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注意編集

ゼノブレイド3に関する重大なネタバレを含みます









流れに身を委ねよ・・・


おまえは選択した・・・永遠の今を・・・



概要編集

CV:大塚明夫


ゼノブレイド3に登場する人物で、本作のラスボス。

彼とエックス・ワイの三人が原初よりメビウスだったものとされるが、中でもゼットこそが『メビウスを統べる者』と言われその力は他のメビウスを圧倒する。


特徴編集

容姿編集

理を司りし者

長い白髪にいくつもの紫色のひび割れと2つの角を持ち、赤色のコート、ローブのようなものを纏っている。かなりの長身で、両目にはメビウスの証左である∞の模様が映る。

作中ではエヌ、エックスを除きゼットが直接部下である執政官に語りかけている描写は殆ど無い。


性格編集

常に語りかけるような落ち着いた口調で話すが、その本性は極めて残酷。

かつて旧ノアをメビウス・エヌにした時は、「今まで生活してきた故郷(シティー)」と「相棒にして恋人である旧ミオ」のどちらかを守りどちらかを破壊させるというこの上なく残酷な選択を迫った。その様子をエムの記憶から垣間見ていた現ミオからは、「選べないものを選ばせるなんてひどい」といわれている。その上、選択を迫った理由は「面白いから」。


能力編集

  • 人のメビウス化

「永遠の今を望むものをメビウスにし、固有能力を与える」という能力を持つ。作中ではこの能力によって、ヨラン、シャナイア、クリス、旧ノア、旧ミオがメビウスとなっていた。しかし何故メビウスになりたいのかまでは聞くことはなく、クリスが「現ノア達の意志の調べを聞く」という目的だったにもかかわらず、彼をメビウスとしていた。


  • ウロボロスとブレイドの封印

ノア達やこの世界に生きる者達の力となる「ウロボロス」と「武器(ブレイド)」を封印してしまうというとんでもない能力。ストーリー第五話にてノア達がシャナイアの裏切りによって追い込まれたとき、エックスを介して発動された。

アイオニオンはゼットの理の下にあるため、そこで生きる人々の能力を封じることもゼットにとっては造作も無いことである。アイオニオンという世界の理の中にある限り、それがどれだけ強大な力であろうとも意味を為さない。

しかし、六話にて十年の寿命の縛りを超えたミオと、真なる想いの力にて魔剣ラッキーセブンこと「終の剣」を完全に抜刀させたノアが「流れの外の存在」となったことでその強制力が通用しなくなった。

なお、最終決戦の時でもこの能力を最初に使っているが、そのときはノア一行の強い覚悟により難なく無力化されている。


  • 世界の静止

簡単に言うと「本来の未来へと進んでいく世界の時間を止め、永遠に同じことを繰り返す世界にする」というものである。ゼットという存在そのものの存在意義といってもいい。能力が能力なので一度しか使われておらず、そもそも能力と言うべきなのかすら怪しいが、これによって作られたのがゼノブレイド3の世界、アイオニオンである。


戦闘編集

ゼットとの決戦は、アイオニオン中心部の大海の渦内部に鎮座しているオリジン中心部、円環の劇場。ノア達が劇場内でゼットとの対峙を果たしたのち、大量のメビウスやアイオニオンの記憶がスクリーンに映し出され、戦いそのものを「舞台」としてみられる。なお、この時ゼットはオリジンそのものを兵器として利用しており、ケヴェス・アグヌス両軍の集中砲火に対抗し見境なくビームを撃ちまくっている。


第一形態編集

円環の劇場の舞台上でノア達とゼットがまずは生身で直接対峙する。全員のインタリンクを封じてくるため、ウロボロスに頼らない戦闘を強いられる。ある程度体力を削ると舞台を凍結させたり炎上させたり、ノア達のトラウマシーンを投影させたりとメビウスらしく陰湿な攻撃を仕掛けてくるが、覚悟を決めた六人にとっては障害にもならず次々と封印能力を打ち破っていく。

この時点での攻撃はあまり強力なものでなく、舞台での戦闘や演出も相まってさながらミュージカルのようである。


第二形態編集


「ゼットの本体・・・いや、オリジンか!?」


今がすべて この今さえあれば それが我らの願い!


第一形態撃破後、ノアが魔剣ラッキーセブンで劇場を破壊し戦場は外に。外ではオリジンが変形してさらなる攻撃を放ってくるが、ケヴェスの女王メリア、アグヌスの女王ニアがキャッスルを巨大な鉄巨神に変形させて参戦。シティーもといロストナンバーズも加わり、ゼットVSアイオニオンに生きるすべての人々という構図が完成する。

ゼットはオリジンと同化し、紫色の禍々しい光を発する生首というとても恐ろしい姿になる。このときから名称がゼットからゼット∞に変わる。異形の姿となったゼット∞に、ノア達、そしてアイオニオンのすべての人々は決戦を挑む。


進ませるわけには行かぬ この世界はとどまらねばならぬ!


①ゼット∞編集

オリジン外郭にて戦闘となる。形式は通常の戦闘と変わらず、こちら側の行動に制限がかかることはない。ただ後ろに回り込むことはできないため、背面特効アーツが機能しない。


②エックス∞・ワイ∞編集


さぁ 新たな舞台の開幕だ 我らを・・・メビウスを楽しませよ!!

横やりを許すとは・・・甘く見られたものよ だが、稚魚がいくら群れようが!!


ゼット∞の体力をある程度削るとノア達ケヴェス組とミオ達アグヌス組で舞台を分離され、ノア達はエックス∞を、ミオ達はワイ∞との戦闘を強要される。相方がいなくなる都合上インタリンクを封じられてしまうが、メリアとニアの助力によって今まで仲間にしたヒーロー達の何人かが助太刀に来てくれる。


第三形態編集


どこまでも我らに歯向かうかーー よいだろう 貴様らの望み通り 永遠の絶望をくれてやる


ふたたびゼット∞と対峙。これが最後の戦いである。第一形態・第二形態と同様、六人+ヒーローの万全での戦いになる。体力を半分ほど削ると、なんとメリアとニアがヒーローとして加勢する。


最期編集

戦闘が終わった後もなお、ゼット∞は自分の思念を強く放ってノア達を威圧する。そして語りかける。


ミオ「止まっても自分は変わらない!世界は変えられない!!


ノア「だったら俺は進みたい!俺たちのこの手で、未来を選び取りたい!!」


ゼット「選び取れない時はどうする?その絶望は誰が癒やしてくれる!?

世界には己しかおらん。ならば絶望を癒やしてくれるのは消滅のみだ!それが世界なのだ!!

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ そんな世界、嫌なんだぁぁぁーーーーーーっっ!!!!!!!


メビウスの心の叫びに圧倒されるノアとミオ。しかし、そこで思念となりノア・ミオとそれぞれ一体化していたエヌ・エムが飛び出してくる。

エヌ・エムは自らの後悔を語り、前へ進む覚悟を決めたことを告げる。そして、引き留めて別の方法を探そうとするノア・ミオに過去の自分自身を重ね合わせた後、自らを犠牲としてゼットにとどめをさし、この世界からメビウスという存在を完全に消し去るのだった。


正体編集

ゼット、もとよりメビウスの出自はアイオニオンの創世と一体である。


はるか昔、とある世界では全てを焼き尽くす大戦争が起きていた。その現状を憂えていた一人の科学者クラウスは特殊な物体「ゲート」を使い相転移実験を強行。元々の世界はニアの世界となり、実験の影響でメリアの世界が新たに創世された。


それから長い年月を経て、二つの世界が交信できるようになった時にある事実が判明した。二つの世界が元に戻ろうとしているというのだ。二つの世界が交われば、どちらも消えてしまう。そこで、ニアとメリアは互いの世界の叡智を結集して、世界を元のまま再生する装置「オリジン」を建造。本来であれば交わりの日にオリジンが起動、今までと変わらぬ生活が続く・・・はずだった。


オリジン内部で生まれたのは「今まで通り未来へと変わらず進んでいく世界への望み」ではなく、「未来を恐れ、永遠の今を求める恐怖」の意思が具現化した存在、メビウスだった。メビウスはメリアを拘束してオリジンを掌握。二つの国が永遠に戦い続ける、つまり「何も変わらない世界」であるアイオニオンを作った。そして恐怖を具現化した存在であるメビウスに執政官として世界を裏で指揮する役割を与え、オリジン自身はアイオニオンをとりまとめ、維持する存在としてゼットとなった。


メビウスとなっていった人は先述の「恐怖」を持つ人であった。

ヨランやシャナイアのように己の弱さから先に進むのを恐れた者、エヌのようにゼットに屈し個々の目的のため永遠の今を求めた者など、選択できぬ弱者となった人はゼットによってメビウスとなっていったのである。シティー内部に一定数いる「自分が平和に暮らせていればそれでよい」という考えを持つ人々を、ミオが「メビウスと同じ」と感じたのも、永遠の今を求める姿勢が同じだから。


恐怖の象徴であるメビウスは止まった世界でしか存在できない。

世界が動き出せば、メビウスは消えてしまう。自己の消滅への恐怖、また未来へ進むことへの恐怖の象徴としての役割が、メビウスがアイオニオンを留めようとする理由である。最終決戦でのタイオンやユーニが悟った、「メビウスは自分自身」「僕たちの中にもメビウスはある」というのも、不確定な未来への恐怖は誰しもが心の中に持っていることを意味している。


「前に進むことをためらう」「消滅から、世界の動きを止めようとする」

この性質から、過去作の敵ともメビウスは重ね合わせられる。

自己の消滅を恐れて創世と破壊を永遠に繰り返そうとしていた『初代』の「ザンザ」、同じく自己の消滅を恐れてブレイドの進化を妨げていた『2』の「マルベーニ」や、争い続ける世界への怒りを世界そのものを破壊することで止めようとした「メツ」と重なる部分はある。


またメビウスに対抗した力、ウロボロスにも重なるものはある。

自分の意思で未来を斬り開き、常に進み続ける世界を作る意思の象徴であったシュルクの「モナド」と、苦しみや絶望に打ちのめされようとも前に進み続け、未来への希望を次の世代へ託そうとしたレックスと彼のブレイドである「天の聖杯」がそれにあたる。アイオニオンが過去の二つの世界を基軸に作られたものであるため、構図も似たものとなっている。


『初代』と『2』は進もうとする者たちと現状維持を望む神との戦いともいえるものであった。しかし、シュルクやレックスが実現させた神なき世界で、変化を拒んだのは他ならぬ今を生きる人達そのものの恐怖だった。


余談編集

  • 本作でこのゼットを演じた大塚明夫氏は前作の『ゼノブレイド2』ではノポン族の強欲悪徳商人「バーン」として出演していた。どちらもそれぞれの主人公勢と敵対するヴィラン枠という点では同じなものの、互いを比較すると悪役キャラの格としては思想的にも能力的(あと外見的)にも大きすぎる違いがあるが。

  • またDLCで追加された「チャレンジバトル」に登場する「ノポン・ダイセンニン」も大塚氏がCVを担当している。そしてDLC第4弾「新たなる未来」にて、シュルクレックスアルファと呼ばれるアルヴィースらしき存在からアイオニオンを守るという利害が一致して共闘したことが語られる。

関連タグ編集

ゼノブレイド3 アイオニオン 執政官(ゼノブレイド3) ケヴェス アグヌス


小物界の大物:彼を一言で言い表すならコレだろう。ただし、ネタ的な意味はなく正にそのままの意味であり、本作において非常に大きな意味合いを持っている。

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