概要
作中に登場する犯罪組織「製薬会社アンブレラ」が極秘裏に開発したB.O.W.(生物兵器)のひとつ。
同社が保有する、感染した生物の身体能力と凶暴性を増大させる「t-ウイルス」を用いて作り出された。
「究極の生命体」と呼ばれるB.O.W.「タイラント」にさらなる改良を加えたもので、その性能はこれまでのタイラントシリーズの中でも最大。
開発を主導したのは旧ソ連出身の幹部セルゲイ・ウラジミールで、ロシアの極寒の地にあるコーカサス研究所で研究が行われていた。
性能
同じくタイラントの改良型で、1998年にラクーンシティへ投入された「ネメシス-T型」のデータを参考にして開発された。
ネメシスが寄生生物によってt-ウイルスによる知能の低下を補っていたのに対し、このテイロスは脳内にアンブレラ社のメインコンピュータ「Red Queen」と無線接続したチップを埋め込んでコントロールし、全身を特殊合金装甲で覆うことで防御力を高めつつ暴走を抑制。
増大した重量を支えるため左腕が地面に届くほど発達しており、そして右肩には身の丈以上もある巨大な4連装ロケットランチャーが装備されている。
きわめて歪な姿ながら人工臓器で循環器系を強化されているため機動力は高く、戦闘フィールドを駆け回りながら洋館事件の意趣返しのごとくロケット弾を連射し、左腕を振り回して攻撃目標をなぎ払う。
その性質から、従来のB.O.W.のような対人殺傷用ではなく対軍、対兵器の運用を想定されており、戦闘テストでは重武装の戦闘部隊や戦車をわずか数分で殲滅させる圧倒的な戦闘能力を発揮。
セルゲイ曰く「タイラントの破壊力とコンピュータ制御の精密さを融合させた」とのこと。
コードネームであるテイロス「T-ALOS」とは、「Tyrant-Armored Lethal Organic System(タイラント装甲化、致死的制圧、生体システム)」の略であり、ギリシア神話に登場するクレタ島の青銅の巨人を指す。
弱点は顔面と、胸と両腕にあるコアで、装甲を攻撃して破壊することで姿を現す。
第2形態
しかし完璧と思われたテイロスも、タイラントの宿命である暴走からは逃れられなかった。
絶命したことで「Red Queen」の制御から解き放たれ、活性化したウイルスが肉体に急速な変異をもたらしてゆく。
倒れたテイロスの背中から猛烈な勢いで脊椎が伸び、戦闘フィールドの天井を貫いて直接「Red Queen」と接続。
肉体はふた回り以上も巨大化し、それが脊椎によって持ち上げられてクレーンのような宙づりの状態になった。
さらに肥大した左腕の先には4本のカギ爪が形成され、右腕も同様のサイズと形状に変化。瞬時に脊椎を延ばして標的に接近し、爪で切り裂く。
背中には先端にカギ爪の付いた5本の触手が蠢いており、壁や天井を貫いて襲いかかってくる他、なんと先端からレーザーを打ち出すことも可能。
弱点は背中の巨大なコアだが、普段は宙づりの姿勢のため狙うことができず、触手や爪の猛攻を避けながら胸と両腕にあるコアを破壊して地面に落とす必要がある。
結末
ラクーン市消滅事件の後、倒産寸前となったアンブレラ社を復興させるための切り札として世界中の紛争地域に投入される予定だったが、研究所に乗り込んできたクリス、ジルたちに倒され、またセルゲイ自身も因縁の相手であるウェスカーに破れたことで計画は頓挫。
Red Queenの中にあった社の全データはウェスカーに持ち去られ、彼が流出させた数々の犯罪行為の証拠によってついに悪魔の企業は崩壊する。
しかし、生み出されてしまった生物兵器の技術は野に降った研究員たちによって拡散し、それが反社会組織の手に渡ったことで世界はさらなるバイオテロの脅威にさらされることになる……
余談
なお、元々テイロスの素体は洋館ことアークレイ研究所に存在していたが、『洋館事件』時の折、セルゲイ(と彼の護衛用タイラント「イワン」)によって素体を回収されている。
(この際にS.T.A.R.S.ブラヴォーチームのレベッカとリチャードが森の中へ去っていく彼らを目撃している)
関連項目
バイオハザード B.O.W. タイラント ネメシス-T型 アンブレラクロニクルズ
ゾルダート:ある意味テイロスの廉価版とも呼べるB.O.W.。