概要
原作漫画には登場しない、TVアニメ版オリジナルキャラクター。
世界政府直属の海上治安維持組織『海軍』のG-8支部に所属する軍人で、同支部が構える鉄壁の大要塞「ナバロン」の司令官を務める。階級は「中将」。名前の由来はリチャード・バックの小説『かもめのジョナサン』。
アニメオリジナルエピソードとして、『空島編』の直後に挿入された『脱出!海軍要塞編』から登場。ひょんなことからナバロンに不時着した麦わらの一味捕縛のため、様々な策謀で彼らを捉えようとするが…
プロフィール
本名 | ジョナサン |
---|---|
通り名 | 無し |
肩書き | 中将 |
標語 | 不明 |
能力 | 無し |
覇気 | 武装色、見聞色 |
出身地 | 不明 |
主な部下 | ドレイク |
CV | 田中信夫 |
人物
赤茶色の髪と顎髭、黒茶の眉毛と口髭が特徴の壮年の男性。
掴みどころのない飄々とした言動を用い、一軍の長とはおもえぬ呑気な振る舞いが目立つが、実は知略家として非常に高い能力を持っており、本編では自身が司令官を務める要塞の構造と特性を活用し、的確な采配で麦わらの一味を捕縛寸前まで追い詰める活躍を見せた。
ちなみに明確な既婚者であることが描かれた数少ない人物で、妻のジェシカは同じくナバロンにて料理長を務める。
ジョナサンと比較すると非常に若々しく美しい女性ではあるが、勝気で男勝りな姉御肌。ジョナサンとの夫婦仲は良好だが、食事の献立で苦手な野菜が多いことに対してジョナサンは苦言を漏らしている(それでも彼女には頭が上がらないらしく、詰め寄られた際には渋々と口に運んでいた)。
また、海軍大将(当時)“赤犬”ことサカズキは直属の上司であり、原作では後のロングリングロングランドでの“青雉”クザンの登場により語られた三大将の存在について早い段階で言及する要因となっている。
性格
赤犬の部下でありながら、その性格はほぼ真逆と言える程温厚な人物。
ただしこの頃赤犬は原作でも未登場で、とくに誰彼から比較されることはなかった。
賞金首や逃亡を図る海賊に対しても、捕縛を目的とした攻撃を基本とし、その作戦を決行する際は部下の損害が最小限になるよう考慮した作戦を選択するなど、敵味方ともに出来る限り平和的な解決を模索している。
本編での麦わら一味捕獲作戦においても、当時賞金首では無かったナミ、ウソップ、サンジ、チョッパーらに対しては一味全員の投降を条件に恩赦を与えようとした。
趣味は釣りやチェスで、一手二手先を見据えた采配や平常心はこうした趣味から培われたものとおもわれる。一方で、ニンジンやブロッコリー、ピーマンといった野菜を苦手としている子供っぽい側面もあり、妻のジェシカが自身の年齢を考えてこうした野菜の多いメニューばかり作ることには難色を示していた。
本編では、「新入りの凄腕コックの料理を楽しみにしていた」という言葉に同情されたのか、ジェシカが件のコックに追加で一皿作らせる場面もあった。
能力
指揮官としては間違いなく優秀だが、直接本人が戦う描写がないので戦闘スタイルについては不明。
ただし新兵に扮したルフィが自分の食事を素早い動きでつまみ食いする動きを見切り、フォーク一本で制止するという常人離れした動体視力を見せ、更には一歩の前進でルフィを威圧してみせるなど、一支部の司令官として高い実力を有していることをうかがわせる。
また、マリンフォード頂上戦争に帯剣して現れていたため剣術を得意としていると思われる。後の原作設定により覇気を体得している事が判明している。
活躍
TVアニメ版オリジナルエピソード『脱出!海軍要塞編』から登場。
空島からタコ風船によって青海に降下していた麦わら海賊団の船“ゴーイングメリー号”が、気流に流され、ジョナサンが支部長を務めるG-8支部要塞「ナバロン」のド真ん中に着水する。
事の重大さを察した船員たちは要塞内へ散り散りになって逃亡。一足遅れて不審な船を発見したナバロンの海兵たちは、メリー号を確保すると共に一味の警戒態勢を強めることになる。
しかし、海兵の多くは「鉄壁の要塞」と渾名されるナバロンの防衛力を過信してイマイチ真剣味が欠けており、ジョナサン自身も先のアラバスタ王国での麦わらの一味に対する悪評に半信半疑であった。
その後、昼食時に新兵に扮して司令室に訪れた船長のモンキー・D・ルフィと接触。宣戦布告ともとれる発言を交わし、以降は本腰を入れて麦わら一味の捕縛に乗り出す。
以降は自室から部下たちを指揮し、巧みな作戦で一味を捕縛寸前まで追い詰めるも、本部から監察に来ていた監査官シェパード中佐の失態により要塞脱出を許してしまう。
しかし、この敗北もジョナサンの策謀の一つであり、その要塞の防衛力を過信していた部下たちの慢心を改めさせ、堅固なあまり誰も攻めてこないナバロンの必要性を疑い縮小を検討していた本部に対しても、その重要性を再確認させることに成功した。
次の登場はマリンフォード頂上戦争で、白ひげ海賊団との戦いに参加する描写があるが、特に目立った活躍はなかった。
第2部『新世界編』で以降は今のところ本編には登場していないが、2012年12月15日公開の劇場版第12作目『ONEPIECE FILM Z』では本部中将として登場しており、かつての恩師ゼファー率いるNEO海軍への対策会議に出席した。
余談
上述の赤犬(サカズキ)との関連性から、一部ファンの中では彼の名前の由来は赤犬のモデルである菅原文太の代表作『トラック野郎』シリーズに登場するやもめのジョナサン(演:愛川欽也)ではないかとも言われている(ジョナサンは菅原演じる主人公・星桃次郎の相棒である)。
ただし、本作が放送されたのが2004年6月であり、原作漫画で赤犬が登場した時期から2~3年は早いことから、果たしてこの頃から赤犬と菅原氏を関連付ける構想があったのか、こうした構想が作者からアニメスタッフ側に伝わっていたのかなどの疑問が残るため、単なる偶然ではないかとも言われている。
実際ナバロン編と比較的タイミングが近く、初めて赤犬のキャラクター描写がなされたロビンの過去編では、声優も後に就任した人物とは別の人が充てられており、後の頂上戦争編以降から描かれた彼のキャラクター像がこの時点で決まっていた可能性は低いと思われる。
ファンの間では上記のように飄々とした穏やかで呑気な性格ながら知略家として優れるジョナサンの人物像が、後に判明した大将赤犬の徹底的な正義の遂行を信条とする苛烈な性格とは相性が良くないのではないかと疑問視する声も少なからずあった。しかしさらにその後、元帥となったサカズキが目まぐるしく変わっていく世界の情勢や言うことを聞かない部下達の身勝手、上層部の言動などに振り回されて気苦労が絶えない様子が描かれると「むしろ今のサカズキの部下として一番必要な人材なのでは?」とジョナサンを再評価する声が出始めた模様。
なお作者はキャラクター・悪魔の実といった作中のアイディアを他者から募集することは基本的になく(例外は精々桃兎ギオンや茶豚トキカケ程度)、アニメからこうした設定を逆輸入したことも今のところないため、ジョナサンはじめ同エピソードの登場キャラクターたちが今後原作内で言及される可能性は絶望的と思われる。
ちなみに尾田が頑なにアイデア募集をせず「自分の作品は自分で作る」というスタンスを持っているのは、「自力で作り上げたという自信が欲しい」というのと、「ウケなかった場合でも誰かのせいにしないため(自分で出したネタならもしウケなかったとしても仕方ないと割り切れる)」ということらしい。