概要
『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』の原作漫画にて、闇バクラが使用したアンデット族モンスター。
20年以上の遊戯王の歴史でも他に類を見ない強烈な効果を有するが、それ以上に描かれたモンスターの外観がおどろおどろしいことでも有名。
カードイラスト
まずこのカードを語る上で外せない(?)のが、アンデット族の中でも群を抜いた醜悪極まるイラストである。無機質な人形の頭のような本体から何本もの悍ましい触手が伸びて蠢いているその姿は、初見のデュエリストの精神に容赦なくダイレクトアタックを仕掛けてくる。
そもそもアンデット族はゾンビやガイコツなど不気味な外見のモンスターがわんさか所属している種族であるが、なんだかんだで嫌悪感を感じにくいデザインとなっている場合が多い。しかし、このカードに関しては「そんな気遣いなどドブに捨ててきた」と言わんばかりに強烈なデザインが目を引く。というより、否が応でも目を引かせ、そのまま夢の中にまで現れそうな雰囲気さえ漂わせている。このカードほど悪い意味でイラストが脳裏に焼き付くようなモンスターカードもそうそう無いだろう。
カード性能
カードテキスト
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
除外されているお互いのカードを全て持ち主のデッキに戻す。
このカードの攻撃力は、この効果でデッキに戻った数×100アップする。
(2):このカードが除外された場合に発動する。
お互いのプレイヤーは、それぞれ自身のデッキの上からカードを5枚除外する。
解説
近年の遊戯王OCGではカードの「除外」を利用したデッキや戦略がそこかしこで見られるようになっているが、その除外されたカードを全て持ち主のデッキに戻してしまうという効果を持っている。しかもその効果は召喚するだけで発動し、おまけにデッキに戻したカードの枚数分だけネクロフェイスはパワーアップする。
紅蓮魔獣 ダ・イーザやディノインフィニティなどにとっては天敵中の天敵であり、このカードの召喚を許すだけで攻撃力を0にされ、そのまま戦闘破壊されてしまう。また、奈落の落とし穴によって除外されてしまったモンスターにもう一度活躍のチャンスを与えたり、効果を使い終わったバトルフェーダーなどを回収したりといった仕事もこなしてくれる。効果を適用するタイミングによって様々な応用が利くだろう。
しかし、実はネクロフェイスの真骨頂は前述の除外カードの回収や自己強化ではない。自分が除外されることでお互いのデッキの上から5枚を一気に除外してしまうというデッキ破壊効果こそがこのカードが隠し持つ最大の武器。この除外効果は「ネクロフェイスが除外される」だけで効果を発揮するため、フィールドからだろうと墓地からだろうとそんなことは一切関係ない。いきなりデッキが5枚も無くなれば、しかもその中にデュエルの流れを左右する切り札が含まれてしまっていたなら相手としては溜まったものではないだろう。
これに魂吸収を組み合わせた場合、なんとライフポイントが5500も回復する。また、紅蓮魔獣 ダ・イーザの攻撃力は一気に4400ポイント上昇する。このように単純なデッキ破壊だけでなく、除外をアドバンテージとして利用できるカードと組み合わせても劇的な効果を発揮する。除外デッキキラーであると同時に除外デッキの名サポーターであり、そして除外によるデッキ破壊のスペシャリスト、それがこのネクロフェイスというモンスターの正体である。
対戦環境への影響
ネクロフェイスは遊戯王OCGの公式カードカタログ「ザ・ヴァリュアブル・ブック9」の付属カードとして登場したため、レアリティこそウルトラレアではあるものの入手自体はかなり簡単だった。
同時に付属されていたのがネクロフェイスと相性抜群な通常魔法「封印の黄金櫃」だったこともあり、これ等を3枚投入した除外によるデッキ破壊戦術が流行した時期もあった。しかしそうなってくると、ネクロフェイスを主軸としたデッキ破壊デッキ同士が激突するケースも増えることになる。これがいろんな意味で大変だった。
ネクロフェイスは上述した通り「除外される」の1点だけで効果を発揮するが、それはつまり別のネクロフェイスの効果でデッキから除外された場合でも発動してしまうということ。除外されるお互いのデッキの中に別のネクロフェイスが紛れ込んでいた場合、ネクロフェイスによるネクロフェイスの「連鎖反応」が発生し、お互いのデッキが凄まじい勢いで除外されまくる事態となる。
これにより後攻の1ターン目が開始される頃にはお互いのデッキの残り枚数が既に5枚を切っている、さらに「魂吸収」も組み合わせたなら、1ターン目のメインフェイズ1にしてライフ差10000以上などというカオスな事態も見られた。
残念ながら現在ネクロフェイスは制限カードに指定されているため、これほど極端な事例が発生することはほぼ無くなった。しかし、ネクロフェイスによるデッキ破壊戦術は今でも息衝いており、自己強化によるビートダウン戦術も決して腐っているわけではない。現在においても形を変えながら暴れる機会を狙い続けているのだ。
来たる、2020年10月このカードは無制限になる。
現在はデッキ破壊よりD.D.ダイナマイトによるバーンが主流?