほぼノーヒント
- 開始してすぐの場所に高レベルモンスターが出現する場所がある
- トレーナーとのバトルに勝つと持っているモンスターを一体もらえるシステムがあるが、あるトレーナーに勝利してもらうことでしか手に入らないモンスターがいる(チャンスは1回で前情報など一切なし。の割に他の人と同じく3匹から1匹選ぶため取り逃す可能性大)
- 両バージョンで最初に貰える特定の6体(1進化目)を通信で連れて来る事で、あるモンスターの封印が解かれる
- 「進化キャンセル」や「かわらずのいし」的なアイテムがないので、レベル調整をする他ない
- のに高レベルのモンスターが襲ってくる
- 色々苦労しながら封印を解いた割にそのモンスターのデザインは…
- 一般モンスターの進化系っぽいレアモンスター(進化しないし、何かの関係もない)
- ラスボスと戦うためにときのかけらを161体集めることを強制される(種類数ではなく数だけだが、それが非常に大変な作業)
- 平均レベル40程度だったのがラスボスではいきなりレベル99の2連戦かつ、火力が足りないといつまでも回復され続ける超絶鬼畜性能(当然、先に全滅させられたら第一形態からやり直し)
- リアルイベント配布限定のモンスターが4体もいるので現在ではコンプ不可(隠しコマンドが存在するので絶対ではないが)
などなど、全体的に大味であり、ポケモンに勝てるとは言い難い状態に仕上がっている。
一方、これらはあくまで「ポケモンと同じ土俵に立ったとき」の評価点であり、シナリオや音楽といったシステム面以外の部分は評価が高く、賛否両論あるキャラクターデザインも、決してクオリティが低いというわけではない。
シナリオに関しては後に小説家として大いに活躍する桜庭一樹が山田桜丸名義で担当している。
音楽は、当時としては珍しい「戦闘BGMが戦況に応じてシームレスに変化する」という方式を採用している。担当者のこうもとじろうは当時トーセの社員だったという説があるが、本作以外の活動は不明である。
キャラクターデザインはハンギョドンやバッドばつ丸を手掛けた井上ヒサトが担当しており、コミカルな作風が遺憾なく発揮されている。モンスターに関しては(ハンギョドンを除いて)本作限定のキャラクター扱いとなっているようで、サンリオの公式サイトやサンリオキャラクター大賞でも一切取り上げられていない不遇の存在である。
1990年代後半はポケモンの影響を強く受けた「バトルでモンスターを集めて仲間にする」というゲームが多数発売されており、本作のみが「パクリ」というわけではない。
なお、本作の一部スタッフは後に『ポケモンBW』に参加していたりする。
登場キャラクター
本作オリジナルキャラクターのみを記載。
- 男の子・女の子
プレイヤーが操作するキャラ。プレイヤーが選ばなかったほうがライバルとして出現する。
失われた「ときのはしら」と呼ばれる時間軸を修復し、タイムネットの世界を救うことを委ねられた「時の勇者」としてタイムネット時空を奔走する。
- 時の老人
タイムネット時空に住む謎の老人。本編の至る所で登場し主人公のサポートをする。
- 理を知る者
タイムネットの世界で「知恵」、「力」、「時空」の理を知る者達。設定はオリジナルだが、それぞれサンリオキャラクターが担当している。
タイムネットの破壊を目論む敵キャラにして本作のラスボス。
- 謎の少女
ゲーム開始時に主人公の前に現れる白い少女。主人公に助けを求めるが…?
- モンスター(ときのかけら)
詳細はときのかけらを参照。
闘って捕獲する以外にも、ライバルと戦う事でしか貰えないモンスターもいる。
コミカライズ
「冒険時空タイムネット」のタイトルでコミカライズされ、小学館の小学五年生と小学六年生で連載されていた。作画は『エスパークス』で知られる征矢浩志。余談だが、『エスパークス』はライバル企業サンエックスのシリーズ(征矢も元々はサンエックスの社員)である。
サンリオキャラクターは一切登場せず、ゲームのオリジナルキャラクターとモンスターのみでストーリーが進行する。
男の子は主人公の「トール」、女の子はヒロインの「エール」と設定されており、ザッキーに相当する悪役はオリジナルキャラクターの黒マントに差し替えられている。
関連イラスト
関連タグ
ゲームボーイカラー サンリオ RPG クロスオーバー タイムトラベル イマジニア
関連作品
ポケットモンスター:モンスターゲームブームの先駆けとなった作品。前述の通りこの作品からのオマージュ…というか露骨に真似た要素が多い。
スペースネット:同じくイマジニアから2バージョンで発売されたGBC作品。本作の続編的作品であり、大まかなシステムやシナリオ担当がそのまま引き継がれているほか、一部のモンスターが登場している。